ヘレン・クラーク国連開発計画 (UNDP) 総裁来日報告 (12月1日‐3日)

2011/12/15

野田佳彦首相(右)とヘレン・クラーク総裁 PHOTO:UNDP TokyoP

【2011年12月1日-3日】
ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は、2011年12月1日から12月3日まで訪日し、日本とUNDPのパートナーシップの更なる飛躍に向けて日本政府をはじめとする様々なステークホルダーと会談しました。下記の面談の他、NHK、朝日新聞、共同通信からのインタビューも受けました。

野田内閣総理大臣、玄葉外務大臣、五十嵐財務副大臣への表敬訪問、山根外務副大臣主催昼食会
野田佳彦総理大臣からは、UNDPはミレニアム開発目標(MDGs)の達成、アフガニスタン支援、人間の安全保障分野など、日本が重視する外交政策を実施する上での重要なパートナーであり、今後とも開発課題の解決に向けて協力していきたいとの発言がありました。クラーク総裁より、日本からの支援に深く感謝しつつ、日本の外交重点分野とUNDPの活動が合致していること、また東日本大震災にもかかわらず国際貢献を継続していくとの力強い決意を表明した総理の9月の国連総会一般討論演説に深い感銘を受けた旨を述べました。また、総裁からは、10月に開催された日本・UNDP戦略政策対話の結果を踏まえ、2015年以降の国際開発課題や2012年ブラジルで開催される予定のリオ+20、2013年に開催予定のTICAD V等、これまで以上に日本政府と緊密に協力していきたい旨を述べました。

玄葉光一郎外務大臣からは、9月の国連総会時に続き今般2度目となる会談でクラーク総裁と再会できたことは喜ばしい、日本の重要なパートナーであるUNDPと、MDGsの達成やMDGs以降の開発目標の検討等、人間の安全保障の概念に基づきグローバルな課題の解決に取り組んでいきたいとの発言がありました。クラーク総裁からは、日本のUNDPに対するサポートに感謝しつつ、寛大な支援を継続して欲しい旨を要請しました。また、2015年以降の開発目標においては衡平性、持続可能性の視点が重要であること、日本の外交重点分野とUNDPの活動は合致していること、更に10月に外務省との間で行った戦略対話の成果に言及し、パートナーシップを拡大すべくグローバルな課題に日本と共に取り組みたいと発言しました。この他、玄葉大臣からは、日本国民の政府開発援助(ODA)に対する理解を促進すべく、UNDPの広報活動に期待する旨の発言がありました。

五十嵐文彦財務副大臣との会談では、副大臣から日本の気候変動に対する取組みについて述べるとともに、UNDPや世界銀行と環境・気候変動の分野での協力を強化したいとの発言がありました。クラーク総裁よりは、日本は地球環境ファシリティ(GEF)の第2位の拠出国であり、UNDPはGEFの最大の国連実施機関である旨を述べ、日本からのサポートに対し、謝辞を述べました。また、五十嵐副大臣とクラーク総裁は、総裁が来日の直前に参加した第4回援助効果向上に関するハイレベル・フォーラム(HLF4;於 韓国・釜山)の成果について意見交換し、クラーク総裁より、新興国も参加する「効果的な開発協力のための釜山パートナーシップ」に合意できたこと及びその意義について紹介しました。

山根隆治外務副大臣主催の昼食会では、UNDPと日本の連携強化について、意見交換が行われました。山根副大臣から、本年6月のMDGsフォローアップ会合の共催など、日本とUNDPの連携が更に強化された1年であったと述べました。クラーク総裁は、10月の日本・UNDP戦略政策対話について触れ、開発課題に対するアプローチにおいて日本とUNDPは共通する点が多く、引き続きMDGs達成、ポストMDGs、リオ+20、TICAD、防災等の分野で協力していきたい旨を述べました。

輿石民主党幹事長との意見交換
クラーク総裁は、民主党の輿石東幹事長を訪問し、同席した田中直紀総務委員長、渡辺浩一郎国際局長も含めた意見交換を行いました。輿石幹事長はクラーク総裁がニュージーランド初の女性の首相を務め、UNDP初の女性の総裁の地位に就いたということは、世界の多くの女性を勇気づけることだと述べました。これに対し、クラーク総裁は、国によっては相続権、土地所有権など法制度上の差別や、女性の政治参加が限られているなどの問題を指摘し、女性のエンパワーメントが開発の加速化に欠かせない旨を述べました。また、途上国への支援は、途上国が中進国になれば、日本を含む先進国の将来の市場として期待できることからも、引き続き日本の政府開発援助による支援を要請しました。

参議院政府開発援助等に関する特別委員会ならびに衆議院外務委員長との意見交換
クラーク総裁は、参議院政府開発援助等に関する特別委員会の藤井基之委員長を訪問し、同席した石橋道宏理事、小泉昭男理事との意見交換を行いました。クラーク総裁は、日本からの支援に対し感謝の意を表するとともに、UNDPのマンデートと日本の援助方針・開発目標が重なっている点について述べ、UNDPは現場における国連諸機関の調整役も担っている旨を述べました。藤井委員長からは、震災後、日本は戦後初めて国際社会からの支援を受ける立場に立ち、支援される側の気持ちを理解するきっかけになったとの発言がありました。また、藤井委員長は、厳しい財政状況ではあるものの、政府開発援助等に関する特別委員会として引き続きUNDPの活動を支援し、協力関係を深めていきたいと述べました。

衆議院外務委員会の田中真紀子委員長との意見交換では、クラーク総裁は、UNシステムにおけるUNDPの果たしている役割やUNDPと日本とのパートナーシップの現状等について説明しました。その上で、これまでの日本からの資金協力に謝意を表明するとともに日本の協力の重要性に言及し、引き続き寛大な支援を要請しました。田中委員長からは、日本の現在の経済情勢下、ODA予算も厳しい状況にあるとの説明がありました。この他、クラーク総裁と田中委員長は、アフガニスタン情勢などについても意見を交換しました。

JICA緒方貞子理事長との意見交換
クラーク総裁は、緒方貞子理事長を訪問し、2009年に締結した両機関の覚書に基づく連携を更に強化すべく意見交換を行いました。本年10月の外務省とUNDPでの戦略政策対話の結果を踏まえ、2012年の早い時期にUNDPとJICAの定期協議を開催し、政策をいかに実行に移すかを両機関で話し合う必要性につき、合意しました。覚書に基づく連携事例では、平和構築分野、とくにイラクにおける連携の進捗を評価し、また、2013年のTICAD Vに向け、両機関が更に協力して進めていく旨を確認しました。また、釜山での援助効果向上に関するハイレベル・フォーラムにおける成果や、両機関の新興国とのパートナーシップ構築につき、情報を共有しました。

メディア関係では、12月2日にNHKで持続可能な発展と途上国支援の重要性について答えたインタビューが放送されたほか、朝日新聞の同4日付紙面では援助協調の方向性について語ったインタビュー記事が掲載されました。また共同通信により同6日付で配信された記事が30以上のブロック紙、地方紙に掲載されました。

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