人間開発報告書2014「人々が進歩し続けるために:脆弱を脱し強靭な社会をつくる」国際公式発表・公開ダイアログの開催報告

2014/07/24

田中JICA理事長、安倍総理大臣、クラークUNDP総裁、マリクUNDP人間開発報告書室長(写真左から) Photo: UNDP Tokyo


場所:国連大学ウ・タント国際会議場、東京
日時:2014年7月24日(木)14時00分-15時35分

プログラム
国際公式発表

14:10   開会
      ご挨拶 安倍晋三内閣総理大臣
      ご挨拶 ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁
      写真撮影
14:30    プレゼンテーション ハリド・マリクUNDP人間開発報告書室長
14:40    コメント 田中明彦国際協力機構(JICA)理事長 人間開発報告書(HDR)有識者諮問委員会委員
14:45   質疑応答
15:00   閉会

公開ダイアログ

15:05   開会
           パネリスト
          -  竹本和彦 国連大学サステイナビリティ高等研究所所長
           -   北野尚宏 JICA研究所副所長
           -   ハリド・マリクUNDP人間開発報告書室長
     モデレーター
     -  根本かおる 国連広報センター所長

15:25   質疑応答
15:35   閉会

人間開発報告書2014『人々が進歩し続けるために:脆弱を脱し強靭な社会をつくる』の国際公式発表が18年ぶりに日本で開催されました。当日は、安倍総理大臣、クラークUNDP総裁、マリクUNDP人間開発報告書室長、田中JICA理事長が登壇しました。会場は大使館、政府関係者、メディア、アカデミア、市民社会などから350人以上の参加者で満員御礼となりました

国際公式発表
安倍総理大臣による冒頭挨拶の要旨

UNDPが刊行する2014年「人間開発報告書」の国際公式発表を日本で開催できることを光栄に思います。今回の報告書のテーマは「強靱性」の構築です。日本は、強靱な社会を構築するために、UNDPを始めとする国際機関、国際社会と連携して、積極的に貢献していく決意であります。東日本大震災の際に、世界各国から寄せられた温かい支援と励ましに恩返ししていくためにも、日本政府は、防災分野で随一の実績を有するUNDPと連携し、この分野でリーダーシップを発揮してまいります。日本政府は、来年3月に仙台で第3回国連防災世界会議を主催します。日本の防災の経験や教訓、また、防災技術やシステムを、世界と共有していく考えであります。

安倍総理大臣の冒頭挨拶全文(日本語)はこちらから

クラーク総裁による冒頭挨拶の要旨
防災と人間の安全保障を世界でリードする国として広く認められている日本で、人間開発報告書2014「人々が進歩し続けるために―脆弱を脱し強靭な社会をつくる」を発表できることを嬉しく思います。今年で23回目を数える人間開発報告書のテーマは、特に時宜を捉えたものとなっています。各国がミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けてラストスパートをかける中で、脆弱性の増大が常態化し、災害や危機がこれまでの前進を停止または逆転させる恐れがあるからです。報告書の内容は、兵庫枠組の更新と、MDGsに続くポスト2015開発アジェンダ策定プロセスに貢献します。脆弱性と強靭性という対をなす理念が人間開発の観点から同時に検討されたのは、今回が初めてです。報告書に留意して、ライフサイクルと構造的脆弱性に取り組み、危機と災害に対する強靭性を高める意識的な取り組みを行えば、私たちが直面している人間開発への弊害の多くが回避できることは間違いありません。

クラーク総裁による挨拶文の全文(日本語)はこちらから

ハリド・マリクUNDP人間開発報告書室長によるプレゼンテーション要旨
脆弱性の問題に働きかけることなく、持続可能な発展を実現することはできません。報告書は、人間開発の進捗は減速傾向にあり、また不安定さを増していると指摘しています。現在、15億人が多次元貧困の中で生活し、世界の80%が社会保護をきちんと受けられておらず、8億4200万人(世界人口の約12%)は慢性的に貧困に苦しんでいます。報告書では、脆弱性の構造を分析すると同時に、貧困やその他の不利益を被るグループと、そうでない人々、グループが生まれる背景なども説明しています。最後のまとめとして、市場だけで社会的、環境的保護を提供はできないため、官民の利益バランスを取っていく必要があります。脆弱な人々を支援し、不平等を減らしていくことは、今日においても、次の世代においても、持続可能な開発を維持するうえで不可欠です。

田中明彦JICA理事長コメント要旨
安倍総理大臣やクラークUNDP総裁が言及されたように、報告書のテーマである「脆弱性」と「強靭性」は、現在の国際社会で大きな注目を浴びているテーマです。これからの世界の持続可能な発展を考える上でも不可欠なものでもあります。JICAの理事長として、日々、開発途上国の現場や国際場裏に身を置く中で、そのことを強く感じております。今回の人間開発報告書は、人間中心のアプローチの下、脆弱性を脱却し、強靭性を備えた社会を構築することの重要性を説いています。その中で提示された方法は、国際社会に対して重要な視座を与えるものだと思います。特に、脆弱性を「構造的な脆弱性」と「ライフサイクル上の脆弱性」に分けて分析をした点を高く評価すべきと考えています。JICAも「Inclusive and Dynamic Development」というビジョンの下、UNDP とも連携しながら、引き続き、世界が脆弱性を脱し強靭な社会を構築できるよう貢献していく所存です。

公開ダイアログ
国際公式発表に続いて行われた公開ダイアログでは、根本コーディネーターからの、日本の視点を踏まえて防災や強靭な社会づくりなどの課題をどのように考えられるかという問いに対して、マリクUNDP人間開発報告書室長は日本がリーダーシップを発揮してきた人間の安全保障の問題と、気候変動や災害の問題を絡めて説明。北野 JICA研究所副所長は、JICAが国連人道問題調整事務所(OCHA)と今後提携して進める災害支援について紹介しました。また、 竹本 国連大学サステイナビリティ高等研究所所長は、同研究所が進める福島での原発事故を受けての研究、教訓を世界に発信し、政策提言につなげていく取り組みについて言及しました。

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