人間開発報告書2007/2008


「気候変動との戦い-分断された世界で試される人類の団結」


2007年11月27日 GMT 12:00(日本時間21:00)発表

気候変動は21世紀における人間開発上の最大の問題である。この問題への対応に失敗すれば、貧困削減への国際的な努力を行き詰らせるだけでなく、退行させるだろう。そして最貧国とそこに住む人々は気候変動を引き起こす原因の関与が少ないにもかかわらず、どこよりも早く、だれよりも強烈な被害をこうむることになる。また将来に目を向けてみれば、たとえ裕福な国であれ貧しい国であれ、いかなる国も気候変動の衝撃から逃れることはできない。

「人間開発報告書2007/2008」が示すように、気候変動は遠い将来の話ではない。早魃や洪水、はたまた暴風雨の頻発は、すでにさまざまな人々の機会を喪失させ、不平等を助長している。それと同時に、世界には、不可逆の環境の破局が避けがたいところまで進んでいるという科学的証拠が存在している。このまま気候変動への対応が遅れ続けるのであれば、われわれが生きている間に人間開発は前例のないほど後退し、子どもや孫の世代までに深刻なリスクを残すことは明らかである。

かつてないほどの異常気象の衝撃による被害を食い止める絶好のチャンスは、いままさに閉ざされようとしている。世界には、進路を変更するための時間がもう10年も残されていないからである。ここ数年間の気候変動に対する取り組み、もしくは取り組みの欠如は、人間開発の未来に多大な影響を与えるだろう。そしてこの世界に不足しているのは財政上の資源や技術的能力ではなく、切迫した危機感と人類の団結、そして人々の認識なのである。

「人間開発報告書2007/2008」は気候変動がさまざまなレベルでの難問をもたらすことを指摘する。それは、分断されていても相互に依存しあっているこの世界において、われわれが共に分かち合うたったひとつの環境である地球をどのように管理していくかという、地球上すべての人々に対する課題である。そしてまた、国籍や年齢を問わず社会正義と人権をどう捉えるかという課題であり、さらには富裕国の政治的指導者や国民にこの問題に関する彼らの歴史的責任を認識させ、温室効果ガス排出削減の大幅かつ迅速な削減に着手させるという課題である。とりわけ共通の価値観や視野の上に立って迅速かつ強力な行動を起こすという人間社会全体の課題をこの報告書は指摘している。

本報告書の制作には、ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ、ノルウェイ前首相グロ・ハーレム・ブルントラント、国連事務総長 藩基文(バン・ギムン)、ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ、インドの環境活動家スニタ・ナライン、インドの経済学者アマルティア・セン、ノーベル平和賞受賞のデズモンド・ツツ大司教、カナダの自然保護活動家シーラ・ワットクルティからの寄稿が含まれている。

<プレスリリース>

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