移行中の勝利:チュニジア

新憲法に関する画期的な合意を祝うチュニジアの議員。特に人権擁護に関する規定は、包摂的な民主主義に向けた大きな一歩となりました。

2014年のチュニジアでの憲法採択は、大きな勝利を意味するものでした。表決を終えたチュニジアの議員は総立ちとなって拍手を送りました。Vサインを見せたり、中には涙を流したりする姿も見られました。2011年、今でもアラブ世界を揺るがし続ける革命の発端となった小国は、合意と平和への期待に包まれていました。

集中的な審議の末、制憲議会議員216人のうち200が賛成票を投じた文書は、すぐに画期的な憲法として知られるようになりました。この憲法は政治的、経済的、社会的権利の詳細な保護のほか、その堅持を確保するための独立機関の設置も規定しています。また、ジェンダーの平等が謳われているほか、宗教と国家に対する進歩的なアプローチも採用されています。

憲法採択の背景は、その成果の大きさをさらに物語っています。チュニジアの革命は、国家に対する社会の深い不信感に端を発しました。数十年続いた独裁制から民主制への移行はなだらかではなく、政治的なこう着状態や暗殺、経済の停滞が続きました。

しかし、前進を求めるチュニジア国民の決意は揺るぎませんでした。UNDPは国際的な規範や、他の移行国での長い経験に基づく信頼できる助言を提供し、この取り組みを終始一貫して支持しました。そして、新憲法をはじめ、民主主義と包摂的な社会を求めるうえで欠かせない一連のステップを後押ししました。

2011年からは、国連政治局との協力により、チュニジア初の民主的な選挙管理委員会に援助を提供しました。委員会は数か月のうちに制憲議会選挙の実施にこぎつけましたが、1956年の独立以来初のこの自由選挙では、チュニジア国民400万人が投票しました。

制憲議会が憲法の起草を始めると、UNDPはその情報共有能力の支援に乗り出しました。大がかりな国民との協議プロセスでは、議員80人が24県の6000人以上と話し合いを行いましたが、女性や若者との間では、さらに焦点を絞った協議も実施されました。また、200を超える市民社会団体を対象に行った訓練は、これら団体がさらに2万4000人と協議を行うきっかけとなりました。

こうした数多くの国民の声と、より包摂的な社会の要求は、政治的こう着状態が続く中でも、大きなうねりを作り出しました。こうした声は制憲議会による憲法草案の審議にも反映されました。制憲議会のムスタファ・ベン・ジャファル議長は、次のようにコメントしています。「市民社会のあらゆる方面からの直接、間接の貢献がなければ、憲法の起草はできなかったでしょう」。

憲法制定プロセスと並行して、UNDPは新たな国家腐敗対策戦略と真実・尊厳委員会設置法の制定も支援しました。この委員会設置法は、南アフリカでの経験も参考にしながら、過去の不正を調査、是正することを目的としています。

新生チュニジアの民主制が安定化するにつれ、UNDPは支援の軸足を革命の根源となった経済的除外、特に若者の雇用機会不足に対する取り組みへと移しつつあります。これまでに、最も貧しい6つの地域で雇用促進行動計画の策定を支援したほか、若者の生計手段に関する実験的プロジェクトも実施し、どのプロジェクトを本格的投資の対象とすべきかが検討しているところです。チュニジアの人々が平和かつ自由に投票し、働いて普通の日常生活を送れるようになれば、移行の最も重要な段階は完了したことになるでしょう。

ハイライト

  • 1956年の独立以来初のこの自由選挙では、チュニジア国民400万人が投票しました。制憲議会が憲法の起草を始めると、UNDPはその情報共有能力の支援に乗り出しました。
  • 大がかりな国民との協議プロセスでは、議員80人が24県の6000人以上と話し合いを行いましたが、女性や若者との間では、さらに焦点を絞った協議も実施されました。
  • 200を超える市民社会団体を対象に行った訓練は、これら団体がさらに2万4000人と協議を行うきっかけとなりました。

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