UNDP特別セミナー「ウィメノミクスの時代―女性力が変えるアフリカの未来」開催報告

2014/03/13

女性のエンパワーメントの重要性について討議するペドロ・コンセイソン氏(左)と大崎麻子氏 PHOTO: UNDP TOKYO/Yukiko Abe

UNDP 特別セミナー「ウィメノミクスの時代―女性力が変えるアフリカの未来」が2014313日、東京都渋谷区の国連大学で開催されました。国連開発計画(UNDP)アフリカ局チーフ・エコノミストのペドロ・コンセイソン氏の基調講演に続き、ジェンダー専門家の大崎麻子氏をモデレーターに迎え、コンセイソン氏と、アフリカを変える女性の力と可能性、ジェンダー平等の経済的、社会的影響等について討議しました。セミナーはメディア、行政機関、市民社会、アカデミアなど幅広いセクターからご参加いただき、満席となりました。

【プログラム】
基調講演 「女性力で拓くアフリカの未来(なぜ女性力が鍵なのか)」
UNDP
本部アフリカ局チーフ・エコノミスト ペドロ・コンセイソン氏


コンセイソン氏は、アフリカにおいて近年の高い経済成長率にも関わらず、貧困削減は他地域に比べて遅れており、その要因の1つは拡大する格差であることを指摘しました。また、国内総生産(GDP)だけでなく、教育や健康の側面を取り入れた人間開発指数(HDI)の側面からアフリカを見ていく重要性も強調しました。アフリカ全体の女性の労働参加比率を男性と同等に引き上げられれば約600億米ドル(約6兆円)の経済効果が生まれ、現在アフリカが受け取る政府開発援助(ODA)の総額を上回ると指摘しました。そのためには経済的な男女平等の実現だけでなく、女性の社会的、政治的地位向上が必要であると述べました。

ディスカッション「女性の可能性を実現するために必要なこと」
モデレーター:大崎麻子氏 Gender Action Platform (UNDP出身)
UNDP
本部アフリカ局チーフ・エコノミスト ペドロ・コンセイソン氏


大崎氏は冒頭、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントの概要について言及し、原理原則には国連憲章、世界人権宣言があり、その理念を現実化するために1995年の第4回世界女性会議で採択された北京宣言及び行動綱領等があると説明しました。続いて、開発現場で女性のエンパワーメントを進める上で、根源的に解決が必要になる要素として、1) 無償ケア労働(家事、介護等)、2) 女性に対する暴力、3) 女性の意思決定への参画をあげました。無償ケア労働を削減するためにUNDPが作成した3R(ケア労働の量を可視化する認識=Recognize=、テクノロジー等の活用で軽減=Reduce=、公共サービス等の再分配=Redistribute=)フレームワークの有効性についても言及し、加えて女性の政治参画が鍵になると指摘しました。

大崎氏とコンセイソン氏のディスカッションでは、大崎氏がUNDP勤務当時に担当したアフリカのプロジェクトを例に、女性がエンパワーメント(能力や知識強化)されることで、家族やコミュニティ、更には社会全体にその効果が及んだことを紹介し、コンセイソン氏に対し、「現在の政策決定者はこの事実をどのくらい把握しているのでしょうか」と問いかけました。コンセイソン氏は「女性がエンパワーされれば経済的メリットがあるという情報はありますが、合わせて、女性の政治的エンパワーメントも必要です。女性の議員数が増えるだけではなく、予算配分や、政治的な意思決定をする場において実際に権限を持って活躍をする必要があります。現在、自分たちの既得権益を手放そうとしない勢力もいます。そういう人たちにジェンダー平等のメリットを理解してもらい、インセンティブを設けるなどして、女性に機会を解放するように求める必要があります」と指摘しました。

また、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントの違いに関する会場からの質問に対し、大崎氏とペドロ氏は「ジェンダー平等は、男性と女性が同等の権利、機会、義務を持ち、常にアクセスでき、意思決定も平等にできる状態のことです。しかし、現時点では達成できているとは言い難いです。その実現手段として、女性のエンパワーメントがあります」と説明しました。

最後に、コンセイソン氏は、昨年6月に横浜で開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)においてもジェンダーは重要な柱と位置付けられ、安倍総理大臣もジェンダー問題に強くコミットしている点に触れ、「日本自身のジェンダー分野での成果にも期待します」と述べました。

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