「シリアにおけるUNDPの活動~紛争下の試練~」開催報告

2017/07/14

Photo:リズクUNDPシリア事務所長

【2017年7月14日 東京】

上智大学国際関係研究所は7月14日㈮、上智大学キャンパスでサミュエル・リズク国連開発計画(UNDP)シリア事務所長を講師として招き、同大学国際関係研究所東大作准教授がモデレーターを務め「シリアにおけるUNDPの活動~紛争下の試練~」を開催しました。この講演会には、企業やNGO、国際機関、学生をはじめ約50人が参加しました。

【日本にいる私たちに何ができるか?】

東准教授はUNDPが紛争下にあるシリアで続けている努力を指摘し、その先頭に立つリズク事務所長の講演は、シリアの現状の理解と日本人として私たちに何ができるかを探る機会になると挨拶し、リズク事務所長の講演が始まりました。

【シリアの現状は?】

リズク事務所長は、ヨーロッパ各国やヨルダンへの難民や国内避難民も増加しているように、戦争の複雑化に伴いその対応も複雑化していることを指摘しました。シリア国内でも53%という高い失業率、およそ630万人の国内避難民がいることに加え、シリア国民の85%が貧困にあり、69%が極度の貧困に陥っています。

【UNDPは具体的にシリアで何をしている?】

こうした中、UNDPをはじめとした国連機関はシリアで対処(Cope)、復興(Recover)、持続可能性(Sustainable)の3要素からなる強靭性を高める活動をしています。リズク事務所長によると、強靭性を高めるために、UNDPがシリアで行っている人道的な支援は3つの活動からなっています。

 

①雇用や生計のための支援

たとえば、日本の拠出金で実施しているアレッポでの水道インフラ整備事業は現地に新たな雇用を生み出しています。(ここから日本語字幕付きの紹介動画をご覧いただけます。)

②インフラや社会的サービスの支援

UNDPは先の水道インフラの事業や電力インフラの整備事業を行っていますが、それに加えリズク事務所長は「誰が最も社会的弱者なのか」を問うことと、そうした人々への積極的な支援の必要性も指摘しました。紛争で世帯を支えていた男性が亡くなったために世帯を支えている女性への就労支援をUNDPが行っていることを例として挙げ、また障がいを持っている人々への支援を実施していることにも言及しました。(ここから英語の紹介動画をご覧いただけます。)

③社会的連帯のための支援

UNDPはコミュニティを通じての清掃活動や、現地の人々とともに国際平和デーを祝うなど、社会的連帯のための支援も展開しています。

UNDPはこれらの活動を包括的に現地NGOや他の国際機関や現地政府と連携しながら推進し、シリアの強靭性を高めています。

【おわりに】

リズク事務所長の講演のあとの質疑応答では、シリアでの教育問題や社会的弱者の定義、ガバナンスの弱いシリア政府との連携の方法など多様な質問がありました。一方で、こうした今シリアが置かれている状況、UNDPが行っている支援を知り、そのうえで私たちに何ができるでしょうか。本講演会を通じて出席者に投げかけられた大きな問いでした。

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