HIV/エイズの教訓を活かした新たな健康・開発問題への取り組み

2014/01/30

2014130日 バンコク】
国連開発計画(UNDP)の新しい報告書によると、アジア太平洋地域の新規HIV感染を減少させるために適用されてきた政策や手法の多くは、がんや心臓病、糖尿病などの慢性疾患やそのほかの新たな開発問題への効果的な取り組みに応用できる可能性があります。

報告書によると、HIV/エイズ対策は医療分野を中心とした従来的アプローチから、法改正や司法制度へのアクセス、人権擁護、当事者のHIV/エイズ対策行政への参画などのガバナンス要素を取り入れた包括的な対策へと発展しました。その結果、HIV/エイズはアジア太平洋地域においてミレニアム開発目標(MDGs)の最大の成果の一つとなりました。

アジア太平洋地域では、この10年間で新規HIV感染は平均20%減少しました。また、同地域でHIV陽性者(HIVと共に生きる人々)の相当数を占めてきたインド、ミャンマー、ネパール、パプアニューギニア、タイの5か国では、50%以上減少しました。

報告書『ポスト2015開発アジェンダ:アジア・太平洋地域におけるHIV対策のガバナンスからの教訓(A Post-2015 Development Agenda: Lessons from Governance of HIV Responses in Asia and the Pacific)』では、様々な健康問題への新たなガバナンスアプローチの例を挙げています。 UNDPアジア・太平洋局長の徐浩良(ハオリヤン・シュウ)氏は「アジア太平洋地域におけるHIV対策は、医療分野を中心とした従来のアプローチに民主的ガバナンスの最も重要な原則を統合することに成功しました」と述べています。

現在、慢性疾患はアジア太平洋地域における主要な死因となっています。近年のデータによると、東南アジアではがん、糖尿病、心臓病などにより年間およそ790万人が死亡しています。その数は今後10年間で21%増加すると予想されています。

UNDP
アジア・太平洋地域事務所 HIV・保健・開発チームリーダーのクリフトン・コルテス氏は「アジア太平洋地域における効果的なHIV対策は、法律と人権の視点から社会的弱者のニーズに着目することにより人間開発の目標達成に大きく貢献できることを示しています。今後多大なる人的・財政的影響をもたらすであろう慢性的な非感染性疾患への対策にもこの教訓が適用できると考えています」と述べます。

慢性疾患対策は、政治、ビジネス、市民社会のリーダーシップなどを含む前述した民主的なガバナンスの要素を取り組むことによって大きな成果を達成できます。そのためには法律、貿易や教育など多岐にわたる分野の参加が必要性であると報告書は指摘しています。

ミレニアム開発目標の達成期限である2015年が迫り、次世代の開発目標が議論される中、報告書はHIV/エイズ対策で培った民主的ガバナンスの教訓も優先すべき開発課題に適応されるべきだと強調しています。現代の課題には、環境の悪化、ジェンダーに基づく暴力、国民皆保険の欠如、急激な都市化による悪影響などが含まれます。民主的ガバナンスの原則を取り入れることにより、健康と開発に関する目標に大きく貢献できます。

レポート(英語)はこちらから、動画(英語)はこちらからご覧いただけます。

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