人間の安全保障基金を通じての国際協力④-スーダン共和国での事例紹介

2014/05/22

photo:Giovanni Diffidenti

1999年に国連に設置された「人間の安全保障基金」(United Nations Trust Fund for Human Security: UNTFHS)では、紛争や災害により被災した国・地域において、人々を生存や尊厳に対する脅威から守り、人々の豊かな可能性を実現するために支援を行ってきました。国連開発計画(UNDP)は同基金の最大の実施機関として、世界各地でプロジェクトを実施しています。UNDPと同基金の関わりについて紹介するシリーズの最終回の第4回目は、スーダン共和国における取り組みです。

国の概要:
北アフリカに位置するスーダン共和国は、1951年に独立以降も度々内戦と自然災害に見舞われてきました。2003年から反政府武装勢力との内戦が激化しましたが、2005年に南北両勢力による国民統一政府が成立、住民投票を経て2011年に南スーダン共和国が分離独立しました。その後も南北間の軍事的衝突や東部での紛争など、スーダン共和国における平和構築・定着はいまも国際的な関心事となっています。

●ダルフールにおけるアフリカ連合軍支援(Capacity-building of African Union Forces in Darfur
期間:20062008
予算:約309万米ドル

南スーダン共和国独立前の内戦では、推定20万人以上が死亡し、ダルフール地方の人口の約3分の1にあたる200万人が家屋を失いました。アフリカ連合スーダン・ミッション(AMIS)の下、アフリカ連合軍が紛争地域での安全保障を担うことになりましたが、ダルフール地方でより効率的かつ広範囲で治安を改善し、平和を確立するにはAMISの能力開発が必要でした。

「人間の安全保障基金」の支援を受けたプロジェクトでは、アフリカ連合軍の治安維持能力の強化と人間の安全保障に貢献するために、人権の尊重と法の支配を順守する観点から研修を行いました。特に女性や子どもの権利、スーダン国内の法律や慣習、文化的な価値観についての理解を深めました。軍の63%にあたる4415人の兵士に研修行い多様な成果を上げたほか、122人に他の兵士を指導するためのトレーニングを行いました。

●スーダンにおける人間の安全保障のための犠牲者支援と地雷回避教育(Crossing the Bridge of Peace: Victim Assistance and Mine Risk Education for Human Security in Sudan
期間:20062008
予算:約173万米ドル

内戦中に設置された地雷や爆発性戦争残存物(ERW)は、地域住民にとって心理的・物理的に大きな障害となっていました。地雷やERWによって農業を含め経済活動ができず、移動の自由や食の安全が脅かされていました。また地雷やERWに対して知識がない国内避難民(IDPs)が地雷やERWが埋蔵されている地域を通行する恐れもあり、大変危険な状況が続いていました。

本プロジェクトでは、現地の政府や自治体また非営利団体や地域コミュニティを支援し、地雷やERWの被害者救済を行う全国的な戦略づくりをすると同時に、地域主体の地雷リスク軽減のプログラムを行いました。

本プロジェクトを通じて、地雷やERWの危険性に対する人々の意識を高めるため、国内避難民(IDPs)を含む約136800人に地雷回避教育を行いました。また、2037人を対象にトレーナーの育成研修を実施しました。そのほか犠牲者のニーズに基づき、非営利団体によるコミュニティ参加型のプロジェクト11件を始めました。この取り組みによって、十分ではなかった犠牲者ニーズを満たすことに成功しました。

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