フィリピン:緊急通信の向上が台風22号の影響を抑制

2014/12/08

国連開発計画(UNDP)は他の国連機関とともに現地状況の評価を支援し、特に東ビサヤ地方における早期避難を可能にしました。PHOTO: UNDP IN THE PHILIPPINES

【2014年12月8日】

フィリピンのタクロバン市では、過去の教訓がシンプルな通信システムという形で活かされています。

住民と市職員は2014年12月6日にフィリピンに上陸した台風22号(国際名:ハグピート)の最悪の事態に備えていました。2013年11月の台風30号(国際名:ハイエン、フィリピン名:ヨランダ)がもたらした破壊の恐怖が人々を支配していました。

台風ハイエンはフィリピン沿岸部に壊滅的な被害を及ぼし、6000人以上が亡くなりました。その多くはタクロバンに及んだ被害で、報道機関は「計り知れない、世界の終わり」と表現しました。

今回の台風ハグピート発生においては、無線通信システムがリスク削減と人命救助において極めて重要な役割を果たしたと言われています。台風22号は台風30号ほどの威力はなく、他にもいくつかの改善策が市の被害削減に貢献しましたが、国連開発計画(UNDP)が設置したシステムにより、市の緊急対策班は台風の襲来前、最中、そして去った後もネットワークでつながり、迅速に対応することができました。

タクロバン市の緊急時の備えが緊急通信の欠如により阻害されていることを認識したUNDPは、中央集中型無線システムを提供し、市全体をカバーする効果的な緊急通信の確保と調整を行いました。

UNDPはRadnet 5(アマチュア無線ネットワーク5)と提携して市の通信システムを強化し、市職員に機器の使い方に関する研修を実施しました。

ポータブルVHFラジオ46台、救急車およびレスキュー車両用の移動式無線基地、デュアルバンド無線基地およびリピーターシステムを含む機器が、このたびの台風では重要な役割を果たしました。

タクロバン市のアルフレッド・S・ロムアルデス市長は「最新の緊急通信システムと機器がなくては、巨大台風における死者ゼロという目標は達成できませんでした。このような高い基準を達成するためのカギとなるのが緊急通信システムの使用です。台風22号のような大型台風が襲来する前に機器配備をしてくれたUNDPに感謝しています」と述べました。

ロムアルデス市長は、タクロバン市とUNDPの関係を「画期的」と表現し、同市に頻繁に襲来する強力な台風に対処するための通信・技術インフラを強化してくれたことに対してUNDPに感謝し、「強靭性を構築するための継続的パートナーシップ」に期待していると述べました。

台風ハイエンの後のUNDPの目標は、脆弱な地方を保護して災害のリスクを減らすため、国と地方を支援することでした。

UNDPフィリピン事務所のモーリス・デウルフ所長は「ハイエンのような大災害に向き合った私たちの経験と、そこから得た明確な証拠により、UNDPはリスクを削減する革新的な解決策への投資を増やし、これを共有することができるようになりました。私たちは災害の発生後は復興支援に取り組みますが、私たちの目標は、各国政府と協力して回復力を強化するために事前の対策を行い、一つの命も失われないようにすることです」と述べました。

市災害リスク削減管理局(CDRRMO)およびタクロバン市レスキューユニット(TACRU)の花形レスキュー隊員のレネ・モッシュ・アマノ氏は、通信システムのおかげで自分のユニットは「台風22号が市を襲った夜も多くの緊急電話に対応することができ、4人を救助することができました。そのうち2人は妊婦で、どちらも無事出産できました」と述べています。

緊急通信機器に加え、UNDPは市職員の緊急時の監視、情報収集、および意思決定能力を向上させるため、AV機器と高性能コンピューターも提供しました。

アマノ氏は「この重要な情報と緊急通信システムがなかったら、タクロバン市はこれほど効果的に台風22号に対する備えと対応はできなかったでしょう」と語っています。

この協力の有効性をもとに、UNDPは災害と戦うタクロバン市の能力をさらに強化するため、すでにいくつかの緊急レスキュー班に対して最新式のレスキュー器材を提供する準備をしています。

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