ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ実現にむけて 新薬開発と薬の供給強化の両輪を結ぶ

2018/01/22

新しい医療技術のイノベーションと、その提供に向けた仕組みの強化という両輪を繋ぐことで、新しい薬、診断方法やワクチンを必要としている人々に届ける Photo: Omer Sadaat/UNDP Afghanistan

先月、東京で開催されたUHCフォーラムにおいて、安倍晋三首相や世界のリーダーは、誰がどこにいても質の高い保健医療サービスを受けられることを意味するユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)への支援を約束しました。

日本政府のリーダーシップによってUHC実現への世界的な動きはこれまでになく高まっています。次に必要なのは、UHC実現のために各国とドナー諸国が具体的方策を講じ、市民社会がその実現に向けての推移を確認し続けることです。やるべきことは数多くあります。保健医療サービスへのアクセス不足という溝を埋めるためには、これまで別個の優先課題であった「新薬開発のためのイノベーション」と「患者へ薬を届ける供給体制づくり」をコインの表裏ととらえ、協調した投資が必要となります。

今、命を脅かす病気と闘うための新薬、診断方法、ワクチンは早急に必要とされています。温暖化が進む中、デング熱、マラリアや黄熱病などの病気が広がり始めており、惨事を引き起こす前に新薬開発におけるイノベーションが早急に必要です。加えて、薬剤耐性(AMR)が問題をより複雑にしています。

ただ、たとえ新薬などが開発されても、それらを人々に届けるためにはしっかりとした保健システムが不可欠です。例えば、多剤性結核(MDR-TB)は年間50万人がかかる恐ろしい病気です。だが、その治療のための新薬は先進国ですでに承認されていても、感染が広がり危機的な状況に陥る可能性がある途上国の多くには届いていないのが現状です。

UHCの実現には、新しい薬、診断方法やワクチンを必要としている人々に届けるために、新しい医療技術のイノベーションと、その提供に向けた仕組みの強化という両輪を繋ぐことが不可欠です。日本をはじめいくつかの国がこの課題の緊急性を認識し、誰一人として取り残さないようにすべくこの挑戦に取り組んでいます。

日本政府はグローバルヘルス技術振興基金(GHIT)と「アクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)」という補完し合う二つのプロジェクトを支援しています。GHITは主に貧しい人々を救う新薬、診断方法やワクチンを開発するもので、国連開発計画(UNDP)が主導するADPは、それらのイノベーションが人々に届くよう保健システムを強化するものです。

先月のUHCフォーラムで、世界人口73億人の半数以上が基本的な保健医療サービスを受けられていないということがわかりました。新薬開発イノベーションとそれを届けるための保健サービス構築への投資は、すべての人々に健康をもたらし誰一人とり残さないという公約を実現するためには不可欠です。

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