国連機関、シリア及び周辺地域でのニーズ増大に警鐘: 2016年では緊急に約80億米ドルが必要

2016/01/12

Photo: UNHCR

【2016年1月12日、米国・ニューヨーク】
解決の糸口が見えないまま、シリア紛争が6年目に突入しようとする中で本日、国連の人道・開発援助機関は、2016年にシリアおよび周辺地域で暮らす2250万人を支援するために不可欠な資金として、77.3億米ドルの追加拠出を国連加盟国に対して呼びかけました。

この要請は、2016年末までに470万人に達すると見込まれる近隣諸国に逃れたシリア難民と、その受け入れコミュニティで暮らす400万人に対する支援、そしてシリア国内の避難民並びに紛争被災者1350万人に対する支援という、主に2つの要素で構成されています。

このうち第一の要素である2016年シリア周辺地域・難民・回復計画(3RP)は、トルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトで活動する国連機関、政府間組織並びに非政府組織(NGO)を含む、約200のパートナーによる活動におよびます。45.5億ドルに上る今回の要請は、シリアから周辺地域への避難を余儀なくされた人々、彼らを受け入れているコミュニティに対する支援を狙いとしています。

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「欧州への難民流入により、シリア危機、それに伴って生じた人的被害に対する世界の関心はようやく高まったとはいえ、最も大きな負担を強いられているのは、当該地域のコミュニティ、政府です」と述べた上で、「私たちは、シリア難民がさらに悲惨な貧困状態に陥ることを阻止し、難民自身彼らの国の未来に対する希望を高めるとともに、難民を受け入れている人々への支援も強化しなければなりません」と付け加えました。

本年3RPがとる極めて重要な戦略的方向性は、教育への拠出増額とともに、難民および受け入れコミュニティ向けの職業訓練、生計確保の機会増大を含みます。本プログラムに関与するパートナーは、保健、教育、水、その他サービスの提供に関する各国の能力並びにシステムに対する支援の増大に加え、社会的に最も弱い立場に置かれた難民の食料、その他の基本的ニーズの充足に向けた支援強化も求めています。

ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は「シリアをはじめ、長引く紛争において『救援が優先、開発は後回し』という従来型の手法は通用しません。シリアにおける難民、受け入れコミュニティと国内避難民は、生計を立てる手段が必要です。彼らは、保健、教育、水、衛生、電力、ごみ処理といった基本的サービスを必要としています。また、より良い将来に向けた希望を求めています」と述べました。

3RPのパートナーは、ドナーに対し、年内の早いうちに資金を拠出し、複数年度にわたる資金拠出をするとともに、その人道援助と開発への資金配分を調和させることにより、計画立案と予測可能性の向上に貢献するよう、強く促しています。

またもう一つの要素となる2016年シリア人道対応計画(HRP)では、シリア紛争が、一般市民の保護という観点から、依然として世界最大の危機にあるとの警告がなされています。死者は25万人と推定され、負傷者はおよそ120万人にも上ると見られています。そうした中「2016年シリア人道対応計画」は、本年、シリア国内で暮らす1,350万人に対して人道支援を提供し、またこうした人々の保護を実現するため、約32億ドルの拠出を求めています。この要請額は、シリア全土を対象とした厳密なデータ収集、優先付け作業を受けて算定されたものです。シリア人道対応計画を通じて、救命活動、人道アクセスの改善、保護の強化、社会的に最も弱い立場に置かれたコミュニティが長期的な強靭性を築くための支援に注力します。

人道問題を統括するスティーブン・オブライエン国連事務次長は「2016年がスタートしましたが、シリア国内においては数百万人が援助を必要としているほか、40万人近くが戦闘当事者によって包囲され、いかなる人道支援も事実上受けられない状態におかれています。ほぼ6年間にわたって残虐な紛争と政治的麻痺状態が続いてしまった今、シリアの人々は、これまで以上に私たちの支援を必要としています」と述べました。

また、オブライエン事務次長は「2月4日に予定されているシリア人道支援会合は、女性や女の子たち、さらには若者に対する紛争の人道的影響に特に光を当てる機会となります。そして一般市民を標的とした残虐行為やこうした人々の保護を怠ったことについて説明責任を問うことに対する支持も集まることでしょう。私たちがシリア危機に十分注目し、また真剣に取り組んでいることを世界に示すためにも、私は、加盟国に対して、指導層をロンドンに派遣するよう強く求めています」とも述べています。

 

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