干上がったイランの湿地再生を:2015年世界湿地の日

2015/02/02

 

本日は「世界湿地の日」です。国連開発計画(UNDP)が新たに制作したビデオがとらえた中東最大の湖であるイランのオルーミーイェ湖の映像は、かつて魚や渡り鳥で満ちあふれ、数千人の農業と生計を支えていた豊かな生態系が人為的災害によってどれほど甚大な損害を被りかねないかを示す冷酷な証拠となっています。

20年前、オルーミーイェ湖は世界で6番目に大きな塩水湖と考えられていました。それ以来、急速な開発や持続不可能な農業や気候変動の影響により、湖の90%を超える水が消え去りました。このような状況は、イランの脆弱な湿地の多くで見られています。

ゲーリー・ルイス・イラン国連常駐調整官兼UNDP常駐代表は「多くの人々は、湿地が私たちをどれだけ守ってくれているかを認識していません」と語りました。

ルイス調整官は「湿地は、私たち全員が淡水を確保することに役立っています。水を浄化し、有害な廃棄物を濾過します。魚を育てる役割も果たします。釣りや漁業を通じ、人々の暮らしにも役立っています。生物多様性の宝庫ともいえる湿地は、持続可能な管理がなされれば、私たちに観光収入をもたらしてくれるのです」と述べています。

1971年、湿原とその資源の保全を目的にイランのラムサール市で採択されたラムサール条約によると、1900年以来全世界の湿地の64%以上が破壊されました。

湿地への影響は環境を越え、人道上の課題および人間の安全保障上の課題にも及んでいます。ルイス調整官は、人々が暮らしを脅かされれば、他の人々が住んでいる場所に移動する可能性があると指摘しています。そのため緊張の高まりや紛争の発生など、苛酷な結末が待ち構えている恐れもあります。

しかし、イランの湿地が依然として気候と開発の脅威に晒される中で、その回復に向けた前進も見られます。イラン、日本両国の政府は昨年、UNDPや地球環境ファシリティ(GEF)と協力して、この環境問題に取り組みました。

ルイス調整官は「オルーミーイェ湖周辺の農地の一部で水』管理の方法を改善することによって、『節約された水』をより多く湖に戻すことが計画されています。その目的は、最終的に、湖を生態学的に持続可能な状態に回復するため、戻し入れる水の量をさらに増やすことにあります」と語りました。

イラン湿地保全プロジェクト(CIWP)は、イランの重要な湿地帯10か所を厳格な管理計画で保全することを狙いとしています。その中には、オルーミーイェ湖周辺の村落と協力し、節水実践を導入することも含まれており、これによってやがてはボートが湖に浮かぶ姿や、大量の魚や鳥が暮らす様子も再び見られるのではないかと期待されています。

UNDP Around the world

You are at UNDP Tokyo 代表事務所
Go to UNDPグローバル