オゾン層の保護と気候変動対策


オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書は、オゾン破壊物質(ODS)の生産と消費を段階的に削減することによって地球のオゾン層を保護することを目指す、国際環境条約です。モントリオール議定書は、「共通だが差異のある責任」原則に従って定められており、世界的に批准された唯一の多国間環境条約です。モントリオール議定書は1987年に採択されて以来、2010年1月1日までに規制物質の大半を排除することに成功し、オゾン層の状態を元に戻すために大きく貢献してきました。

ほとんどのODSは強力な温室効果ガス(GHG)でもあるため、モントリオール議定書に基づく活動はCO2に換算すると250億トンの温室効果ガス削減にも寄与したことになります(国連ミレニアム開発目標報告2011)。このように、モントリオール議定書はオゾン層の保護と気候変動対策の両面に貢献したことで、世界的な成功を収めたとみなされています。

ただし、まだ重要な課題が残されています。産業界は過去20年にわたって、CFC(オゾン破壊係数‐ODP‐が高い物質)からHCFC(ODPが低い物質)への転換を進め、現在はHCFCからオゾン層をまったく破壊しない代替物質への転換を開始しています。全世界ではHCFCが今でも冷蔵庫、空調設備、 発泡剤に利用されており、残っているODS消費量の最大の部分を占めています。残念ながら、HCFCの代替物質は、気候にやさしいものばかりではありません。選択する代替物質によって、HCFCの段階的削減で気候変動対策に大きく貢献することも、気候への影響を減らそうとする各国の努力を無に帰してしまうこともあります。

もう1つの課題は、使用されなくなった機器(たとえばエネルギー効率化プログラムの一環として置き換えられた冷蔵庫)や旧化学物質の貯蔵分に残存しているODSです。これらのODSは、適切に管理して処分しなければ大気中に漏れだす恐れがあり、オゾン層と気候変動対策への大きな脅威となっています。

これらの課題に取り組むために、国連開発計画(UNDP)は開発途上国と市場経済移行国が、オゾン層と気候に悪影響を与えない代替物質の利用を推進すると同時にODSバンクを適切に処分しながら HCFCを段階的に削減するなど、モントリオール議定書の目標を順守できるよう、以下のような支援を行っています:


・ 制度面での能力開発
・ 政策と規制による介入
・ 必要な技術の評価
・ HCFC段階的管理計画/低炭素部門戦略
・ 低炭素の代替技術の評価と実証
・ 開発途上国がモントリオール議定書順守の目標を達成して気候への共同利益をもたらすために、異なる環境金融の資金源を利用し、組み合わせ、順序付けられるよう支援

UNDPは、オゾン層に悪影響を与えず、エネルギー効率が高く、低炭素の、経済と地球環境の両面で優れた生産工程の採用を妨げる障害を取り除くことによって、政府機関と民間企業がグリーン経済の成長と雇用喪失防止に競い合えるよう支援しています。

UNDPは1992年以降、モントリオール議定書多国間基金(MLF)、地球環境ファシリティ(GEF)、さらに2国間資金供与者から度重なる資金提供を 受けて、110か国で2085のプロジェクトを実施してきました。 UNDPのオゾン関連プロジェクトのポートフォリオは、累積合計で5億7400万米ドルを超え(MLFから5億5000万米ドル、GEFから2400万米 ドル)、これまでに6万5000トン以上のODSの大気中への放出を防いできました。

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