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役員全員が参加したワークショップにて、SDGsの各ゴールのつながりとビジネス機会について発表する様子

 

UNDPがJapan Innovation Network (JIN)と共同運営している「SDGs Holistic Innovation Platform (SHIP)*」に参加している沖電気工業株式会社(以下、OKI)の川崎秀一会長に、SDGsの取り組みや期待について伺いました。

*SHIPとは、「SDGs(持続可能な開発目標)」をビジネス・イノベーションの機会と捉え、企業の技術・ノウハウで世界中の課題解決を目指すオープンイノベーションのプログラムです。

 

Q1. SDGsの達成に向けて企業の活躍が期待されています。SDGsとの出会い、そしてOKIとの接点について教えてください。

社会のために欠くべからざる企業であること

日本初の電子通信機器メーカーであるOKIは1881年創業で、今年で創業137年を迎えます。企業理念は「進取の精神」。日本発の電話機を開発し、遠く離れた人も身近にコミュニケーションできるようにという創業者の強い想いから始まり、様々な社会のインフラを支えてきました。しかし、業績が振るわず社員が自信を失ってしまった時期もありました。その際に、企業は社会的な存在価値がなければいけない、同時に、その存在価値があれば生き延びる、と自分たちに言い聞かせました。そして、これからも続く企業を目指すには世の中に必要とされる「社会に欠くべからざる企業」であり続けなければならないと思ったのです。

スピード感を持って社会に変革を起こしていく

そんな中、Japan Innovation Network(JIN)の西口尚宏専務理事を社内に招いたセミナーで、SDGs(持続可能な開発目標)が企業にとっても重要でビジネスチャンスにもなるということを聞いて「これだ」とひらめきました。地球はサステナブルでなければいけない、そしてそれは、取り組む企業も持続可能であってこそ実現できるという意味で繋がっています。SDGsは、OKIの「『進取の精神』をもって情報化社会の発展に寄与する商品を開発して、世界の人々の心豊かで安心、安全な生活の実現に貢献する」という企業理念とも重なっているんですよ。そこで、我々もSDGsを一つの「旗」として事業活動そのものに取り組むべきではないかと考え始めました。会長である自分がスピード感を持ってどんどんやろうと思い、ひらめいてから2カ月後には企業としてSDGsに取り組むことを公式に宣言し、ホームページや社内報にも掲載し、社内の組織改革も進めています。

 

Q2.SDGsへの取り組み実施に向けて、SHIPをどのように活用されていますか。

SHIPのワークショップでSDGsが立体的に

自分自身はSDGsについてこれだというひらめきがありましたが、資料を読むだけでは平面的で、社内できちっと説明しきれませんでした。SDGsを掲げる以上、自分たちが腹落ちしていないといけない。そこでSHIPのビジネス向けSDGsワークショップを役員全員で受けることにしたのです。小グループに分かれカードなどを用いて進める参加型のワークショップで、一つの道具やシステムができるとそれが一歩進んでより大きな目標につながっていくということ、またSDGsの目標間のつながりを役員全員が理解することができたと思います。

1000人ワークショップで社員一人一人がSDGsを行動に移す

今後は、全社で計約1000人を対象に、SDGsを学び、ビジネス機会を模索するSHIPのワークショップを受けてもらいます。部長クラス以上は本社全員、若手社員も約500人、様々な部署、様々な年代の人材が部署を越えて参加できるようにして、横の連携も深めて新たなビジネスの創出を目指します。また、社内報などでも社員の取り組みを紹介し、一人一人の社員が企業人としても個人としても、SDGsについてしっかり腹落ちするくらい理解し、行動してゆく機運を醸成していきます。参加した社員にはSDGsのバッジを授与します。

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SDGsバッジを胸元につけた川崎秀一会長

 

Q3. サステナブルな企業活動と社会の創造に向けて今後の計画を教えてください。

プロダクトアウトではビジネスにならない、課題起点で社会インフラを支えるビジネスを生み出す

4月から、イノベーション推進部を立ち上げました。OKIでは技術の面ではイノベーションを色々とやってきているのですが、プロダクトアウトではビジネスにならないという状況に悩んでいました。そんな時、企業理念の原点に戻り、地球や人類の未来を作る上での課題がマーケットとなる中で、イノベーティブな活動をして新商品を生み出していくことが大切だと気付きました。今後は企業人として課題解決を通じてビジネスを生み出していきたいです。

 

Q3. 今後の国連やUNDPに期待することはありますか。

世界中のネットワークを活かす

以前は、国連はすごく遠い存在でした。でも、このSDGsの取り組みを始めてからは、もっと身近に感じられるようになりました。SHIPの活動ももっと知られるといいと思っています。我々が今後課題解決に向けて企業として活動していく中で、グローバルな活動をしていかないといけない場面もあると思います。世界中にネットワークを持っているUNDPにはそういった活動の面でのサポートを期待しています。

 

インタビューを終えて

企業のSDGsへの取り組みは増えていますが、全社を挙げてビジネス機会の創出や個人のSDGsへの貢献に焦点を当てた取り組みを行っている企業は多くはありません。インタビューでは、川崎秀一会長のリーダーシップと、サステナブルな社会の構築に向けた情熱が強く感じられました。また、経営陣向けに開催したワークショップでは、企業や社会にとって、ビジネスが提供する「本質的な価値」について役員の方達が議論している姿が印象的でした。UNDPとJINは今後も、SHIPプログラムを通して企業の技術やノウハウを活かした課題解決を促進し、共にサステナブルな地球や社会を創造していきます。

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