【2018年11月27日 東京】
国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁は11月26日から2日間の日程で訪日し、日本政府高官、企業幹部、および学術界の要人と、持続可能な開発に向けた共創について協議しました。
シュタイナー総裁は、「日本はUNDPにとって重要なパートナーであり、人間の安全保障と持続可能な開発における世界のリーダーです。今回の滞在では日本全体がSDGsの達成に向けて取り組んでいるという熱意をあらゆる場面で感じました。信頼と価値の高い日本とのパートナーシップを、UNDPの活動を通じた開発支援の継続とともに一層深化させていくことを期待しています」と述べました。
日本はUNDPにとって最大の支援国の一つであり、極度の貧困の撲滅、格差の是正、SDGs実践を推進する上で極めて重要なパートナーです。シュタイナー総裁は、鈴木憲和外務大臣政務官、国際協力機構(JICA)北岡伸一理事長、「人間の安全保障を推進する議員連盟」の国会議員の方々と会談し、国際保健、防災、中東の安定化、アフリカ開発といった重要課題について協議しました。
シュタイナー総裁は世耕弘成経済産業大臣とも面会し、SDGs達成に向けて民間企業が果たす重要な役割について協議しました。また、民間企業との連携によってSDGsの達成を加速させるため、日本最大の経済団体である日本経済団体連合会(経団連)との間で覚書を締結しました。さらに、経済同友会の幹部や、SDGsを企業戦略として組み入れている日本の大企業の経営幹部とも会談しました。
学術界との連携としては、東京大学と包括連携協定を締結しました。同大学は五神真総長のリーダーシップのもとでSDGsに本格的に取り組んでいます。さらに、教授陣や学生と、開発や国連の未来について話し合う対話型の講義を行いました。
2017年、日本政府によるUNDPを通じた支援対象上位10位は以下の通りです。
アフガニスタン、イラク、シリア、キルギスタン、パキスタン、タジキスタン、インドネシア、南スーダン、ヨルダン、およびパレスチナ人支援プログラム
日本の支援の効果について
アフリカ開発:
1993年から、UNDP は日本とともにアフリカ開発会議(TICAD)を共催しています。次回の第7 回TICAD(TICAD 7)は2019年8 月に横浜で開催予定です。会議の基本理念は、アフリカのオーナーシップと国際的なパートナーシップです。
防災:
日本のリーダーシップにより、UNDPは、日本の津波対策の経験や知見を活用した災害による人命と財産の損失を防ぐプロジェクトを、アジア太平洋の18 か国において実施しています。この活動により105の学校で津波の避難訓練などの防災活動が行われ、学校の生徒や教員、職員など58400人が災害への備えを進めることができました。
中東の安定化:
日本の支援を受け、UNDP は紛争後のイラクの安定化に貢献し、190万人が水、電力、道路、ゴミ処理、医療を使えるようになりました。また、イラク北部の都市・ティクリートの住民200万人超が医療サービスの提供を受けました。
女性のエンパワーメント:
日本、UNDP およびアフガニスタン内務省が連携し、女性警察官の育成を支援しています。2013年から約1,200人の女性警察官が研修を受講しました。政府は2020年までに女性警察官の割合を10%に引き上げる予定です。