包括的なバリューチェーンでインドの繊維産業の成長を支援 ~旭化成が「ビジネス行動要請(BCtA)」に参加~

2016/05/24

【2016年5月24日、ニューヨーク、東京】
日本の繊維・化学メーカー大手の旭化成株式会社(以下、旭化成)が、5240人のキュプラ繊維産業従事者の技能と生産性を向上し、今後、この産業をリードしていく、女性を中心とした700人の若者への教育を支援する取り組みで、「ビジネス行動要請(BCtA)」に参加しました。特に女性と若者の持続的な生活向上に重点を置くことで、旭化成は2020年を目標として、インドにおける「ベンベルグ™」*の包括的なバリューチェーンの構築を進める予定です。

BCtAは、コアビジネスで貧困削減に貢献する民間セクターによる活動を支援する世界的な取り組みです。国連開発計画(UNDP)が事務局を務め、複数の政府と国際機関が連携して推進しています。

インドでは、人口の半数以上が小規模農業に従事していますが、これらの農家は収入を増やすために自らが生産する農作物に付加価値を加える機会が少ないのが現状です。インドの繊維産業の中心地であるグジャラート州では、綿花の生産は天候の影響を受けやすく、生産性の向上も限定的です。繊維工場についても、先端技術を導入する資金力がないところが多く、経済成長の可能性があるにも関わらず、同州の成長には限界が見られます。

ベンベルグ™は、普通は使われない綿花の種のまわりのうぶ毛(コットンリンター)を有効利用した、環境に優しいセルロース繊維で、旭化成はベンベルグ™を世界市場で販売しています。その絹のような肌ざわりの良さと優れた保湿性によって、ベンベルグ™はインドの女性が着るサリーへの加工に適しています。それまでは廃棄されていたコットンリンターを旭化成が適正な価格で購入することによって、小規模農家の収入が飛躍的に拡大します。2020年までに、39万人の農家がこの取り組みの恩恵を受ける予定です。

インドにおける包括的なバリューチェーンを通じて旭化成がコットンリンターを購入することによって、現地のベンベルグ™機屋(はたや)・染色工場でも新たな雇用が生れています。旭化成は、これらの工場に無償で先端的な機械を貸与して、機械をどう使うかを指導するための技術者を送ることによって、デリンティング(コットンリンターを種から外す工程)、製織、染色技術の高度化も支援しています。さらに、同社は、繊維とデザインを専門とする現地の大学などの教育機関に、講師として社員を派遣したり、学生に奨学金を提供したりすることによって、将来のインドの繊維産業を担う人材、とくに女性の人材育成に貢献しています。

旭化成の専務執行役員の高梨利雄氏は「旭化成は、『世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します』をグループ理念とし、独自性ある製品の生産・開発・販売を行っています。インドにおいては、40年にわたり現地の方々と私たちが力を合わせた結果、『ベンベルグ™』による民族衣装が浸透してきたことをたいへんうれしく思います。今後も、このビジネスを通して、新たな雇用の創出、技術交流を通じての所得の拡大、女性の地位向上などに積極的に貢献したいと考えています。私たちは『社会的責任を果たす』ことにプライドを持ち、BCtAへの参加によって、よりいっそうこの取り組みを進化させていきます」と述べています。

旭化成は1976年にインドへのベンベルグ™の輸出を開始し、現地での原料から最終製品までのバリューチェーンの構築に努めてきました。2015年末までに、同社は現地の60の織屋、3つの染色工場と提携し、4300トンのキュプラ繊維を販売しました。2020年までには、6000トンのキュプラ繊維を80の織屋と10の染色工場に販売することを目標としています。

また、旭化成は2016年から2020年の間に、4万USドルを提供して700人の若者(うち75%が女性)の教育支援を行うとともに、97の中小規模のデリンティング工場、織屋、染色工場の生産性の向上を支援する計画です。ベンベルグ™の主な顧客はインドの女性であり、インド市場全体も継続的な急成長が見込まれることから、同社は、2020年までに1500万人のインドの女性がキュプラ地のサリーを着ることを予測しています。

BCtAプログラムマネージャー代理のサバ・ソバーニは「旭化成のインクルーシブビジネスモデルは、包括的なバリューチェーンを構築することの効果を示しています。現地の農家を支援し、工場の生産能力を強化するとともに、その土地で生産された高品質な製品を手ごろな価格で提供することは、拡大が見込まれるインドの繊維市場の継続的な成長の基礎になるはずです。私たちは旭化成のBCtAへの参加を歓迎し、今後の連携に期待を寄せています」と述べています。

*「ベンベルグ™」は旭化成株式会社のキュプラ繊維の登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先:

国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所 広報ユニット(Tel.03-5467-4751)
※BCtAへの参加は、BCtAを推進する政府や機関、UNDP、いかなる国連機関との提携を意味するものではありません。

ビジネス行動要請(Business Call to Action: BCtA):
2008年に国連で発足したBCtAは、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を加速するため、民間企業によるビジネスの成功と開発への貢献を両立するインクルーシブビジネスの構築を促進する取り組みです。事務局を務める国連開発計画(UNDP)のほか、オランダ外務省、スウェーデン国際開発協力庁(Sida)、英国国際開発省(DFID)、米国国際開発庁(USAID)、 フィンランド外務省の6つの開発機関・政府が主導しています。BCtAについての詳細は、こちらをご覧下さい。

旭化成株式会社
は、繊維、化学、電子素材製品の製造・販売を手がける日本のリーディングカンパニーです。2015年度の連結売上高約1兆9400億円のうち、1321億円の売上を記録する繊維事業では、90年におよぶ原糸、原綿、生地作りといった経験で培った独自技術を駆使し、世界の市場に独自性と差別性のある繊維素材をグローバルに展開しています。

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