UNDP東ティモールガバナンス部門でのインターンシップを経験して

2017/01/26

UNDP東ティモール事務所で活躍する今村さん

 

1.はじめに
UNDP東ティモールガバナンス部門で2016年4月から2017年1月までインターンシップをしている今村達哉です。私が所属するガバナンス部門では主に司法、選挙、警察の支援を行っています。京都大学法学部出身で、現在所属する博士課程教育リーディングプログラム「京都大学大学院思修館」では行政学を専攻し、警察や民主主義について研究している私にとって、ガバナンス部門でのインターンシップ経験は自身の研究にも大いに役立てられる貴重な機会になったと実感しています。私自身がこの9か月間、東ティモールで経験した業務、感じたこと、日々の努力などをご報告させていただきます。

2.警察について

ガバナンス部門が支援する警察の活動のうち、私が主に従事したのは広報や、家庭内暴力の被害者を支援する活動です。地方出張を通して家庭内暴力被害者への警察からの支援状況についてのレポート作成、家庭内暴力などの被害者支援のためのシェルター建設についての企画書を現地のNGOや民間企業、日本大使館の方とミーティングを重ねて作成する機会に恵まれました。残念ながら本企画は今回のインターンシップ中に実現することができませんでしたが、修正を加えることで来年度には実現できるように調整しています。

3.選挙について

STAE(Sekertariadu Tekniku Administrasaun Eleitoral)やCNE(Comição Nacional de Eleições)という現地の選挙管理委員会やSECOM(Sekretaria Estado Comunikasaun Sosial)という選挙の広報を担う政府系の組織などカウンターパートとの交渉や会議に参加する機会が多く、プロジェクトの一端を担っていると実感しています。むしろ緊急の案件に巻き込まれることが多いという方が正確かもしれません。選挙支援のプロジェクトではカウンターパートから突然の依頼が舞い込むことがよくあります。たとえば、「3時間以内に6万枚の書類を印刷してくれ」というような依頼です。UNDPには公平性、透明性を厳守するためのいくつかの調達プロセスがあり、長期契約を結んでいないと時間がかかります。さらに、東ティモールならではの難しさもあります。日本では取引先と電話やメールでのやりとりができますが、東ティモールではメールの返信には期待できませんし、電話に出ないことも多いので、すべての取引先を実際に訪問する必要があります。

調達担当者にこの依頼事情を説明し、時間的制約がある難しい案件でも極力処理しようと、複数の印刷会社に注文を分散することで期限に間に合いました。調達部門や印刷会社と普段から良好な関係を構築していたことで適切なプロセスを柔軟かつ迅速に運用し、良心的な協力を引き出すことができたことを非常にうれしく思いました。

4.英語・国際感覚について

職場では様々な国籍の同僚と英語でコミュニケーションを取っています。私は英語が不得意だったので、インターンシップの開始当初は英語での会話に苦労しました。昼休みにも会話が理解できなくて、一言も言葉を発しないこともありました。悔しかったことと毎日の生活を楽しくしたかったことも相まって、プライベートでもオーストラリアやニュージーランド出身の友人と過ごすように心がけました。何を話しているかわからなくて疎外感を感じることもしばしばありましたが、とにかく時間を共有するようにしました。その努力が奏功したのか、今では中国や韓国、ドイツ、トルコ、ノルウェー出身の同僚とランチを楽しむこともできるようになりました。また、業務中にメキシコやイタリア出身の上司と円滑にコミュニケーションを取ることや、多様な国籍の人が参加する会議の議事録も作成することができるようになりました。

しかし、コミュニケーションは英語だけの問題ではないことも経験しました。社会人の基本の一つに報告・連絡・相談があるといわれますが、その程度が多くても少なくても問題を引き起こしかねません。特に多様な国籍の人々が職場にいる場合、逐一報告しすぎると話を真剣に聞いてもらえなくなる一方で、報告が少なすぎると情報を隠しているのではないかと不信感を持たれることもあります。なおかつその程度は人や国籍によってバラツキが大きいのでバランスをとることに最初は苦労しましたが、今ではちょうどいい塩梅でコミュニケーションが取れているはずです。

5.テトゥン語について

ドライバーや売店、町の中では多くの場合英語が通じないので、テトゥン語という現地の言葉でコミュニケーションをします。着任当初はテトゥン語を一切知らなかったので、電話でドライバーを手配することもうまくできずに不甲斐なさを感じることも多くありました。そこで毎日就業時刻前に出勤してテトゥン語を勉強し、移動の際にもドライバーと積極的に会話するように心がけました。今ではドライバーと現地の言葉を使って電話で話すこともできるようになり、仕事帰りの楽しみの一つ、75セントのアイスクリームを買うときにもテトゥン語が役に立っています。

6.最後に

国連でのインターンシップを経験することを困難だと感じる人は多くいるかもしれません。私も東ティモールに来る前までは、「私が国連のインターンシップをするなんて畏れ多い」くらいの気持ちでした。しかし今は、開発や途上国に関心のある方には是非チャレンジしてほしいと思います。というのも、私のオフィスでインターンシップを公募したところ、多数の応募があったものの、日本からの応募はほとんどなかったからです。大学や政府などが提供しているインターンシップにも使用できる奨学金を利用すれば金銭面で挑戦を妨げるものはないと思います。日本は海外で働いたり学んだりする人を増やそうと積極的に制度を整備しています。国連でのインターンシップで得るものは多いと思いますが、挑戦して失うものなどありませんので、興味のある分野、国などいくつか申し込んでみてください。手続きに時間がかかることもあるかと思いますが、日本人のパフォーマンスは言語の壁など気にならないほどに評価されると信じています。

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