「法整備支援」をご存知ですか。法整備支援とは、開発途上国などに対し、社会を支える法律や制度の整備などの支援を行うことです。誰もが安心して豊かに暮らせる社会を作るには、法や制度によって、権力者も含めた全ての人が等しくルールに従うことが必要です。このような理念を「法の支配」といいます。日本は、約20年以上前から、アジア諸国を中心に法整備支援を行っています。

さる2月1日、東京都昭島市の法務省国際法務総合センターにおいて、「SDGsと法整備支援」をテーマに、日本の法整備支援について議論する「第20回法整備支援連絡会」(法務省・JICA共催、UNDP駐日代表事務所など後援)が開催されました。同会議の様子は大阪市内の会場にも中継され、両会場合わせて、160名が参加しました。

会議では、まず、コロンビア大学のジェフリー・サックス教授が「SDGsと法の役割」をテーマに基調講演(ニューヨークから中継)を行いました。SDGsのゴール16は「平和で包摂的な社会の促進」を目標として掲げており、「法の支配の促進」は中でも重要な位置を占めています。

サックス教授は、SDGsが謳う「法の支配」には、途上国の貧しい人に対する司法へのアクセスの保障を始めとして、透明で責任ある行政、環境規制、汚職の防止、多国籍企業の行動の規律など複数の側面があり、それらがSDGsの各目標にも反映されている、と説明。さらに同教授は「法の支配はSDGsの達成に向けて中核的な役割を担っている」として、法整備支援などこれまでの日本の努力に対して感謝の意を示しました。また、本年8月に横浜で開催予定の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に参加するのを大変楽しみにしているとも述べました。

UNDPバンコク地域ハブ,ガバナンスチームリーダーのニコラス・ブース
UNDP近藤哲生駐日代表

 

その後、UNDPバンコク地域事務所ガバナンスチームリーダーのニコラス・ブースが、法の支配分野でのUNDPの取組についてプレゼンテーションを行い、続けて、長年日本の法整備支援に携わっている慶應義塾大学の松尾弘教授とトークセッションを行いました。

ブースは、SDGsの採択以降、法の支配分野におけるUNDPの活動が、市民社会や民間セクターも含めたパートナーシップや「誰も置き去りにしない (Leave No One Behind)」の原則の重視など、年々進化を遂げていることなどを説明しました。ブースと松尾教授は、 2020年に京都で開催される国連犯罪防止刑事司法会議(通称「コングレス」)に向けて現在国連等で議論されている「法遵守の文化」(法の支配において、法や制度だけでなく、文化や人々の行動にも焦点を当てる考え方)などを念頭に、今後の法整備支援が取るべきアプローチなどについて議論しました。

また、会議に参加したUNDP駐日代表の近藤哲生も「日本はゴール16の達成において指導力を発揮できる数少ない国の1つ。日本の支援の知恵と経験を途上国におけるSDGsの達成にぜひ活かしてほしい」などとコメントしました。

午後のセッションでも、日本の法整備支援を担う法務省、日本弁護士連合会、JICA、名古屋大学の担当者らによるパネルディスカッションが行われ、今後の日本の支援の目的や役割について、活発な議論が行われました。

会議の締めくくりに、ブースは「法整備支援は、時として正解のない非常に難しい仕事です。SDGsにより日本もUNDPも途上国も共通の目標を得た。ぜひ今後もこのような議論を続け、共に行動していきましょう。」と述べました。

UNDPは、今後もSDGsが重視する「法の支配」の実現に向けて日本と協力していきます。

 

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