「国際女性の日」に寄せて―国連開発計画(UNDP)総裁ヘレン・クラーク

2014/03/07

今年の「国際女性の日」は「女性の平等は万人の前進」というシンプルな事実をテーマにしています。女性が完全な平等を享受しない状態で、潜在力を十分に発揮できる国はありません。ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限である2015年が迫り、次なる地球規模の開発アジェンダに関する議論が本格化する中で、とりわけジェンダーの不平等解消や女性と女児のエンパワーメントを通じ、公平な開発を達成しようという機運が高まっています。

来週、国連女性の地位委員会の第58会期がニューヨークで始まります。今回の会合では「女性と女児に関するミレニアム開発目標(MDGs)の課題と成果」が中心的な議題となります。多くの女性と女児にとって前進が見られたことは間違いありませんが、そのペースは不均等かつ不十分なものにとどまっています。世界は初等教育でのジェンダー平等を公式に達成してはいますが、地域間の格差は残っており、しかも中等教育への女児の進学率は依然として低いままです。女性国会議員の比率は増えているものの、全世界の国会議員に女性が占める割合はわずか21%程度です。妊産婦死亡率の低下とリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)ケアの普及を主眼とするMDGs目標5は進捗が最も遅れております。

国際人権に基づくジェンダーの平等は、女性や女児、その家族一人ひとりの生活を向上させるだけでなく、経済的に利益をもたらし、民主主義を強化し、長期的に持続可能な前進も促しています。

少しでも教育を受けた女性は、より少ない、より健康な子どもを産み、経済的にもより良い機会に恵まれるほか、自分の子どもたちを学校に通わせる可能性が高くなります。国連開発計画(UNDP)の『人間開発報告書2013』でも、子どもの生存にとって重要なのは、家庭の所得や財産よりも、母親の教育であるという調査結果が明らかにされています。

性と生殖に関する健康サービスへのアクセスは、女性の家族計画と機会の拡大を可能にするほか、妊産婦と子どもの死亡を防止することにも役立ちます。

女性の農業従事者が農業資源に平等にアクセスできるようになれば、女性の所得と地位が向上し、国の農業にプラスの影響が及びます。

今年の「国際女性の日」を機に、女性にとっての平等を実現するための取り組みをさらに強化していきましょう。それはすなわち、女性に教育や資源へのアクセス、ディーセント・ワーク(働きがいのあるきちんとした仕事)、平等な賃金を確保し、差別的な法制度、男女を区別する固定観念や慣行など、女性の経済的、社会的、政治的権利の実現を阻む構造的な障壁をなくすことです。また、より多くの女性を政界に送り込み、家庭でもコミュニティでも、政府その他の部門でも、さらには和平交渉でも、女性が自分たちの生活に影響する決定について発言できるようにすることでもあります。女性が暴力を受けることなく生活し、医療を利用し、性と生殖に関する健康について自ら決定を下せるようにしていきましょう。

このような不平等に取り組む必要性は、国連主導によるポスト2015開発枠組みに関する協議でも、一貫して取り上げられています。国連によるグローバルな調査『My World 』では、女性のエンパワーメントに欠かせない教育、医療、雇用機会がいずれも、全世界で140万人を超える回答者の最優先事項となっていることが判明しました。UNDPが行っているeディスカッションでは、ある参加者が「女性を見捨てる社会は、最終的にはうまくいかなくなる」と発言し、ジェンダーの平等の重要性を訴えました。

ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントの全側面に、私たちの時間と資源を費やすことを誓約しましょう。これは、すべての女性と男性の権利を実現し、より包摂的で持続可能、かつ強靭な世界をつくる唯一の手段です。

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