第5回アフリカ開発会議(TICAD V) 本会議 ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁兼国連開発グループ議長による基調演説 「TICAD20周年とアフリカ統一機構(OAU)/アフリカ連合(AU)50周年」

2013/06/01

基調講演をするヘレン・クラークUNDP総裁 Photo:UNDP Tokyo/Yukiko Abe

アフリカ開発会議(TICAD)という重要なプロセスが20周年を迎え、アフリカ連合(AU)とその加盟国がアフリカ統一機構の設立50周年を祝うこの歴史的な年に、またこうしてTICAD Vを共催できますことは、UNDPにとって喜びです。

この2つの記念すべき節目を機に、過去の成果を振り返ると同時に、アフリカで進められている変革をどう支援すべきか考えたいと思います。

アフリカは、まさしく希望の時代を迎えています。アフリカ大陸のいくつかの国々では、急速に経済が成長し、人間開発のレベルも急速に改善しています。

アフリカと世界のつながりは、貿易、投資、人の移動、情報通信技術を通じ、かつてないほど強化されています。この変革の推進力となっているのが、2001年にAUにより立ち上げられた「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」です。

この20年間、TICADはアフリカの変わりゆくニーズに応えて進化してきました。こうした進化は、TICADがアフリカ諸国の主体性と国際的なパートナーシップの両方に取り組んできたことで実現されました。アフリカ連合委員会(AUC)がTICADの共催者となったことで、アフリカの主体性はさらに強化されました。

アフリカ開発のための対話とアドボカシーの場として生まれたTICADは、行動のための基盤へと急速にその姿を変え、さらにTICAD IVでは、TICADプロセスで表明される支援策の実施状況をモニターするフォローアップの仕組みも導入されました。このメカニズムにより、TICADの諸活動のより効果的な実施、透明性、説明責任が確保されるようになっています。

TICAD IVのもとでは、農業、インフラ、ガバナンスなどの分野で具体的なイニシアティブが立ち上げられました。これらのイニシアティブには次のようなものが含まれます。

•2008年から2018年までの間にアフリカのコメ生産を2倍にすることを目指す「アフリカ稲作振興のための共同体(CARD)」の発足。
• 数百万人への安全な飲料水の提供。
• アフリカ諸国11か国の選挙プロセス支援における日本とUNDPのパートナーシップ。
TICAD IVに基づく日本とUNDPとの連携としては最大規模である、9200万ドル相当の「アフリカ気候変動適応支援プログラム(AAP)」。このプログラムは、アフリカ諸国20か国において、気候変動の影響に対する強靭性の構築を支援するもので、アフリカにおける喫緊の課題の解決にあたりTICADがいかに貢献できるかを示す具体例です。本日の午後、AAPに関するサイドイベントの開催を予定しております。

TICADはこれまでも新たなニーズに応えるべく進化を遂げてきましたが、アフリカの現在の開発目的に応えるべく、更なる進化が求められています。

ここ横浜で開催されるTICAD Vから発出される宣言や行動計画が、包括的な成長、貧困削減、持続可能な開発を支えるものとなることを確信しています。

現在のアフリカにおける課題は、農業の生産性を高め、製造業を振興させ、付加価値の高いサービス業を発展させるべく、経済変革を進めることです。インフラへの投資は不可欠ですが、人的資本への投資も欠かせません。なぜなら人こそがアフリカの開発の原動力だからです。特に、AUが女性のエンパワーメントと若者の潜在能力を重視していることをおおいに歓迎します。

長期にわたる着実な経済成長、豊かな天然資源、そして人間開発とガバナンスにおける成果は、アフリカの変革の確かな基盤となっています。気候変動への適応とその緩和、災害に対する強靭性の強化、および真に持続可能な開発への支援を更に強化すれば、この基盤はより一層確かなものとなるでしょう。

またTICAD Vの主要テーマに加え、開発のための効果的なガバナンス、広範なエンパワーメントと政治参加、および社会的結び付きも、持続可能な人間開発を促す変革を支えるうえで重要となります。

UNDPは、TICADプロセスがアフリカ開発の変革の促進に一層貢献できるよう、他のTICAD共催機関やアフリカ諸国と「手を携えて」取組んで参ります。

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