日本、レバノンのシリア難民と受け入れコミュニティ支援に200万米ドルを拠出

2015/12/23


日本政府はこのたび、レバノンのシリア難民と受け入れコミュニティのニーズに対応するための緊急無償資金協力として、国連開発計画(UNDP)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に200万米ドルを拠出しました。

このプロジェクトは、レバノンに逃れた100万人を超えるシリア難民と、難民流入へ対応に苦慮している周辺の受け入れコミュニティの安定化を図ることを狙いとしています。

大塚聖一・駐レバノン日本国特命全権大使は「今回のUNHCRとUNDPを通じての緊急無償資金協力は、最も弱い立場に置かれた人々に必要な保護と支援を提供するだけでなく、受け入れコミュニティの能力を高め、所得創出の機会を増やすことによって、地域経済の活性化にも貢献します。日本は今後も、人道危機の影響を受けている諸国に対する支援を続けていきます」と語りました。

拠出金のうち100万ドルは「レバノン受け入れコミュニティ支援プロジェクト(LHSP)」を通じて活用されます。LHSPは、シリア危機とそのレバノンへの影響に取り組む包括的、協調的対策の一環として、ヨルダン社会問題省(MoSA)とUNDPが共同で立ち上げたイニシアティブです。

ラシド・デルバス社会問題相は「私たちは、日本政府と大使による取り組みに感謝します。また、レバノンによる危機対応戦略、および、現地の受け入れコミュニティ、そして難民コミュニティの安定化と発展を支援するうえで、この寛大な資金供与が持つ重要性を改めて強調します。今回の資金拠出により、当省による受け入れコミュニティに対する支援を、他のパートナーがさらに発展させるように道が開けるものと期待しています」と述べています。

UNHCRは、残りの100万ドルの一部を活用し、ベッカー県にある5か所のコミュニティ・センターの運営をさらに3か月間、続けられるようになります。これらセンターはこれまで数年間にわたり、レバノン人とシリア人が集い、語学の授業や技能訓練、さらには必要な心理社会的支援を受けられる安全な場となっています。

拠出金はまた、UNHCRの難民アウトリーチ・ボランティア(ROV)プログラムの支援にも活用されます。500人を超えるシリア難民がROVを通じ、そのコミュニティ内部のニーズや懸念を明らかにし、利用できるサービスや救済に関する情報を提供する作業に従事しています。日本から供与された資金はさらに、難民コミュニティやレバノンの受け入れコミュニティでの性的暴力やジェンダーに起因する暴力を防止し、子どもが労働や早婚を強要されないようにするため、UNHCRが展開中のプログラム強化も支援することになります。

ミレイユ・ジラールUNHCRレバノン事務所長は「私たちは、日本国民からの寛大な資金拠出に深く感謝いたします。この終わりのない危機によって、レバノンとシリアの人々はともに、過去数年間にわたり、想像を絶する損失や悲劇を被ってきました。日本からの資金拠出で、UNHCRは、シリア難民と受入側のレバノン人の両方にとって不可欠な憩いの場となっているコミュニティ・センターの運営をはじめ、重要なプログラムを持続できるようになります」と語っています。

「レバノン受け入れコミュニティ支援プロジェクト」は参加型アプローチに基づき、コミュニティのニーズ特定を図ります。MoSAとUNDPは、プロジェクトと国家戦略の整合性を確保するという観点から、この手法を用いています。2014年には、脆弱な状況にある48の市町村で、この手法が用いられました。今年はさらに100の市町村が対象に加えられています。

緊急援助資金はLHSPの一環として、ベッカー県カッブエリアス村の農業関連活動とインフラ整備の支援に用いられます。灌漑用水路の建設、拡張、改修によって、村では営農サービスへのアクセスが改善し、所得機会が拡大するだけでなく、水資源の管理と保全も向上することになります。このプロジェクトは村民約1万2000人に裨益します。また、村民に対する支援として、職業訓練や基本的な事業開発戦略も実施されます。

フィリップ・ラザリーニ国連レバノン常駐調整官は「人々が他者のことを気遣うようになれば、世界はもっと良い場所になると信じています。日本の政府と国民は、シリア危機の発生当初から、レバノンの受け入れコミュニティとシリア難民に対する重要な献身をしてきました」と語っています。

また、ラザリーニ調整官は「日本による資金拠出は、レバノンで最も脆弱なコミュニティの苦難の緩和に役立つことでしょう」と付け加えました。

すでに崩壊が進んでいたレバノンの社会インフラは、大量のシリア難民の流入によって、さらに大きな打撃を受けました。基本的サービス提供の改善を支援し、生活を向上させ、公的機関や地方自治体の能力を構築すれば、紛争を防止し、難民と受入コミュニティ双方の暮らしを改善させることに役立つでしょう。LHSPは今回の日本からの緊急支援を受け、脆弱な地域社会に対するシリア危機の影響を緩和するとともに、すべてのレバノン人にとって、より良い、より強靭な未来の構築に貢献する支援をしていきます。

日本政府は2013年以来、この未曽有の危機を受けたレバノンの対応を支援し、難民と受け入れコミュニティが平和と尊厳の中で暮らせるようにするため、レバノン国内の各機関に4000万米ドルを超える資金を拠出しています。

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