「開発と平和のためのスポーツの国際デー」記念イベント 開催報告

2014/04/04

平和や開発におけるスポーツの重要性について討議する山口助教授(写真右から)、峰村氏、白井代表、北澤氏、根本所長。 Photo: UNDP Tokyo/Yukiko Abe


日 時 :201444日(金)17:3020:00
場 所 :3×3 Labo (さんさんらぼ) 東京都千代田区丸の内3-2-3 富士ビル 3F
主 催 :国連広報センター,「なんとかしなきゃ!プロジェクト」
共 催 :国連開発計画 (UNDP), 国際協力機構 (JICA), 国際協力NGOセンター(JANIC),
協 力 :エコッツェリア協会, NHK
後 援 :外務省, 文部科学省, 独立行政法人日本スポーツ振興センター,
公益財団法人日本オリンピック委員会, 筑波大学 体育系

「開発と平和のためのスポーツの国際デー」記念イベントが2014年4月4日、東京都内で開催されました。国連総会が昨年、4月6日(近代オリンピックが1896年に初めて開催された日)を開発と平和のためのスポーツ国際デーと定めて、初めての記念日になるのを受けて開催されたもので、国連広報センター(UNIC)と、国際協力機構(JICA)、国際協力NGOセンター(JANIC)および国連開発計画(UNDP)が国際協力を促進するために実施している「なんとかしなきゃ!プロジェクト」が主催しました。

本プログラム開会に先駆けて、プレイベントとしてドキュメンタリー映画「カブールの女子ボクサー(The Boxing Girls of Kabul)」(2012)が上映されました。このドキュメンタリー映画はNHKの番組「BS世界のドキュメンタリー」で放送されたもので、NHKと制作会社の協力もと無償での上映が叶いました。タリバン政権が崩壊するまで女性がスポーツをすることに制約があったアフガニスタンで、ロンドン五輪出場を目指すアフガニスタンの女性ボクサーの苦悩を描いたものです。

本プログラムでは、国際協力機構(JICA)の西野桂子・広報室長が進行役を務めました。冒頭、外務省文化交流海外広報課の浦林紳二・人物交流室長が来賓挨拶に立ち、スポーツの国際デーの制定への敬意と記念イベントへの祝辞を述べ、スポーツ外交の強化や東京五輪に向けての協力や取り組みについても言及しました。続いて、UNICの根本かおる所長が潘基文国連事務総長からのメッセージを代読し「スポーツの持つ潜在力、そして様々なプレイヤーの出場は大切である」と紹介しました。根本所長は最後に今回のイベント開催にあたって会場を無償で提供してくれた三菱地所をはじめ多くの協力者への謝辞も述べました。

基調講演
基調講演には、JICAオフィシャルサポーターの北澤豪氏、NPO法人バレーボール・モントリオール会の白井貴子代表が登壇しました。

北澤氏は、スポーツと国際協力に関する各国の様々な活動について紹介しました。2006年に訪れたパレスチナでのサッカー大会で感じた「味方へのサポートや相手への尊敬などの念を人々に植え付けるスポーツの力」や、アフリカで行ったスポーツのイベントがエイズの検診を行うのに有効であった事例等を紹介しました。またスポーツにおいてアジアで男女平等が実現されていない国がある点や、スポーツの女性支援の課題についても言及しました。

白井代表は、1976年のモントリオール五輪のバレーボール代表として獲得した金メダルを持参し、披露すると会場からは歓声が沸きおこりました。続いて、かつてのバレーボール仲間と設立したNPO法人を通じて行ったネパールの難民キャンプでバレーボールの指導、日本国内に住む難民のバレーボール大会の主催などスポーツを通じた国際協力活動を紹介しました。大会の1週間前に衝突があった難民と地元住民が握手する姿に感動を覚え、スポーツは「奇跡」を生み出すことができると述べました。

パネルディスカッション
パネルディスカッションには、北澤氏、白井代表に加え、元青年海外協力隊員の峰村史世氏、筑波大学の山口拓・体育系助教授が登壇し、モデレーターをUNICの根本所長が務めました。

山口助教授は、スポーツ専門家として国連東ティモール暫定行政機構・教育担当部局に派遣を受けるなど開発現場で15年近くの経験があります。「開発現場において、スポーツを普及、強化するだけでなく、様々な開発課題の問題解決のための手段として活用していくことが重要である」と指摘しました。東ティモールでの国連暫定ミッションで活動中に、選挙と合わせて企画したサッカー大会は、不安定な治安状況で選挙に行くことを恐れていた住民たちがスポーツ大会への参加で緊張をほぐし、結果91%という高い投票率を実現した成功例を紹介しました。

青年海外協力隊員としてマレーシアで障害者水泳の指導を行った峰村氏はパラリンピックを目指す障害者アスリートの置かれた現状や課題を指摘しました。マレーシアをはじめとするアジアの国々では始めから障害者スポーツを競技として位置づけており、自己責任で多くの施設が使用できるほか、成功した選手には手厚い報酬金が受け取れると紹介しました。またオリンピック参加国が202か国なのに対しパラリンピックは164か国と少なく障害者スポーツを統括する団体すらない国があることについて言及しました。

北澤氏は紛争地帯でもスポーツを楽しむ場所が存在すること、またヨーロッパでは障害者スポーツへの関心は高く、代表チームは同じユニフォームを使用していることなどを指摘した上で、知的障害やブラインド(目が不自由な方の)サッカー選手も日本代表として同じユニフォームを着用できるように2020年までに実現したいと語りました。白井代表はメダリストやアスリートが地域で協力することで、中学校の部活動も盛んにしていきたいと述べました。

またディスカッションでは指導者の数や指導者の就職先の問題、草の根活動への支援に関する課題についても意見を交わしました。またスポーツをやってきてよかったと実感できる国を増やすことが重要であるとの考えを共有しました。

閉会のあいさつ
UNDPの近藤哲生・駐日代表が閉会のあいさつに立ち、老若男女、国境をこえて、健常者も障害者も参加できるスポーツはより良い世界を構築する力があり、健康促進、医療費削減、平和構築などの利点もあると指摘したうえで、「2020年はスポーツによる平和構築によって平和国家といわれる日本の底力を見せるチャンスだ」と述べました。

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