日本政府及びJICAと「アフリカにおける暴力的紛争の予防」に関するセミナーを開催(米国ニューヨーク)

Thu Mar 13 00:00:00 EDT 2014

Photo:JICA Research Institute


2014
313日、国連開発計画(UNDP)は日本政府国連代表部及び独立行政法人国際協力機構(JICA)との共催で、米国ニューヨークにて「アフリカにおける暴力的紛争の予防」に関する公開セミナーを開催しました。

UNDP
JICA2007 11 月に英国ロンドン近郊のウィルトン・パークにて、「アフリカにおける紛争予防と開発協力」をテーマにした会合を開催しました。その後、JICA研究所により同テーマの研究が継続された結果、日米欧アフリカ7カ国の研究者が共同研究したプロジェクト「アフリカにおける暴力的紛争の予防」の成果をまとめ、「Preventing Violent Conflict in Africa: Inequalities, Perceptions and Institutions」が、英国のPalgrave Macmillan社から201310月に刊行されました。この出版を記念して、JICAの呼びかけにより、2014313日にUNDP本部のある米国ニューヨークにて、一般向けの公開セミナーが開催されました。

書籍は、アフリカの暴力的紛争について、民族・宗教・文化などを共有するアイデンティティ集団間の政治・経済・社会・文化的地位の不平等(水平的不平等、Horizontal Inequalities: HIs)に焦点を当て研究したものです。定量的な分析と定性的な調査を組み合わせながら、HIs、人々の意識、政治制度という3つの要因の相互作用と、これらの要因が国の安定性と紛争リスクに与える影響を分析し、開発実務者や政策立案者に向けた提言を行っています。本セミナーでは、実際に執筆や編集を担当した有識者やJICA研究所研究員が、研究の成果と実務・政策への提言を発表し、開発援助がアフリカの暴力的紛争の予防に果たす役割や留意点等について参加者と意見交換を行いました。

公開セミナーには、各国国連代表部関係者及び国連機関を中心に実務者が多く参加しました。冒頭、国連日本政府代表部次席常駐代表の山崎純大使は、「平和の実現は日本の開発援助(ODA)の目的であり、ODA大綱でも平和の構築が重点課題として掲げられている」と日本政府の方針に触れた上で、本研究の成果が効果的な援助の実施に有益なガイダンスとなることへの期待を表明しました。また、アフリカ連合(AU)国連代表部のアドニア・アイェバレ平和構築・開発担当シニアアドバイザーからは、アフリカにおける紛争が不平等によってもたらされている現状に触れ、本研究の結果はAUの政策に合致しており、本研究をふまえた紛争予防の実施に期待する旨が述べられました。

UNDP
のジョーダン・ライアン危機予防・復興局長による司会進行のもと、書籍の著者である峯陽一教授(同志社大学)及び片柳氏(元JICA研究員)による発表が行われ、議論においては、パネリストの一人で本書籍の編者の一人でもある福田パー咲子教授(ニュースクール)より、現在国際的に議論が進められているミレニアム開発目標後の新たな開発枠組み(ポスト2015開発アジェンダ)と本研究を関連付け、「ポスト2015開発アジェンダの枠組み検討においても平和・紛争の問題は重要課題の一つであり、特に民主的ガバナンス、法の支配などが活発に議論されているが、それらの議論は必ずしも暴力的紛争と具体的な政治制度のあり方を掘り下げて分析するところまで深まっていない」として、本書で共通点を持つ国同士を対にして社会の安定/不安定とHIs等及び政治制度のあり方に関する詳細な比較事例分析をしていることの意義を指摘しました。また、もう1人のパネリストであるオゾニア・オジエロUNDP危機予防・復興局紛争予防ユニット長からは、アフリカにおける紛争の予防・解決にHIsという視点が有効であること、国内諸集団の協力・合意形成を促す政治制度の構築が重要とする本書籍の提言は重要であること等、アフリカの平和構築・開発に関わる実務者の視点からも本研究成果が示唆に富むものであるとのコメントが寄せられました。


※本件に関するJICA研究所のニュースはこちらから

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