「ジェンダー視点から考える復興・防災~東北での支援活動の成果と教訓」勉強会、開催報告

2014/09/26

第2回勉強会の様子(2014年7月3日、国連大学)


来年3月、第3回国連防災世界会議が仙台で開催されます。主要テーマの一つが「ジェンダー平等」です。男性と女性が協力して防災に取り組むことで、災害に強い社会を創っていこうという理念です。日本政府は今年3月の第58回国連女性の地位委員会(CSW)「自然災害とジェンダー」と題した決議案を提出し、それは全会一致で採択されました。また、今年7月に東京で開催された世界人道サミット北・南東アジア地域準備会合では、岸田文雄外務大臣が災害に強い社会づくりと女性の参画の確保を重要視していること、第3回国連世界防災会議ではジェンダーの視点を盛り込むことを表明しています。このように、日本は自然災害とジェンダーという分野でリーダーシップを発揮しています。

東日本大震災の経験を踏まえて、国際社会に向けて具体的に提案・発信できることとは何でしょうか。国連開発計画(UNDP)、国際協力NGO オックスファム・ジャパン、シンクタンクNGOジェンダー・アクション・プラットフォームは、内閣府・外務省・復興庁等の政府関係機関、メディア、アカデミア、市民社会などから有識者を招き、「ジェンダー視点から考える復興・防災~東北での支援活動の成果と教訓」と題した勉強会を今年の6月、7月に計2回開催しました。CSW決議の2本柱である「女性特有のニーズへの対応・保護」と「女性の意思決定への参画」をテーマに、オックスファム・ジャパンが行ってきた東北での支援活動を振り返り、得られた経験と教訓を議論しました。

第1回勉強会では、「ひとり親家庭の脆弱性」と「災害後に増えるDV・性暴力」の問題に焦点を当てました。NPO法人インクルいわての山屋理恵氏、NPO法人全国父子家庭支援連絡会(宮城県父子の会)の村上吉宣氏、NPO法人全国女性シェルターネットの近藤恵子氏に、東日本大震災発生時やそれ以降の具体的な事例、教訓を交えながら発表いただきました。平時より脆弱性が特に高いとされるグループが真っ先に災害弱者となること、彼(女)らのニーズが緊急支援や復旧・復興支援から抜け落ちてしまうこと、防災計画に社会の多様なニーズが反映されるように、平常時からジェンダーに平等な社会を創ることの重要性が指摘されました。

第2回勉強会では、「防災・復興における女性の意思決定への参画」を議論しました。東日本大震災の復興支援に関わってきた静岡大学の池田恵子氏から、「レジリエンスとは、分かりやすく言えば、回復する力・復元する力のこと」、そのためには「災害から影響を受けやすい人々がハザードを避けられ、被害を小さく留め、早くより良い状態に回復できる社会づくりが重要」という指摘がありました。また、エンパワーメント11わての山下梓氏、もりおか女性センターの起業芽でる塾講師の関洋一氏、宮城県で活動するNPO法人ウィメンズアイの石本めぐみ氏から、「弱者」とされてきた女性たちが災害復興の過程で自分の持っている力に気付き、他者と助け合いながら自立し、さらには地域社会に貢献していく「エンパワーメント」の事例が共有されました。

参加した有識者からは「母子家庭と父子家庭が異なる状況・脆弱性に直面していることを初めて知った」、「国際的な防災とジェンダーの動きについて理解できた」、「我が国の教訓を整理し、今後の国際的なプロセスで発表していきたい」、「レジリエンスとは、国土強靭化=インフラ整備のことだと思っていたが認識を改めた」、「国連防災世界会議に向けて、政府、国際機関、NGOの三者協力で何か形にしたい」などの声が寄せられました。

(特別寄稿:シンクタンクNGOジェンダー・アクション・プラットフォーム・大崎麻子)

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