ブータンでの資源リサイクル事業

2012/05/31

PHOTO: UNDP Bhutan

ブータンの首都ティンプー市では、行政と民間企業 Greener Wayによる革新的な資源リサイクル事業が開始され、持続可能な開発に向けた官民連携(Public-Private Partnership: PPP)事業として注目されています。同プロジェクトは、アジア太平洋、アフリカ、ラテンアメリカ地域における7つの行政機関で実施された国連開発計画(UNDP)のグローバルなプロジェクトの一部です。

プロジェクトの開始以前、ティンプー市の廃棄物処理事業は、市予算の18%を占める膨大な回収・処理費用や埋立地の不足など、様々な問題を抱えていました。しかし、その解決が喫緊の課題とされる一方、資源リサイクルに対する取り組みは、ほとんど実施されてきませんでした。

これらの問題を解決するため、2008年にティンプー市はUNDPに対し支援を要請し、2009年から3年間のプロジェクトを通じ、より効率的で持続可能な廃棄物処理事業の確立を進めています。ペットボトル処理事業を専門とするGreener wayをはじめ、現在3社の民間企業がティンプー市とPPP事業契約を結び、活動しています。

Greener wayは、2010年に設立されたブータン初の廃棄物処理・リサイクル関連業者です。現在、31人のスタッフが所属し、約5500の商業施設と370世帯から排出される廃棄物を処理しています。Greener Wayは処理施設を作り、回収・分別・リサイクルを実施しています。また、事業主や市民も回収・処理費用を負担するようになりました。

Greener way等の民間企業の活動と市民の行動は、ティンプー市の廃棄物処理事業に多くの変化をもたらしました。最も大きな進歩は、わずか1年の間に、これまで隣国のインドで処理されていた400万本(約70トン)のペットボトルが、ブータン国内で処理されるようになったことです。

国内におけるペットボトル取引が開始されたことにより、廃棄物回収に従事する小規模業者は、インドまでの輸送費を節約することができるようになりました。これは小規模業者の収入向上、また地域経済の活性化に貢献しています。

本プロジェクトでは、行政組織の能力開発に焦点をあて、廃棄物処理能力と持続性の向上を図るとともに、貧困層やジェンダーに配慮した雇用創出を目指しています。この実現のため、バンコクにあるUNDPアジア太平洋地域事務所の能力強化グループは、オランダのNGO WASTEと共に、参加型の廃棄物管理モデルや行政能力評価を導入し、より効果的なPPP事業の構築の実現に寄与しました。

ティンプー市におけるPPP事業の成功を受け、ブータン政府は2013年から実施される5カ年計画において、民間企業とのパートナーシップを重視しています。ブータン政府がさらなる行政サービスの拡大に向けて様々な取組みを実施するにあたり、UNDPは支援を継続していく予定です。

『選挙により選ばれた初の市長として、私は行政サービスの向上を重視しています。従って、このたびのUNDPブータンならびに「公共サービスのための官民連携プログラム」による能力強化支援に感謝しています。民間セクター、市民社会、公共サービス受益者とのパートナーシップの推進は、行政サービス提供範囲の拡大、より効果的・効率的なサービスの提供を可能にするだけではありません。行政が市民ニーズをより深く理解し、市民と共にサービスを提供していく、そんな市民と行政との相互関係を実現するものなのです。』(ドルジ・ティンプー市長)

UNDP駐日代表事務所ニュースレター第7号(2012年5月)より

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