アフガニスタンをより安全な国に:250人の女性警察官がトルコでの訓練を終え帰国

2017/02/12

トルコのシバス警察官訓練センターで、UNDPと日本の支援による4か月の訓練を修了したアフガニスタンの女性警察官訓練生。Photo:UNDP Afghanistan / Igor Ryabchuk / 2017

【2017年2月12日、アフガニスタン・カブール】

24歳のナビラさんにとって、警察官になることは子どもの頃からの夢であるだけでなく、神聖な義務でもあります。自分自身のコミュニティで女性が苦しむ姿を目撃したナビラさんは、自分が警察官にならねばならないと感じるようになりました。

しかし、これまでに警察官になる勇気を持った女性が2人しかいなかった町で、6歳の子どもを抱えるナビラさんにとって、それは簡単な決断ではありませんでした。ナビラさんは、女性警察官を「卑劣」で「他の女子の心を汚す」存在と言ってはばからない隣人たちに立ち向かわねばならなかったからです。

ナビラさんは「私が警察官になりたかったのは、アフガニスタンの女性が多くの苦しみを背負い、自分の権利を守れていないからです」と語り、女性の問題を本当に理解できるのは、女性しかいないと付け加えました。

ハイライト
・国連開発計画(UNDP)とアフガニスタン内務省は2013年以降、日本からの資金拠出により、トルコで1000人近いアフガニスタンの女性警察官を訓練しています。
・アフガニスタンの警察官に女性が占める割合は2%に満たず、これが女性の司法や警察サービスへのアクセスを制限しています。
・1月には250人の女性警察官が訓練を修了したばかりです。
・そのうちの1人であるナビラさんは、人口7万人を超える故郷の町で、わずか3人目の女性警察官です。

幸運なことに、ナビラさんの家族は好意的で、アフガニスタン警察の2%に満たない3000人足らずの女性警察官の一人になるよう促しました。

ナビラさんは、アフガニスタン政府と国際社会からの支援を受けています。UNDPとアフガニスタン内務省は2013年以降、日本政府からの資金拠出を受け、トルコの最新施設で1000人近いアフガニスタンの女性警察官を訓練しています。

ナビラさんは、アフガニスタンから前回派遣された250人の訓練生の1人として、1月中旬にカブールに戻りました。

訓練は全日制で行われましたが、その中には法執行、パソコンの使用、身体訓練、応急処置、争いごとの解決、地域警備、犯罪現場捜査の授業や、射撃訓練、シミュレーションの実施も含まれていました。気温が氷点下になる中での過酷な訓練は、訓練生を心身ともに鍛え、最悪の状況にも対応できるようにすることが狙いでした。

ナビラさんと同期生たちの1日は午前6時に始まり、午後8時に終わりました。ナビラさんは毎朝、誇らしげに制服にアイロンをかけ、いつも1番に教室に入りました。

ナビラさんは「私は制服を着た日、力が沸いてくるのを感じました。まるで、ライオンの毛皮を着ているようでした」と語りました。

近代的な警察業務と護身のあらゆる側面の学習に加え、ナビラさんは訓練プログラムにより、女性警察官としての自信を高めました。

「問題に遭遇しても、自分を守れるようになりました。女性警察官であることに自信を持っています」

アフガニスタンの警察官は、2002年の警察部隊再建を受けて増員され、今では15万7000人を超えています。しかし、女性警察官の採用と定着は、大きな課題となっています。政府は2020年までに、女性警察官を5000人に増員する計画を立てていますが、この意欲的な目標を達成するためには、ナビラさんのような勇敢な女性が手を挙げ、参加する必要があります。

女性警察官の労働条件と待遇を緊急に改革、改善することも必要です。ほとんどの警察署には、女性専用の施設はおろか、女性用のトイレさえなく、女性は嫌がらせを受けたり、職務の遂行に必要な敬意や権限を受けられなかったりするからです。

トルコでの厳しい警察官養成訓練で、強制捜索のシミュレーションを行う女性警察官訓練生。UNDPの支援と日本の資金拠出を受け、トルコでは2013年以来、およそ1000人の女性訓練生が警察官養成訓練を受けています。

UNDPアフガニスタン事務所・法の支配ユニット責任者のドーン・デル・リオ氏は「職場文化の変革は、どこでも長期的なプロセスとなりますが、私たちは今年、女性警察官の安全と待遇が着実に改善すると期待しています」と説明しています。

デル・リオ氏は「UNDPはすでに、女性警察官の保護戦略について内務省と連携しているほか、配置にも積極的に関わっています」と語りました。

保護戦略の一環として、女性警察官は1部署当たり3人以上をまとめて配置し、嫌がらせを受けた女性向けのホットラインを設けるほか、女性警察官委員会も発足しています。UNDPはまた、全国60か所の警察施設に女性用更衣室も建設中です。

ナビラさんは「こうして帰国した私は、今後いくつか問題に直面すると思います。でも、怖くはありません。私はこの仕事が好きで、危険を承知のうえで選択したからです。神は私たちに、いつの日か、何らかの形で尽き果てる命をお与えになりました。私は自分の命を、国民への奉仕に費やしたいと思っています」と語りました。

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