日本政府拠出プロジェクト ナイジェリアのボコ・ハラム被害地域の農民の生計回復を支援

2017/09/19

写真右:ボルノ州キンバ村で、灌漑用の発動機付ポンプの供与を受ける帰還民。写真左:アダマワ州で、一世帯あたり3頭の山羊の供与を受ける国内避難民。

 

ナイジェリア北東部は、武装勢力ボコ・ハラムが引き起こした武力紛争によって深刻な危機にさられています。2015年には政府軍の掃討作戦によって、同組織が占領していた地域が奪還されたと宣言されましたが、現地では未だ、200万人以上が難民及び国内避難民(IDPs)として生活の場を追われています。さらに、元の居住地に戻った住民や、避難民が暮らす地域の住民を含めた850万人以上が、食料や水、医療や教育等について緊急の支援を必要としています。

緊急人道支援と合わせて必要とされているのが、人々が援助を必要とする状況を脱して自立して生きていけるよう、現地コミュニティの早期安定化と生計を支援する事です。この目的のため、UNDPではナイジェリア北東部において、様々なパートナーと連携し、「統合コミュニティ安定化プログラム」を実施しています。その一環としてUNDPは、日本政府の拠出資金を活用し、この地域の主な生計手段である「農業の再開」を支援しています。

UNDPを通じて日本政府が支援しているコミュニティのひとつが、被害地域であるボルノ州にあるキンバ村です。この村には武力紛争が起こるまでは約5000人が暮らしていましたが、2014年から2015年にかけて繰り返し攻撃を受け、ほとんどの家屋が破壊され、多くの犠牲者が出ました。一時は全ての住民が近隣地域に避難していました。その後、掃討作戦の終結を受けて、住民が村に戻りつつありますが、家屋も公共施設も破壊されたままとなっています。また、農業を再開するための資材も、住民が自前で準備する事が出来ない状況です。UNDPはキンバ村のほぼ全ての住民を含む450世帯に対し、種子、肥料、除草剤、家畜及び機材といった農業用資材を供与しました。資材を受け取った住民の一人は、「これで農業を再開する事が出来る。私は家を焼かれ、今も避難先の別の村からキンバ村に通っている状態だが、農業を再開して収入を得て、早く家を再建したい。」と語りました。

2017年に日本政府拠出プロジェクトの下、UNDPはキンバ村のあるボルノ州を含めた3州で、合わせて1700世帯の農家の生計回復を支援しました。また、前述の「統合コミュニティ安定化プログラム」の拡大を推進しています。UNDPは今後も、日本政府をはじめとしたパートナーと共に、ナイジェリア北東部の安定化と早期復興を支援していきます。