「Football×Social Good=SDGs~サッカーが変えるもの。」開催報告

2017/11/29

10月4日(水)、「Football×Social Good=SDGs~サッカーが変えるもの。」を100BANCHと共催しました。

サッカーを通じて、様々な角度から持続可能な社会の構築に貢献されているゲストスピーカー4名と共に、サッカーがどのように「持続可能な開発目標(SDGs)」に貢献できるのか、参加者一人一人が考え、行動に移す場となりました。

 

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【SDGsとサッカーの可能性】

近藤哲生UNDP駐日代表は、17のゴールと169のターゲットで構成されるSDGsについての概要を説明した後に、SDGsの目標を「自分ゴト」として考える重要性を指摘しました。そして、「SDGsによって今までになかったコラボレーションが続々と実現している。スポーツはSDGs達成に多方面から貢献できる」と述べ、実際にサッカーが健康・産業・防災・ジェンダー・ジャスティス(公正性)などの側面からSDGsに貢献できる可能性は大いにあると話しました。

次に、4名のゲストスピーカーが「防災」「まちづくり」「マーケティング」「ジェンダー」の視点からサッカーを通じてできることについてプレゼンテーションをしました。

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【HITOTOWA INC. 代表・ 荒 昌史氏】

サッカーを通じて防災・減災活動を行うプロジェクト「social football COLO」。「防災を真面目に突き詰めるほど参加人数が減ってしまう」ことが悩みだったそうです。しかし、サッカーボールを用いて防災のワークショップを開催すると、参加率が上がると共に、親子での参加も増えたといいます。まさに、「サッカーは大きな力をもった”メディア”」です。また、ボールを使ってコミュニケーションをすることで、防災や減災のために必要である、「共助」の意識も育まれるといいます。

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【元ガンバ大阪社長・野呂輝久氏(現Jリーグ参与 クラブ経営アドバイザー)】

「スタジアムは地域コミュニティーをつなぐ拠点になる」という信念のもとに、日本で初めて、募金でスタジアム設立に成功した「吹田サッカースタジアム」の事例を紹介。そこでは、「スタジアム建設による地域との共存共栄」が推進されたといいます。地元企業や地方自治体、ガンバ大阪等、多方面のステークホルダーがサッカーを通してパートナーシップを組み、共にスタジアム設立という一つの目標に向けて取り組むことで、スタジアム自体が地域コミュニティーや子どもたち、そして快適な環境づくりのために貢献することが可能になったと話しました。

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【公益財団法人日本サッカー協会(JFA)・林鉄朗氏】

「企業の経営課題や社会問題を解決するために、サッカーを通じて何ができるのか」という問いに向き合っているという林さん。JFA Youth & Development Program のマーケティング担当という立場から、企業とのパートナーシップを推進しています。トヨタ自動車株式会社とは「キッズ巡回指導」を通じて、地域・子ども達とサッカーを通じた交流を進めています。この取組では、各地域のトヨタ各社社員が「キッズリーダー」の資格を取得し、幼稚園・保育園を訪問、巡回指導を行っています。JFAでは、2027年までに日本中すべての幼稚園・保育園を巡回しようという目標も掲げられており、企業がサッカーを通して地域・社会へ貢献できる一例です。

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【元プロサッカー選手・野口亜弥氏】

野口さんは、サッカーを含むスポーツが、ジェンダー平等を進めるために重要な役割を果たすと強調しました。「スポーツ界の中でも、スポーツを通して社会にも、スポーツは女性のエンパワメントに貢献できる」といいます。「平等な機会」が提供されることがまず第一であり、そのうえで、平等に個人の力を発揮できるようにされるべきであると話しました。「日本の大学の部活動で、男子サッカー部が優先的にグラウンドを使う事に何の違和感も抱いていなかった。でも、アメリカやスウェーデンは違った。プロの女子サッカー選手として街中で歓迎されることもあった。」と自身の経験を語った野口さん。

サッカーは「楽しさ」を共有できる一方で、ジェンダー平等のような難しい課題について考えるよいきっかけになると指摘しました。


【クロストーク】

ゲストスピーカーのプレゼンテーションの後には、ファシリテーターに迎えたフリーアナウンサーの徳永有美さんが、クロストークを実施。それぞれのプレゼンテーションを踏まえ、より深く様々な発言が飛び交いました。


(荒 昌史氏)
「サッカーは世界の写し鏡みたいなもので、光と影がある。実際に、サッカーには綺麗事だけではなく、人種差別やフーリガンなどの問題がある。しかし、問題があってもそれを改善し、乗り越えていこうとするサッカー界の姿勢がSDGsにつながり得るのではないか。」

「将来的に(防災・減災活動を)アジアに拡大していきたい。活動にサッカーを使う必要性とは、サッカーがアジアにおいて非常に人気で、アジアの共通言語としての役割を担い、強い影響力を持っている点にある。」

(野呂輝久氏)
「スタジアムを防災対策に活用していくことができるのではないか。」

「サッカーは共通言語、ルールさえ覚えれば誰でもできる。」

「サッカーは地域に根付いて文化になっていく。」

(林鉄朗氏)
「スポーツの価値は多面的だと感じ、Football × Social Goodに留まらず、Sports×Social Goodだと思った。サッカーには留まらず、スポーツを活用して社会貢献に取り組めるのではないか。」

「サッカーの価値とはサッカーを通じて異なるステークホルダーが集まって議論できることではないか。」

(野口亜弥氏)
「サッカーを活用することによって、楽しみながらジェンダーについて取り組むことができる。楽しむためにはジェンダーへの取組が重要だと気付く。」
 

クロストーク終盤には、参加者との質疑応答も行われ、参加者は「サッカーを通して自分に何ができるのか」という点について考えを深めました。最後には、アクションシートにそれぞれの想いを書き起こしてもらい、3人1組の小グループで活発な議論が行われました。

イベント終了後には、参加者の皆さんからは以下のような感想が寄せられました。
「サッカーを通してできること、まだまだ様々考えることがあります。そのヒントを本日いただきました。」

「最初はサッカーとSDGsってどんな風に結びつくのかと思ったが、いろんな視点から考えて提示することが大切だとわかった。」

「サッカーを通じて社会貢献をするという発想がなかったので勉強になりました。」

 

SDGsという「遠くて難しそうな目標」をサッカーという身近な切り口から議論した今回のイベント。

UNDP駐日代表事務所では、日本の皆さんがSDGsについて考え、アクションを起こすきっかけとなるイベントをこれからも開催していきます。

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