世界ボランティア白書2015 「ガバナンスの変革」発表に寄せて-ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁(抄訳)

2015/06/05

【2015年6月5日】
世界ボランティア白書2015の発表イベントにご出席いただき、ありがとうございます。この白書は、4年前に続き、今回が2回目となります。前回は、平和と開発を進める上でボランティアが果たす役割について、私たちの理解を深めるものとなりました。

今回の白書では、「ガバナンスの変革」に焦点を当て、ボランティアがガバナンスの改善にどのように貢献できるかを検証しています。貧しく、社会から疎外されたコミュニティで、ボランティアがサービスの拡大と改善にどう役立てるのかを紹介し、どのようにそれを実現できるのかについても論じています。

全世界で何億人ものボランティアが活動していると推定されています。白書では、ボランティア活動によって、ガバナンスが改善した例も紹介しています。また、ブラジルやケニア、レバノン、バングラデシュやその他の国々で、ボランティアが法律改正や政策実施への貢献、当局の適切な対応を支援する事例も掲載しています。

国連開発計画(UNDP)は全世界での活動で、ボランティアが変革のきっかけを生み、市民の声を増幅させ、政治プロセスへの参加を促す様子を目の当たりにしています。私たちは、ボランティアの活動を支援しています。

例えばケニアでは、国連ボランティア計画(UNV)とUNDPが連携し、平和に選挙ができるよう長年に渡り設置されている地域ボランティア制度を支援しています。現地で採用された国連ボランティアは、「知ろう、そして参加しよう」を旗印に、全国的なキャンペーンも展開し、ケニアの若者と青年組織に対し、政治プロセスに参画する機会を与えています。

白書には、腐敗問題に取り組むために市の契約の監査を買って出たブラジルでボランティアをする専門家たちや、大気改善の必要性に直接目を向けてもらえるようにする汚染レベルのモニターをする中国のボランティアたちの事例も掲載されています。

白書は、ホンジュラスからモザンビークやペルーまで、多くの国々がボランティア活動を促進する法律を制定し、国家の開発目標の達成に向けてボランティアの参加を促すことで、ボランティア活動をしやすい環境整備をしていると指摘しています。また、青年ボランティアに対し、若年層の失業問題への取り組みに参画するよう働きかけるトーゴ政府の取り組みも紹介しています。

問題と向き合いながら暮らす人々には、どのような解決が可能かという見識があります。問題解決策にこうした人々を巻き込む方法を見つける必要があります。現地ボランティアは、地域、国家、そして世界の政策立案者の考え方や方向性を、貧しい地域や社会から疎外された地域における生活の現実に根差すものにするよう貢献できるのです。

ボランティア活動は、私たちの開発への取り組みに欠かせない要素となるべきです。市民が自らの課題克服に参画し、努力すれば、開発成果だけでなく、平和と安定も更に持続可能なものになるでしょう。国連がポスト2015開発アジェンダに関し、世界的な対話を促す決定を下した背景にも、このような考え方があります。

UNVと米国の平和部隊がこのほど主催したボランティア組織会合で、参加者はボランティアがより大きな変革をもたらす力を持てる方法を明らかにしました。ボランティア活動をポスト2015開発アジェンダに盛り込むというアイデアも出されました。そうすれば、各国政府が持続可能な開発に対するボランティアの貢献を測る手助けとなると共に、政府に対し、ボランティアの取り組みを支援するよう促すことにもなるでしょう。

あらゆる種類の開発アクターが、ボランティアやボランティア組織との連携を決定することによって、これを手助けできます。白書では、ボランティアや開発機関が、現地の有権者やボランティアを国内、そして世界の政策決定者とつなげるために活用できる戦略も紹介しています。このようなパートナーシップは、政府を含む開発主体が、グローバルな合意によって生じる新たな機会や、国と地方の政策を、人々の需要にしっかり合致する行動へと転換していく手助けとなりえます。

ボランティアが活動の場を与えられ、政府に対応能力があれば、人に中軸を置いた開発を推進できる十分なチャンスがあります。UNVとUNDPはその実現に向けて尽力しています。

ヘレン・クラーク総裁のスピーチ全文はこちら(英語)からご覧いただけます

世界ボランティア白書2015はUNVのウェブサイト(英語)よりダウンロード可能です

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