インターン生による職員インタビューシリーズ
UNDP駐日代表事務所職員インタビュー:石田ともみ
2018年7月10日
(石田)持続可能な開発目標(SDGs)は開発途上国だけでなく、先進国も含めた世界全体の目標ですので、日本社会にも知ってもらう必要があります。また、今の若者が2030年以降の社会を担う層です。若者に当事者意識を持ってもらい、彼らが必要と思った取り組みのヒントが得られるきっかけ作りになればいいと思いました。そのために、このようなユース向けのイベントを開催しようと思い、若者で地球規模に課題を見据えて持続可能な方法で解決する人が増えたらいいなと思います。
(石田)特に工夫したのは、イベントセミナー形式ではなく、トークショーやワークショップの形式をとることです。持続可能な社会の貢献につながる活動について、皆それぞれ視点や達成方法が違うと思います。この異なるアイデアが交差する場を提供することで、化学反応が起きたり、登壇者、参加者にとっても新しい発見や今後のヒントになればと思って、このような形式にしました。
(石田)SDGsは17つのゴールから成りたっており、包括的に未来の社会を見据えるには役に立つのではないかと思います「途上国開発」「社会貢献」「起業」「学生活動」「地方創生」「イノベーション」などのカテゴリーにとらわれすぎにクロスボーダーな課題(SDGsなど)をそれぞれの活動分野からの切り口で語ることで新たな視点が得られると思い、登壇者にお声がけをしました。
今回、「デザインの力」「自分を発揮できる社会」「環境とビジネス」「ITが変える社会」のセッションでそれぞれで活躍する若者が集い、具体的な取り組みから包括的な未来の社会の在り方を語り合ったことはが面白かったのではないかと思います。
(石田)限られた時間と人数で効率的にイベントを企画し、運営したのは大変でした。当日は多くの学生ボランティアの皆さんがとても積極的にサポートしてくれたので非常に助かりました。
また、若者の可能性やSDGs達成を見据えた社会の構築に賛同していただいたアクセンチュアさん、博報堂さんにも運営のみならず企画段階からたくさんのアイディアをいただけたのも、成功に繋がったと思います。
(石田)当日司会だけでなく、ロジや資料作成などは、ほとんどインターン生にやってもらっていました。イベントや司会の経験のないUNDPのインターン生からも、「初めてのことでも物怖じせずに挑戦する」姿勢を私自身も学びました。
(石田)イベントを通して、どのような社会的変化につながるかを予めデザインすることです。つまり、来場者にイベントにてどのような経験をしてもらい、行動につながるかを予測して企画を組み立てることです。そして、登壇者や私含めた運営のスタッフもイベントを通して新しいネットワークや発見の機会になればいいと思っていました。
また、今回のイベントでは、SDGsの可能性、そして若者の可能性に期待して、外務省や他国連機関の方々にもお越しいただき、イベントの熱気が伝えられたのはよかったです。
(石田)私は、UNDPでコンサルタントとして働く前は民間企業で働いていました。今は、SDGsを達成するために企業と国連の連携を担当しています。具体的には、SDGs Holistic Innovation Platform(SHIP)というプログラムを一般社団法人Japan Innovation Platform(JIN)と共同運営し、SDGsをビジネスの機会として捉え、ビジネスモデルのイノベーションを起こすワークショップ等を運営しています。
7月には、国連本部よりSDGsのためのグローバルアクションキャンペーンを担当しているミッチェル・トゥーミーさんが来日したので、SHIPオープンセミナー「SDGs達成に向けた国連の最新動向 ~ビジネスを通じたSDGs達成に向けて~」を開催しました。
(石田)SDGsは、今までとは違う新たな「未来志向」の考え方や新しい「パートナーシップ」が求められているので、多様なセクター、部署、世代、国籍、ジェンダーの人たちが一緒になって取り組み方法を考えて活動することが大事なんだと思います。今回のSDGsXYouthも、SHIPプログラムへも、今まで国連や地球規模課題、ソーシャルセクターの活動へ参加したことのない方々も多く関心を持っていただいているのは、大事なことだと思っています。
(石田)大学時代にバックパックやボランティアを通じて、途上国の課題解決に興味を持ちました。新卒で入った会社では、モビリティ企業への法人営業やブランドスペースの運営をしていて途上国開発とは全く関係のない仕事をしていました。ここで得た経験を活かし、各々が志を持って社会を前進させるような社会を目指して自分にできることを探していました。偶然見つけた今のポストで国連と企業と社会がWin- Win- Winの形を目指し、SDGsの達成という野心的、(そして一見クレイジーな)目標のために働くのは楽しいです。
また、UNDPは世界170の国と地域で活動しているので、世界中のSDGsの取り組みを知り、同志とともにSDGs達成に向けて挑戦していくのは難しいですが、非常に楽しいです。
聞き手:サハ ラチャナ(UNDP 駐日代表事務所 インターン)