炭素経済からグリーン経済へ:カザフスタン

風力発電所は、再生可能エネルギーに対する投資の大幅増を約束する国家政策とともに、環境に優しい時代の到来を告げています。


再生可能エネルギーはかつて、カザフスタンとは縁遠い存在でした。潤沢な化石燃料資源が経済の高度成長を推進し、エネルギー価格を安く抑えていたからです。省エネを心がける人はほとんどいませんでした。その炭素依存度の高さゆえに、カザフスタンは1人当たりで世界最悪の温室効果ガス排出国とされていたのです。

しかし今では、より持続可能な未来が見えています。国連開発計画(UNDP)の長期にわたるアドボカシーと技術的ノウハウは、環境に優しい実践の広がりや、最近の国内法と政策の大転換を支援してきました。

2013年、大統領はカザフスタンのグリーン経済への移行を宣言し、エネルギー、水道、廃棄物その他の必須分野で対策を講じています。2050年までに、カザフスタンのエネルギーの半分を代替的供給源で賄うことが目標として掲げられました。国内法の改正により、価格設定インセンティブを通じた再生可能エネルギーへの投資拡大が図られていますが、そのための財政負担は70億ドルを超える可能性があります。

カザフスタンの「グリーン化」の兆候は、10年以上前から現れています。UNDPは地球環境ファシリティの支援を受け、広大な国土の全体で潤沢な供給がある再生可能エネルギー源として、風力の利用を強く促していました。詳細な技術的調査により、既存の発電所ネットワークの18倍に相当する潜在的発電能力も確認されました。

UNDPは政府当局と連携し、風力エネルギー開発の技術的課題の解決を図りました。2011年までに、商業施設で風力発電機が稼働を始めました。その直後、さらに2か所の発電所が稼働を始めており、現在は追加的発電所の建設が進められています。風力発電により、炭素排出量は最終的に数百万トン減少する可能性がある他、新たな産業と雇用の創出による経済的利益は数十億ドルに達すると見られています。

このように明確な成果が期待できることで、他のグリーン産業の開発にも拍車がかかっていますが、国家的なグリーン経済の推進がさらにその勢いを増す公算も大きくなっています。2013年には、アルマトイ市の輸送計画が「グリーン・モビリティ」を標榜し、新規バス路線の開通や路面電車の利用促進で、自動車の交通量を30%減少するという大きな目標を掲げました。アスタナ市は近代的な暖房システム、照明、窓、断熱によって学校を改修したUNDPの試行プロジェクトの経験に基づき、2015年までに181棟ある公共建物全体の近代化を計画しています。

全国的に建築物のエネルギー浪費が多いため、58億ドル規模の「住宅・市町村インフラ近代化計画」では、省エネが重要な柱となっています。UNDPはカザフスタン初のグリーン建築仕様の策定と、大型アパートの省エネ技術開発を支援しました。この支援により、全国で1000棟を超える老朽化アパートが改修されました。

農村部では、同じくグリーン経済と不可分の一体をなす農業を中心に、持続可能性に向けた取り組みが進められています。カザフスタンでは毎年、水不足と土壌劣化によって農家に最大40億ドルの損失が生じています。その影響は、カザフスタンが小麦の90%を供給している中央アジア地域全体に及びます。政府当局や農家、UNDP、米国・国際開発庁(USAID)は、高収量種子から作付けの多様化に至るまで、気候変動に適応する技術を先頭に立って推進しています。グリーン経済成長の見通しはますます強まってきました。

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