3月8日の「国際女性デー」によせて

アヒム・シュタイナーUNDP総裁からのメッセージ

2019年3月8日

南スーダンにおいて活動されている”GoGirlsICTJuba”はUNDPが支援する活動の一つです。女性や若者に対して生活のためのスキルなどを提供するためのボランティアメンターの育成を行なっています。GoGirlsICTJubaはUNDPのYouth Innovation Challenge for Peace 2016を受賞、また、ルワンダ・キガリで開催された#YouthConnektサミットにも派遣されました。 Photo: UNDP South Sudan

 
2019年3月8日
 

2019年の国際女性デーのテーマは「Think equal, build smart, innovate for change:平等に考え、聡明に構築し、変化のための革新を」です。

女性と女児は変化を望んでおり、その理由は明らかです。

同じ仕事をしても、男性が1ドル稼ぐところ、女性は77セントしか稼ぐことができません。

今生きている少なくとも2億人の女性が女性器切除を受けることを余儀なくされました。

世界の国会議員のうち女性が占める割合はわずか24パーセントです。

世界の女性の35パーセントが身体的・性的暴力を経験しています。

まだまだ道のりは遠く、私たちには革新的な行動や考え方が必要です。

変革を起こすようなイノベーションは、必ずしも費用が高くついたり派手だったりするわけではありません。シンプルな技術や地域に根差したイノベーション、そして社会的態度や規範、偏見を変える新たな慣習によっても変化は起こすことができるのです。たとえば、携帯電話を利用した銀行サービスにより多くの女性が経済的独立を果たしています。

しかし、ジェンダーにより「デジタルディバイド」(パソコンやインターネットなどの利用機会・能力の違いによる情報格差)があり、女性は科学、技術、工学、数学、デザインといった領域で過小評価されています。

女性のニーズを満たし、誰も取り残さない社会をつくるためには女性のアイデアや視点、経験が必要です。

女性が話し合いの場に加われないということは、未来をつくるイノベーションの創造から女性が排除されているということです。

ジェンダー平等に国連は重要な役割を担っており、UNDPも解決に向け様々な取り組みを行っています。

UNDPはイノベーション促進プログラムを通じ、87以上の国・地域で140件以上の画期的な試みに投資してきました。また、最近では60カ国をつなぐアクセラレーターラボのネットワークを構築し、男女ともに利益を享受できる新たな機会をつくるパートナーシップや型破りなアイデアを追求しています。

2019年の国際女性デーを迎えるにあたって、産業界のリーダー、変化をもたらす新興企業、社会起業家、ジェンダー平等のための活動家の方々に対し、ジェンダーによるデジタルディバイド解消のための協力を呼びかけましょう。ともに取り組み、イノベーションを共有し、女性に対する障壁を取り除き、真の普遍的なジェンダー平等に向けて歩みを進めるために協力が必要なのです。

ジェンダー平等の促進にはイノベーションが重要な役割を担ってきたことから、世界に対しては技術のさらなる活用を求め、UNDPも重点的に取り組む方針です。女性や女児たちの生活を向上させるため、その声に耳を傾け、活躍の場と選択の幅を広げ、投資を増やしましょう。