キルギス共和国:災害対応能力強化・中央アジア地域協力促進プロジェクト

2014/02/21

「中央アジアの災害リスク削減分野における地域協力会議」の様子。Photo: UNDP Kyrgyzstan


中央アジアのキルギス共和国は、国土の大部分が山岳地帯で、そのうち40%は標高3000メートル以上の高地です。美しい景観から「中央アジアのスイス」と称される同国ですが、地質・地形・気候条件等により自然災害が頻発し、人々の安全と生活が脅かされています。以下に、国連開発計画(UNDP)がキルギスにおいて日本政府の資金協力を得て実施中のプロジェクト「災害対応・リスク評価能力強化及び地域協力対話促進計画」を紹介します。

キルギスは、南北の大陸プレートがぶつかり合う地点に位置しているため、周期的に大地震に見舞われ、幾度となく人的・経済的損失を被ってきました。また同国では、寒波や豪雨といった極端な気象現象も多発しています。最近では地球温暖化の影響で、雪崩や洪水の被害が一層深刻化する傾向にあります。地滑りや土砂崩れの被害も甚大で、近年の地震活動の活発化や降水量の増加により、更なる被害の拡大が懸念されています。同国では、毎年300件以上の自然災害が発生しており、年間の被災者数は1000人以上、経済損失額は少なくとも国内総生産(GDP)の1.01.5%相当に達しています。

キルギス政府は、災害リスク削減戦略を策定する一方、国家開発戦略にも災害対策強化を盛り込み、開発の重要課題として防災に取り組んでいます。国連は、「兵庫行動枠組20052015」等の国際合意に沿った防災体制づくりを支援しており、なかでもUNDPは、主要な開発パートナーとして、様々な側面からキルギスの防災・災害対応を支援しています。UNDPはこれまでに、災害リスク削減戦略の策定および国家防災プラットフォームの設置を支援した他、キルギスの地方分権化と歩調を合わせた地方自治体の防災システム強化や、災害対応にかかわる様々なアクターの連携強化等に取り組んできました。

UNDPは、20132月に日本政府の防災・災害復興支援無償資金協力(2400万円)を得て、「災害対応・リスク評価能力強化及び地域協力対話促進計画」を実施しています。本プロジェクトは、UNDPがキルギスで展開中の「災害リスク管理プログラム」の一端を担い、キルギスにおける包括的な災害リスク削減システムの構築に向け、1)災害リスク評価・監視能力の強化、2)早期警戒能力の強化、3)中央アジア地域協力の促進、の3分野におけるキルギス政府の取り組みを支援するものです。

プロジェクトではまず、災害リスク評価・管理能力の強化を目指し、キルギス危機管理センターの機材整備と職員訓練を実施しています。また、ソビエト連邦時代に構築された旧来の早期警戒システムを、制度・機材の両面から刷新することで、地方レベルの情報伝達能力の強化にも取り組んでいます。これには、災害リスクの高いコミュニティ30か所を対象とした、地震や地滑りなど6種類の災害に関する防災冊子の配布、テレビ・ラジオ放送や避難訓練を通じた防災教育も含まれています。さらに、災害発生時の対応能力を強化すべく、消防車や救急車の機材整備および消防士の訓練も実施しています。

2013年にプロジェクトが挙げた主要な成果は、キルギス政府と近隣3か国(カザフスタン、タジキスタン、アフガニスタン)の防災担当閣僚の参加を得て1016日から3日間にわたり首都ビシュケクで開催した「中央アジアの災害リスク削減分野における地域協力会議」の成功です。同会議は、日本政府の中央アジア諸国の対話と協力を推進する「中央アジア+日本」対話とも連動し、在キルギス日本大使館とJICAの協力のもとで開催されました。会議には、政府代表、国際機関・NGOの実務者および研究者120人以上が参加し、中央アジア各国の災害対応の現状および防災体制強化に向けた取り組みを発表し、共通課題の克服に向けた地域協力の可能性について話し合いました。会議参加者は、分科会における活発な議論を経て、域内連携強化に向けた提言を盛り込んだ成果文書に合意しました。

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