フィリピン 復興管理とリスク軽減

台風被害から100日後:約1000KMの道路が開通し、復旧した学校や保育所には子どもたちが戻ってきました。


2013年11月に、大型の台風30号(ハイエン)は、急速に発達しながら太平洋を西へ進みました。そして、フィリピンのビサヤ諸島を襲った時点で、上陸した台風としては史上最大の勢力に達していました。時速300km以上の風が収まる頃までに、死者は6000人を超えていました。家や生計手段、必須の公共サービスを失った人の数は1400万以上に達しました。

台風がフィリピンの最貧地域の1つを襲ったという事実は、さらに悲劇を深刻にしました。人々は災害に弱く、復興する力も限られていたからです。住民のほぼ70%は、農業と天然資源に依存して生活していたため、極めて被害を受けやすい状況にありました。

UNDPは早急に、この危機への対応を開始し、緊急のニーズを満たす対策を講じました。また、長期的なリスクや脆弱性を軽減するための措置にも着手しました。

私たちは国家援助計画に基づき、最も被害の大きかった54の市町村を対象に、大規模な救援・復興作業を展開しました。数百万本の倒木に流された車や建物の残骸が絡みつく中で、がれきの処理がまず最優先課題となりました。この作業は、人道援助のための経路を確保するだけでなく、雇用も作り出しました。何もなければ極貧状態に陥っていたかもしれない住民約6万5000人ががれき処理に携わり、家族を養うための所得を稼ぐことによって、地域経済に不可欠の現金が投入されました。

2か月以内に、14か所の病院と700か所を超える学校や保育所へのアクセスが復旧し、道路も約1000kmが再開通しました。ビジネスも再開しました。UNDPの支援により、倒木を再建用の木材として利用するための移動製材所が10か所設置され、木材の搬送と加工でさらに数千人の雇用が生まれました。一部の最貧地域では訓練プログラムが実施され、1800人近くの住民が大工、石工、電気工その他再建に欠かせない職種の技術を習得しました。民間企業とのパートナーシップにより、修了した訓練生全員に雇用が保証されました。

国と地方自治体への支援は、UNDPが提供する援助の重要な要素となっています。これによって、どの国も手に負えないような災害への対応が可能になりました。例えば、全世界からの資金供与により、私たちは2004年のインド洋津波後のインドネシアでの経験を共有しました。その結果、実効的に資金を追跡、配分し、説明責任を促す国家システムの確立に向けた準備が進められています。

地方レベルでは、家庭ごみの収集など、放っておけば深刻な健康被害を及ぼしかねない必須の公共サービス再開に重点が置かれています。ビサヤ経済の中心都市タクロバンでは、自治体の能力が回復するまで、UNDPが一時的に廃棄物管理を担当しました。

2014年初頭までに、私たちは自治省との連携により、被災地以外の地方自治体職員を被災地に派遣し継続的な復興への取り組みを支援させるメカニズムを開発しました。地方の災害リスクと対応に関する制度も展開されており、それらは激しい暴風雨に対して最善の予防策とされています。自然災害は避けられなくても、多数の人命や生計手段の損失は防げるはずです。台風被害から100後:約1000kmの道路が開通し、復旧した700か所以上の学校や保育所には子どもたちが戻ってきました。

出典:UNDP年次報告書2013/2014

UNDP Around the world

You are at UNDP Tokyo 代表事務所
Go to UNDPグローバル