国連開発計画(UNDP)は、ギニアビサウ政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)への対策を講じ、復興するための支援の一環として、日本政府、ENGIM International、ギニアビサウのCOVID-19高等弁務官事務所と連携して「ヘルスケアと社会的保護の強化によるCOVID-19の影響の抑制」プロジェクトを実施しています。このイニシアティブは、ビサウにあるプルバという人口の60%が女性と若者であるコミュニティにある脆弱な立場に置かれた300世帯に対して、短期的な収入創出の機会と持続可能な暮らしのためのスキル習得の機会を提供するものです。
コミュニティにおける活動の発足式で挨拶した新井辰夫駐ギニアビサウ共和国日本国特命全権大使は、日本とギニアビサウは長期的なパートナー関係にあり、様々なセクターで協力していると述べました。
「日本は、とりわけ保健医療、輸送、ガバナンスの改善、食料安全保障の分野で数年にわたってギニアビサウ政府や様々な関係者と協力してきました。」
このイニシアティブの目的について、新井大使は次のように語りました。「適切かつ効果的な保健医療資源をギニアビサウ政府に提供することにより、パンデミックと闘う政府当局の取り組みを支援するものです。」
非常に不安定な保健医療システムに加えて新型コロナウイルス流行したことにより、ギニアビサウは2020年3月以降、複合的な医療保健の危機に直面しています。この医療保健の危機は、より脆弱な立場に置かれた人々、特に女性や若者のための社会保障制度が非常に限られている同国において、社会経済の課題も引き起こしました。
UNDPと日本はこの共同プロジェクトを通じ、新型コロナウイルスの検査機器、酸素供給設備、ヘルプラインを提供して医療保健サービスを向上させ、脆弱な人々をキャッシュ・フォー・ワークによって救済しながら起業家としてのスキルを強化し、持続可能な開発に貢献することを目指します。
トゥジャーク・エンホフUNDPギニアビサウ常駐代表は発足式で次のように語りました。「今日は、UNDPが長年にわたって作り上げ、多くの場所でテストしてきた方法に基づき、多くのパートナーたちを結びつけるプロジェクトの発足をする喜ばしい日です。」
このイニシアティブは、3つのフェーズに分かれており、JICAの「カイゼン」手法を利用した3x6パイロット事業も実施されます。
- 地元の市場「フェイラ・デ・カバセイラ」の建設、ゲラ・メンデス小学校の再建、プロジェクトが介入する様々な地域での認知とゴミ収集事業などにコミュニティの住人を雇用(キャッシュ・フォー・ワーク)。
- 受益者が独自の事業を立ち上げることができるようにするための起業家スキルの研修を実施。
- 事業創出のための資金調達。
この活動の発足式に出席したプルバの地元市場の売り手、エリザベート・コレイア氏は、このイニシアティブに満足していると述べました。
「周辺住民や市場の出店者が非常に助かるので、私は、学校や市場を建設するこのイニシアティブにとても満足しています。」
ギニアビサウのCOVID-19高等弁務官事務所は、コロナ禍におけるこのプロジェクトの重要性を強調しました。
マグダ・ロバロ博士・COVID-19高等弁務官は、「このプロジェクトは、経済的自立を促す研修の他に新型コロナウイルスの予防に関する教育を受益者に施せる点でも、私たちにとって重要なものです。」と語りました。