UNDP-JICA公開セミナー「ミャンマーの持続可能な成長に向けて」開催報告

2014/04/17

Photo: UNDP Tokyo/Yukiko Abe


日 時 :2014417日(木)16:0017:30
場 所 :JICA市ヶ谷ビル 国際会議場(東京都新宿区市谷本村町10-5
主 催 :国連開発計画(UNDP
共 催 :国際協力機構(JICA、駐日ミャンマー連邦共和国大使館

UNDP-JICA
特別セミナー「ミャンマーの持続可能な成長に向けて」を2014417日、東京都新宿区のJICA市ヶ谷ビル国際会議場で開催しました。国連開発計画(UNDP)ミャンマー事務所のトイリー・クルバノフ所長が基調講演を行いました。続いて、朝日新聞ソーシャルメディア・エディターの藤谷健氏をモデレーターに、国際協力機構(JICA)東南アジア・大洋州部東南アジア第四課の府川賢祐課長、特定非営利法人ブリッジ・エーシア・ジャパンの根本悦子代表、法務省法務総合研究所国際協力部の横幕孝介教官、クルバノフ所長の4人をパネリストに迎え、ミャンマーが抱える課題や今後の展望を司法、社会、経済的側面から討議しました。セミナーにはメディア、行政・司法機関、市民社会、アカデミアなど幅広いセクターから計150人の参加がありました。

【プログラム】
基調講演「ミャンマーの持続可能な成長に向けて」
UNDP
ミャンマー事務所 トイリー・クルバノフ所長

クルバノフ所長は冒頭、ミャンマーにおいて日本政府、JICAUNDPが共通の理念のもとパートナーシップを組んで開発に取り組んでいることを紹介し、日本政府、JICA、日本国民に謝辞を伝えました。平和で持続可能な開発のためには「法の支配(Rule of Law)」は不可欠で、「平等で効果的な政策、法のシステム、法曹は国内外からの投資のためだけではなく、地権者の保護や暴力被害を受けた女性の保護など様々な側面で必要になる」と指摘しました。また「長年、軍事政権が支配していたミャンマーでは、法の支配が不十分で、国民の司法に対する信用が低く、司法へのアクセス機会も限られている。それが人権や財産の侵害につながっている」と話しました。民主主義へと移行したミャンマー政府はこの事態を重く捉えて司法の枠組み形成に乗り出しています。既存システムでは不十分な要因に対してはUNDPや各機関も協力して司法部門改革に取り組んでいると紹介しました。最後に日本政府から資金拠出を受けて、UNDPが実施するミャンマーの少数民族の支援事業の紹介も行いました。「七転び八起き」という日本のことわざを引用しながら、「ミャンマーの開発支援は一筋縄ではいかないが、一歩一歩前進していきたい」と締めくくりました。

パネルディスカッション
モデレーター:朝日新聞ソーシャルメディア・エディター 藤谷健氏
パネリスト :JICA東南アジア・大洋州部東南アジア第四課 府川賢祐課長
       特定非営利法人ブリッジ・エーシア・ジャパン 根本悦子代表
       法務省法務総合研究所国際協力部 横幕孝介教官 
       UNDPミャンマー事務所 トイリー・クルバノフ所長

冒頭、府川課長、根本代表、横幕教官によるプレゼンテーションが行われました。

府川課長はミャンマーにおけるJICAの政府開発援助(ODA)政策を紹介しました。ミャンマーにおける1)国内における和解促進と貧困削減 2)マクロ経済のマネジメント能力強化 3)民間セクターの育成 をそれぞれ説明し、「国の安定成長には、民間経済の発展が重要である。ミャンマー政府が投資環境を改善するための行動に期待している。改革のモメンタムを維持するために早期に成功事例を積み上げる必要がある」と話しました。

根本代表は1995年に発足し、20年近くミャンマーで活動する特定非営利活動法人・ブリッジ・エーシア・ジャパンの概要を説明し、続いてフィールドでの活動写真をスライドで映し出しながら具体的な活動を紹介しました。中央乾燥地域での水供給、橋建設などインフラ整備、帰還難民の支援、女性たちの職業トレーニング、サイクロン被害者のための緊急支援など、ミャンマーが抱える課題を浮き彫りにするとともに、日本発の国際協力が国や人々にどのような変化を生んでいるのかをわかりやすく話しました。

横幕教官は、法務省がミャンマーの連邦法務長官府などをカウンターパートに同国で201311月から201611月にかけて実施する「ミャンマー法整備支援プロジェクト」を紹介しました。立法課題への対応能力強化、検察官および裁判官の人材育成の必要性など課題解決に向けて、法務省が実施する研修や能力開発の取り組みなどを紹介しました。法の支配、民主主義実現、そして持続的な経済成長を推進するために世界標準に照らし合わせた法の整備・運用が確立できるよう取り組んでいると話しました。

各パネリストの発表後、ミャンマーでの取材経験も豊富な藤谷氏が自身の知見や会場から質疑も交えながら活発な討議が繰り広げられました。ミャンマーの民主化で、経済成長に加え、人々の表情が明るくなった、その反面地方と都市部の格差が進んでいる、教育制度も暗記型から思考型に重点が変わってきているなど、具体的なエピソードを交えながら議論されました。クルバノフ所長も豊富な現場経験に基づく立場からコメントを行いました。

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