「紛争影響地域における地方ガバナンス強化」に関するセミナーをUNDPとJICAがエチオピアで共催

2014/06/20

2014年6月16、17日に、国連開発計画(UNDP)は独立行政法人国際協力機構(JICA)との共催で、エチオピアの首都アジスアベバにて「紛争影響地域における地方ガバナンス強化」に関するワークショップを開催しました。

UNDPとJICAは開発協力機関のパートナーとして長年の協力関係にあります。2009年に両者にて締結された組織間連携に関する合意文書の中で、平和構築・紛争予防は重点連携分野として定められています。2012年3月にも、UNDPとJICAはケニアのナイロビにて「紛争影響地域における生計向上・雇用」に関するワークショップを開催し、同分野の知見の交換・発信を共同して行い、紛争影響地域における開発課題において連携を深めてきました。

2013年10月には、年1度の頻度で開催されるUNDPとJICA間の年次協議の場にて、両機関が知見や専門性を有する平和構築・紛争予防分野において、更に連携して知的交流及び知見の発信することを合意しました。この合意を元に両機関で検討を重ねた結果、今回アジスアベバを会場として、「紛争影響地域における地方ガバナンス強化」をテーマとして開催することが決まりました。紛争影響地域における平和構築・国家建設の過程において、地方ガバナンス強化は、地域住民への教育や保健等の社会サービス提供や地域における政府と住民間の信頼関係の構築に直結するものであり、地域における復興及び経済開発における最重要課題となっています。

「紛争影響地域における地方ガバナンス強化」に関する合同ワークショップには、UNDP本部及びJICA本部の開発援助関係者のみならず、UNDPとJICAがそれぞれプロジェクトを実施している8つの国・地域(ブルンジ、スーダン、フィリピン、ウガンダ、パレスチナ、イエメン、ソマリア、シエラレオネ)より、プロジェクト関係者、現地政府関係者(中央政府及び地方政府)から計37人の参加がありました。

本ワークショップは、知見・経験の共有や相互理解をすることで各参加者が他地域の経験を学び取るだけではなく、テーマ別のパネルディスカッション及びグループディスカッションを通じて得られた教訓をとりまとめて、紛争影響地域における地方ガバナンス強化のためには、いかなる戦略、手段、リソースが必要かを議論し、指針・提言をとりまとめることを目的として行われました。

パネルディスカッションでは、(1)紛争影響地域における社会サービス提供再開のための地方ガバナンス強化、(2)紛争影響地域において住民ニーズに応えるための地方ガバナンス強化策、(3)地域における政府と住民間信頼を構築・醸成するための地方ガバナンス強化、について参加国・地域の事例を参照しつつ、具体的なボトルネックや課題への対応策等を広く意見交換しました。

議論を通じて得られた教訓はUNDP及びJICA関係者の協議により成果文書として取りまとめられました。

【成果文書の主な内容】
・紛争影響社会において社会サービス提供及び復興へ寄与する地方ガバナンス強化への取り組みは、十分な資金と能力が伴うことが必要。地方ガバナンス強化は人道支援から開発段階への移行を後押しするだけでなく、地域住民と中央政府との間の関係を繋ぐきわめて重要な課題である。

・紛争影響地域における地方ガバナンス強化への取り組みは、各地域・社会の文脈に応じて適切な方法を持って対処されるべきである。

・中央政府と地方政府間のシステム・関係が再構築され、両者の連携が強化されることは、紛争影響地域において、長期的な視野で地方ガバナンス強化を達成するには不可欠である。

・紛争影響地域における地方ガバナンス強化のための開発プロジェクトには、使いやすいガイドラインによりプロジェクの計画がなされることが必要。それにより、地方ガバナンスに関与する全ステークホルダー(開発援助機関、現地政府、地域住民)による連携がスムーズになる。

・紛争影響地域においては地方政府のキャパシティ開発が最優先課題であり、段階的なアプローチにより行われるべきである。

・国家と社会間の信頼を維持するためには地方における意思決定は説明責任が伴うべきである。
・紛争影響地域における効果の高い地方ガバナンス向上のための開発プロジェクトの実施には、(治安等の問題による)アクセスの制限があり、困難なものである。

・紛争影響地域における地方ガバナンス向上の取り組みを阻害する要因に配慮した戦略が必要。

UNDPとJICAは本ワークショップ後のフォローアップアクションとして、成果文書を、(1)関連するテーマの国際会合等で広く紹介すること、(2) 両組織における政策文書へ反映させること、(3)紛争影響国の開発プロジェクトへ活用すること、(4) 現場における連携において活用すること、等を合意しました。

本会合後、最初のステップとして、6月23日に国連本部(ニューヨーク)で開催された国連平和構築委員会年次会合の場において、成果文書が会議の参加者へ配布されました。両機関は今後も引き続き、紛争影響地域における世界的な開発への取り組みにおいて、連携して貢献していきます。
(文責:対外関係・アドボカシー局ジャパンユニット 二瓶直樹)

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