ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁訪日報告 (2010年11月29日―12月1日)

2010/12/15

ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は、2010年11月29日より12月1日まで訪日し、日本とUNDPのパートナーシップ強化のために日本政府をはじめとする様々なステークホルダーと会談しました。本レポートでは訪日の足取りの一部をお届けします。

【11月30日の概要】

内閣総理大臣、前原外務大臣、五十嵐財務副大臣への表敬訪問
菅総理大臣からは、UNDPは日本の外交政策上重要なパートナーであり、特にミレニアム開発目標(MDGs)の達成やアフガニスタン・パキスタンの復興支援、環境分野等でUNDPと協力関係を強化していきたいとの発言がありました。また、総理が9月のMDGs国連首脳会合で表明した、同会合をフォローアップする国際会議に対するUNDPの協力ならびに総裁の出席要請を受けました。クラーク総裁よりも、UNDPにとって日本は最も重要なパートナーであり、日本との連携を強化していきたい旨、また、MDGsフォローアップ会合についても協力する意向を述べました。さらに、COP10の成功をはじめとする環境分野での日本のリーダーシップを称えるとともに、UNDPは生物多様性に関する日本のイニシアティブ実施に協力していく用意がある旨を伝えました。

前原外務大臣との意見交換では、クラーク総裁より、上記連携強化の件に加え、今般国会で承認されたUNDPへの補正予算による任意拠出金、特にアフガニスタンの復興支援とパキスタン洪水災害復興支援に対する資金拠出につき謝意を述べました。同時に、ここ数年特定のプログラムへの拠出が増大している一方、UNDPの通常予算(コア予算)に対する任意拠出金が第6位となっていることから、本予算増額の重要性について説明しました。前原大臣よりは、厳しい財政状況の中、来年度の概算要求においては、任意拠出金の削減幅を抑えるべく最大限努力した旨回答がありました。

このほか、クラーク総裁は、山花郁夫外務大臣政務官主催の晩さん会でUNDPと日本のパートナーシップの強化について、率直な意見交換を行いました。

クラーク総裁は、五十嵐財務副大臣との意見交換においても、UNDPの世界的なプレゼンスと運営の根幹をなすコア予算に対する拠出の増額を要請しました。財務副大臣からは、厳しい財政状況の中、効果的かつ効率的な資金の使用と、目に見える具体的な成果を分かりやすく報告、広報してほしい旨、要請がありました。クラーク総裁からは、最近完成した「日本・UNDPパートナーシップ」冊子を紹介し、今後も日本政府への報告と、納税者に対する理解が深まるような広報活動を充実させていく旨、発言しました。

ICA緒方貞子理事長との意見交換
クラーク総裁は、緒方貞子理事長を訪問しました。意見交換では、平和構築分野での連携、とくにスーダンやコンゴ民主共和国における連携の進捗を確認しました。また、アフガニスタンにおける両機関の役割の重要性、気候変動対策や生態系保全の分野での現場における連携への期待が述べられました。

岡田民主党幹事長との意見交換
クラーク総裁は、民主党の岡田克也幹事長を訪問し、同席した滝実総務委員長、西村智奈美国際局長も含めた率直な意見交換を行いました。現在も紛争地域といえるアフガニスタンにおける活動、日本の民間企業との連携等に関する質問や要請を受け、クラーク総裁より丁寧な説明をするとともに、特に民間企業との連携については、12月半ばに本部の民間セクター部長来日に合わせて「途上国における包括的(インクルーシブ)ビジネスシンポジウム」を開催する予定であること、また「UNDPと民間セクター」冊子を作成した旨を紹介しました。

【12月1日の概要】

MDGs写真展「世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる」開会式
クラーク総裁は昨年に引き続き、ミレニアム開発目標(MDGs)写真展「世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる」(英語名: Picture This: We Can End Poverty)の開会式に出席し、開会の言葉を述べました。この写真展は、UNDPとオリンパス株式会社、AFP財団が共催した同名の写真コンテストで選ばれた受賞作品を中心に約110点の作品を展示するものです。今年の開会式には、オリンパス株式会社より常務執行役員も出席し、MDGs達成に向けた同社の取り組みを紹介し、この写真展の継続的な発展に期待を寄せました。

今回の写真コンテストは、9月の国連MDGsサミットに向けて全世界を対象に開催されました。プロフェッショナル・アマチュア両部門に寄せられた3400余点の作品は、アントニオ・バンデラスUNDP親善大使と著名な写真家からなる審査員によって審査され、受賞・入賞作品は9月15日にNYで開催された授賞式で表彰されました。

今年のMDGs東京写真展は、なんとかしなきゃ!プロジェクトも共催しており、地球環境プラザで展示された後、JICA地球ひろばでも約1カ月間展示される予定です。さらに2月以降は、名古屋、横浜、神戸、札幌の各都市で巡回展示される予定です。クラーク総裁は報道関係者との質疑応答のなかで、MDGsは達成可能であると述べ、今回の写真展を通じて日本の人々がMDGsに関心を持ち、その達成に向けた取組みが広がることに期待すると述べました。

衆議院外務委員会ならびに参議院政府開発援助等に関する特別委員会との意見交換
クラーク総裁は衆議院外務委員会の委員長、理事等との意見交換会を行う機会を得ました。冒頭約20分のスピーチでは、日本の資金拠出に対する謝辞を述べ、MDGs、アフリカ開発、気候変動、アフガニスタン・パキスタン等の日本との連携分野、今年20周年を迎える人間開発報告書2010年版等を紹介し、UNDPに対する通常資金拠出増額への支援を要請しました。スピーチに続いて行われた質疑応答では、理事側から日本のUNDPに対する資金協力とその効果的な活用、国際機関への拠出に対する国民の理解促進、更にはUNDPと民間セクターとの連携等について質問があり、活発な意見交換が行われました。最後に、小平忠正委員長よりUNDPに対する期待の辞が述べられ、1時間の懇談会が閉会しました。

その後、クラーク総裁は、参議院政府開発援助等に関する特別委員会において、委員長、理事等との懇談会を行い、UNDPの能力開発、とくに女性と女児に対する能力開発や、アフガニスタンへの支援、援助哲学等につき意見交換が行われました。中村博彦委員長よりは、政府開発援助等に関する特別委員会として引き続きUNDPの活動を支援し、協力関係を深めていきたい旨表明があり、また、来年の訪日の際には日本の地方も訪問して地方の実情も視察して欲しいという提案がありました。

また、これに先立ち、クラーク総裁は参議院の西岡武夫議長を表敬訪問し、同議長より、政府開発援助等に関する特別委員会をはじめとする参議院のODA関連の活動への取組を紹介いただきました。クラーク総裁からは、日本の防災・災害復興のおける知見をパキスタンやハイチ等、自然災害に見舞われた途上国に活用してはどうかという提案をしました。

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