人間の安全保障基金を通じての国際協力②-コソボ共和国での事例紹介

2014/03/17

1999年に国連に設置された「人間の安全保障基金」では、紛争や自然災害などによって被災した国・地域において、人間の生存や尊厳に対する脅威から人々を守り、人々の豊かな可能性を実現するために支援を行ってきました。国連開発計画(UNDP)はその最大実施機関として、同基金を活用して世界各地でプロジェクトを実施しており、UNDPが実施したプロジェクト成果について国毎にまとめてシリーズで紹介します。第1回目はコソボ共和国です。

概要
コソボ共和国は2008年に旧ユーゴスラビアから独立した新しい国です。旧ユーゴスラビアでは低開発地域として、長年、中央政府による援助に依存していました。コソボ政府は直近の開発計画(20122014年)において、開発政策の目標を「持続可能な経済・社会・機構開発」と定め、それを達成のために4つの柱、すなわち1)持続可能な経済成長、2)良い統治および法の支配の実施、3)人的資本の開発、4)社会福祉の拡充、を挙げて取り組んでいます。

プロジェクト:
●コソボADRA/JAPAN学校修復プロジェクト(School Rehabilitation in Kosovo
期間:20012002
予算:約270万米ドル


コソボは元来旧ユーゴスラビアの中で最も貧しく、開発が遅れている地域でしたが、ユーゴスラビア連邦政府からの独立を求めたコソボ紛争(19981999年)によって状況は更に悪化しました。この紛争によって、国内の学校の3分の2が全壊もしくは大規模な損害を受けました。また、学校の近くには地雷が埋められており、子どもたちを危険にさらされていました。そのため、人間の安全保障基金の支援を受けて実施された「学校修復プロジェクト」では、学校が置かれた状況を改善し、子どもたちにとって安全な学習環境を創り出すことを目指しました。

このプロジェクトによって、多くの小・中学校が再建され、子ども3100人と教師152人が直接の恩恵を受けました。また、子どもたちと教師は、公衆衛生、地雷対策、平和的な共存などの課題を学ぶために研修を受けました。

UNDP/AMDAコソボ病院修復プロジェクト(Hospital Rehabilitation Programme in Kosovo
期間:20012002
予算:約102万米ドル


コソボの医療システムは、1998年に紛争が起きる前から劣悪な状況でした。国内に技術の高い医者が少ないだけでなく、医療器具はメンテナンスが行き届いておらず、必要な医療器具が無い医療施設もありました。そのため、人間の安全保障基金の支援を受けた「病院修復プロジェクト」では、新たに効率的かつ安全・安価な医療サービスを国民に提供するため、「医療施設の質の向上」と「医療従事者の能力強化」の2つの目標を掲げました。このプロジェクトによって、91人の医療従事者が研修を受けるとともに、それまで保健所がない地域に4つの保健所が建設されました。これにより39500人が保健所を通じて医療サービスを利用できるようになりました。このプロジェクトは、世界保健機構(WHO)と日本の特定非営利活動法人アムダ(本部・岡山市)とのパートナーシップのもと実施されました。


人間の安全保障基金を通じての国際協力はシリーズで紹介しています。第1回の「人間の安全保障基金を通じての国際協力―近藤哲生UNDP駐日代表が語る」(2014年2月20日掲載)はこちらから。

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