カリブ諸国、気候変動適応計画を共有

2016/10/12


【2016年10月12日、グレナダ・セントジョージズ】
カリブ地域11か国とパートナーである開発機関の代表は今週、グレナダの首都セントジョージズに参集し、気候変動の影響に備えるための戦略について協議します。

10月11日に「国別適応計画(NAP)」を発表したグレナダは、地域諸国の担当者を招き、2日間の地域ワークショップを通じて、その経験から得た教訓を共有することになっています。

サイモン・スティール環境担当大臣は「ここグレナダでは、気候変動による影響は遠い将来のことではありません。毎日影響を受けています」と語りました。

ケビン・アンダル人材育成・環境担当事務次官は、「グレナダの国内適応計画のプロセスは、2004年のハリケーン『アイバン』のような異常気象によって起こりうる壊滅的影響の防止に役立つことでしょう。私たちは、国内適応計画の策定に関して得た教訓を他のカリブ海共同体諸国と共有し、各国の気候変動に対する強靭性を構築できることを期待します」と語りました。

NAPプロセスは、気候ストレスに直面した国々が、持続可能な開発に向けた計画を策定できる機会として、国連が発足させたものです。パリ協定はすべての国に対し、NAPプロセスに関与するよう呼びかけていますが、各国のNAPは、それぞれ独自の適応ニーズに根差すものとなっています。

2日間にわたるNAP会議は、カリブ諸国から参集した適応計画策定担当者が、それぞれの国内適応計画の策定と行動の経験を共有します。今回のNAP会議は、グレナダの教育・人材育成・環境省、国連開発計画(UNDP)が実施する「日本・カリブ気候変動パートナーシップ(J-CCCP)」、そして「NAPグローバル・ネットワーク」が共催します。

アン・ハミルNAPグローバル・ネットワーク事務局長は「気候変動の影響は、カリブ地域の多くの人々の生計にとって、深刻な脅威となっています。農業や保健、観光をはじめとする種々の重要部門のニーズに配慮する厳密な国別適応計画策定プロセスを通じ、各国は脆弱なコミュニティーと生態系の保護に向け、重要な一歩を踏み出すことができます」と語りました。

UNDPの2016年カリブ海地域版人間開発報告書は干ばつや洪水、塩水侵入、海面上昇といった気候変動の影響が、カリブ海地域の食料の安定確保にとって脅威になりかねないと警告しています。

カリブNAP会議は、カリブ海諸国が今後、NAPプロセスにどのように取り組むべきか、そして、米国国際開発庁(USAID)やUNDP などの開発パートナーが、各国による国内適応計画の前進に向け、その支援をいかに調整できるかにつき、概要を示すことを狙いとしています。

三上知佐UNDPバルバドスおよび東カリブ地域事務所常駐副代表は、「域内の気候変動課題に取り組むというUNDPの決意は、J-CCCPの発足とその後の活動ではっきりと示されています。日本はカリブ地域で気候変動に対して強靭な開発アプローチの推進に専心し、域内の気候変動適応技術に重要な投資を行っています」と語りました。

さらに三上常駐副代表は、「今回のワークショップは、私たちの同僚がNAPプロセスについて、さらに多くを学ぶ絶好の機会であるだけでなく、担当者が担当者から学ぶという付加価値も備えています。私たちはこの経験の共有により、各国のNAPプロセスの前進に向けた取り組みをぜひとも強化したいと思っています」と付け加えました。

UNDPが実施する日本・カリブ気候変動パートナーシップ(J-CCCP)について
2016年1月に正式発足した日本・カリブ気候変動パートナーシップ(J-CCCP)には、エネルギーの安定確保を改善し、気候変動への適応に向けた中長期的計画を統合することにより、低炭素のリスクに強い開発プロセスの前進を図るカリブ8か国を支援するという狙いがあります。同プロジェクトによる具体的な施策としては、数多くの「開発途上国による適切な緩和行動(NAMAs)」と「国別適応計画(NAPs)」の策定を通じた政策イノベーションへの支援や、対象国での実証活動を含む、低排出で気候リスク管理を推進するテクノロジーの実用化が挙げられます。参加国はベリーズ、ドミニカ国、グレナダ、ガイアナ共和国、ジャマイカ、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島およびスリナム共和国です。このプロジェクトは日本政府の資金供与を受け、UNDPが実施しています。

NAPグローバル・ネットワークについて
NAPグローバル・ネットワークは2014年、担当者間の学習と交流、協調の改善、および、NAPの策定と実施に関する国内的な行動の支援を通じ、国別適応計画に対するサポートを強化するために創設されました。ネットワークには、二国間ドナーの代表のほか、国別適応計画の策定と実施に携わる開発途上国30か国近くからの参加者が加わっています。ネットワークの初期資金は、米国務省とドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)から拠出されました。ネットワークの事務局は、持続可能な開発に関する国際研究所(IISD)に設置されています。

 

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