移住者、難民、避難民

移住労働者は出身国と移住先の両方で開発に貢献します。例えばタジキスタンでは、国外からの送金によって、貧困ライン未満で暮らす人々の数が大幅に減っています。PHOTO:MASHID MOHADJERIN


移住者、難民、避難民の数は過去最高
移住者の数は現在、人類史上最大の数に達しています。国連は2013年、全世界の国際移住者は推定2億3200万人としましたが、女性がそのほぼ半数を占めています。

紛争と暴力により、全世界で6000万人が避難を余儀なくされていますが、うち国内避難民(IDPs)は3800万人を超え、難民も1900万人に達しています。世界は第2次世界大戦以来、最大の数の難民を抱えていることになります。2015年半ばの時点で、正式登録されたシリア難民は400万人を超え、危機の影響は中東地域から、ヨーロッパにまで及んでいます。

移住は長期的な問題
移住と強制避難は、長期間かけての解決を必要とする長期的な問題です。国連開発計画(UNDP)はこれまで長い間、様々な文脈で移住と避難の問題に取り組み、人道支援や開発の担い手とのパートナーシップを作り上げながら、地方と国内のレベルで恒久的な解決策を探ってきました。

具体的な取り組みとしては、紛争予防と鎮静、ガバナンスや司法へのアクセス改善、貧困対策、雇用と機会の提供、管理の行き届いた移住政策の実施などが挙げられますが、これらはいずれも新たに採択された持続可能な開発目標(SDGs)の趣旨に沿うものです。

UNDPは移住者、難民、国内避難民にとって重要なパートナー

UNDPは短期的な人道ニーズと長期的な開発ニーズのバランスを保つことにより、天災、人災を問わず、各国の危機からの復興を支援する上で重要なパートナーとなってきました。UNDPのシリアでの活動や近隣諸国での活動は、女性と若者への臨時雇用の用意、基本的サービスへのアクセス改善、長引く紛争によって避難を強いられた人々の支援に向けた他の国連機関との連携などの形で、数百万人に裨益しています。「シリア国内戦略対応計画」と「シリア周辺地域・難民・回復計画」は、危機対応と復興の効果を高める上で重要な取り組みとなっています。

近隣諸国でUNDPは、受入コミュニティによる難民流入への対処と、移住を余儀なくさせるもう1つの要因となっている環境破壊による影響の緩和も支援しています。具体的な取り組みとしては、ヨルダンでの女性向け雇用創出・現金報酬プロジェクト、トルコでのオリーブ包装・貯蔵プロジェクト、レバノンでの水道施設整備、イラクでの女性、女児向けの社会支援と法的支援、エジプトの受入コミュニティでの若者向け職業訓練などが挙げられます。

UNDPの貧困対策、ガバナンス改善および紛争と災害の予防、緩和に関する作業は、移住と避難の根本的原因に直接取り組むものとなっています。

開発にとってプラスの要因としての移住
数百万の難民が紛争や迫害を逃れる一方で、より良い暮らしや経済的機会、雇用を求めたり、安価な労働力に対する需要があったりするために移住する人々もいます。この経済移民は、負の重荷になると誤解されることが多くあります。

この考え方は、グローバリゼーションとともに、移住も投資や送金といった形で、大きな開発機会を作るという事実を無視しています。UNDPの『人間開発報告書2009』でも触れているように、移住は人間開発にとってプラスの力となります。持続可能な移住政策を国家開発計画に盛り込めば、不平等を減らし、雇用を提供し、経済成長に貢献することも可能です。

UNDPは今後も、ソリューションズ・アライアンス・イニシアティブ、グローバル・マイグレーション・グループ、移住と開発に関するグローバル・フォーラム、ナンセン・イニシアティブその他、移住と開発に関する重要なフォーラムで、移住と避難の開発に資する側面を強く訴えていきます。

ハイライト

  • • 2013年の時点で、全世界の国際移住者は2億3200万人に上りますが、2015年にはこの数が2億5000万人を超えると予測されています(国連・経済社会局)
  • • 全世界で5990万人に上る強制避難民の内訳は、国内避難民(IDPs)が3820万人、難民が1950万人、庇護申請者が180万人となっています
  • • 避難期間は平均17年で、長期に及ぶ避難状態や、帰還することも、他の場所に永住することもできない「第2の国外追放」状態で暮らす人も多くいます。

 

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