【旭化成】包括的なバリューチェーンでインドの繊維産業の成長を支援

 インド・グジャラート州の小規模な染色工場 Photo: Asahi Kasei

旭化成株式会社
包括的なバリューチェーンでインドの繊維産業の成長を支援(2016年5月参加)


インドでは、人口の半数以上が小規模農業に従事していますが、これらの農家は収入を増やすために自らが生産する農作物に付加価値を加える機会が少ないのが現状です。インドの繊維産業の中心地であるグジャラート州では、綿花の生産は天候の影響を受けやすく、生産性の向上も限定的です。繊維工場についても、先端技術を導入する資金力がないところが多く、経済成長の可能性があるにも関わらず、同州の成長には限界が見られます。

旭化成は、グジャラート州の5240人のキュプラ繊維産業従事者の技能と生産性を向上し、今後、この産業をリードしていく、女性を中心とした700人の若者への教育を支援する取り組みで、「ビジネス行動要請(BCtA)」に参加しました。特に女性と若者の持続的な生活向上に重点を置くことで、同社は2020年を目標として、インドにおける「ベンベルグ™」の包括的なバリューチェーンの構築を進める予定です。

ベンベルグ™は、普通は使われない綿花の種のまわりのうぶ毛(コットンリンター)を有効利用した、環境に優しいセルロース繊維で、旭化成はベンベルグ™を世界市場で販売しています。その絹のような肌ざわりの良さと優れた保湿性によって、ベンベルグ™はインドの女性が着るサリーへの加工に適しています。

旭化成は1976年にインドへのベンベルグ™の輸出を開始し、現地での原料から最終製品までのバリューチェーンの構築に努めてきました。それまでは廃棄されていたコットンリンターを旭化成が適正な価格で購入することによって、小規模農家の収入が飛躍的に拡大します。2020年までに、39万人の農家がこの取り組みの恩恵を受ける予定です。また、同社は2015年末までに現地の60の織屋、3つの染色工場と提携し、4300トンのキュプラ繊維を販売しました。2020年までには、6000トンのキュプラ繊維を80の織屋と10の染色工場に販売することを目標としています。

インドにおける包括的なバリューチェーンを通じて旭化成がコットンリンターを購入することによって、現地のベンベルグ™機屋(はたや)・染色工場では新たな雇用も生れています。旭化成は、これらの工場に無償で先端的な機械を貸与して、機械をどう使うかを指導するための技術者を送ることによって、デリンティング(コットンリンターを種から外す工程)、製織、染色技術の高度化も支援しています。さらに、同社は、繊維とデザインを専門とする現地の大学などの教育機関に、講師として社員を派遣したり、学生に奨学金を提供したりすることによって、将来のインドの繊維産業を担う人材、とくに女性の人材育成に貢献しています。

具体的には、旭化成は2016年から2020年の間に、4万USドルを提供して700人の若者(うち75%が女性)の教育支援を行うとともに、97の中小規模のデリンティング工場、織屋、染色工場の生産性の向上を支援する計画です。ベンベルグ™の主な顧客はインドの女性であり、インド市場全体も継続的な急成長が見込まれることから、同社は、2020年までに1500万人のインドの女性がキュプラ地のサリーを着ることを予測しています。

*「ベンベルグ™」は旭化成株式会社のキュプラ繊維の登録商標です。

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