女性がよい良い仕事につくためには職を守るのと同時に、能力を強化する必要がある。Photo : UNDP Tanzania

 

ガーナでは、アフリカで初めて新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う制限が緩和され、市場で物を売る女性たちは一同にほっとして溜息をつきました。しかし、マスクの装着、ソーシャルディスタンスの確保、日によって変動する製品の売上げ等、至る所で「ニュー・ノーマル(新たな日常)」を感じます。

新型コロナウイルス蔓延後、最初のわずか一カ月でアフリカのインフォーマル・セクターにおける収入の約80%が失われました。そしてまだその全員が仕事に戻っているわけではありません。

アフリカの航空業界に勤務する620万の人々と、さらにはホテル、会議、催事、宗教活動、スポーツといった関連分野に従事する数百万の人々は、終わりの見えない状況の中、未だに制限が解除されるのを待っているのです。国際連合教育科学文化機関(UNESCO)によると、3億3千万人を超える学生と850万人の教師が代替的な教育手段をもたないままに自宅で過ごしています。

UNDPの調査では、人間開発指数が、今年、測定を開始した1990年以来、初めて減少する可能性があると予測しています。アフリカにおいても継続的に経済が縮小していく中、仕事と生計手段は枯渇し、貧困や飢餓は悪化の一途を辿り、再び上昇することが困難となっていきます。

仮にサブサハラ・アフリカの家計消費支出が5-20%落ち込むと、所得に乏しい人々が2千8百万人から1億2千万人増えると見込まれています。最も影響を受けるのは、宿泊業、飲食業、製造卸売業、小売業等の従事者であるとの予測です。

ソーシャルディスタンスの確保のための新たな規制によって最も影響を受けるのは、従事する女性の数が男性の2倍以上多い傾向にある、医療、ソーシャルワーク、ホスピタリティ、飲食といった分野でしょう。

女性が従事するビジネスの多くが自営業であり(女性は80%が自営業または家族の事業に従事、対して同様の男性は60%に留まる)、限られた公共サービスしか享受できない状況下において、こうした危機に対応するキャパシティには限界があります。

東・中央・西アフリカの女性の多くは農業に従事しています。彼女たちは実際にはワーキング・プアと呼ばれる層であり、脆弱性を抱えています。他方、典型的に北・南アフリカに多い、フォーマル・セクターに従事する女性達にとっては、製造業、観光業、宿泊業、ホスピタリティ業等の職の保護が特に必要になります。

 

仕事を守る

新型コロナウイルスの感染下において市場を拡大するためには、デジタルとモバイルテクノロジーに対する巨額の投資が必要です。

地元の製品・サービスに対するデジタル・マーケティングは女性に新たな機会を提供しています。ケニアでは、Eコマース、調理用コンロの製造、零細卸売といった事業を行うスタートアップがSafe Hands Kenyaという連盟を立ち上げ、数百か所の拠点を介して人々に無料で石鹸、手指消毒液、クリーナー、消毒剤、マスクなどを配布しています。

携帯電話を使ったデジタル決済サービスによって、ウガンダの女性起業家達はクレジットへのアクセスが向上し、自宅にいながら市場へアクセスすることができるようになっています。市場で物品を販売する女性達はMarket Gardenというアプリを利用し、果物や野菜を消費者に売り安全に届けています。UNDPはこうした新型コロナウイルスに関連したイニシアチブを支援し、彼女たちの生計を保護しています。


アフリカの女性がより良い仕事と共に戻るために

女性がよい良い仕事につくためには、職を守ると同時に能力を強化する必要があります。そのために、以下の5つの柱が指針となるでしょう。

  1. インフォーマルな仕事を受け入れる
    新型コロナウイルスによって、インフォーマル・セクターがあたかも存在しないかのように取り扱い続けることが不可能であるということが証明されました。インフォーマル・セクターを受け入れ、投資を行うためには、女性起業家達を浄化するのではなく、支援し手助けするために設計された政策が必要です。「人々のための」政策に転換するためには、税控除、手の届きやすい金融の仕組み、スキル向上のための研修というような項目をプログラムの中心としなければなりません。

  2. デジタル化とテクノロジーを活用する
    テクノロジーへのアクセスによって、女性は製品販売市場の拡大、付加価値を高めることができると共に、より多くの人々を巻き込むことで社会の包摂性が促進されます。こうしたデジタル化を継続的かつ効率的に進めるには、再生可能エネルギー等の主要なインフラ投資が必要です。 UNDPのイニシアチブである「Solar for Health」プログラムは、ジンバブエ、ザンビア、リビヤ、ナミビア、スーダン、南スーダンの遠隔地にある医療設備に太陽光パネルを設置し、クリーン・エネルギーを供給しています。こうした取組みは、農業、観光業、天然資源関連サービス、パーソナル・ケアといった他の事業領域にも適用・拡大可能です

  3. 女性の仕事を守り、女性起業家を支援する
    女性起業家に資金救済パッケージを提供することは、大変重要な短期的支援です。中長期的には、彼女達が低コストの金融、事業開発支援、ビジネス間の連携等をいかにして容易く手にすることができるかという点に焦点を充てる必要があります。新型コロナウイルスによる壊滅的なビジネスへの影響を鑑み、ガンビア、赤道ギニア、ニジェール、ウガンダにおいて、UNDPは女性起業家達に対してビジネス蘇生支援を行っています。また、アフリカでは多くの起業家達が個人用防護具(PPE)の製造を開始しており、UNDPは継続してこうした動きを支援していきます。

  4. 社会保障プログラムを女性に提供する
    女性は家族同士を繋ぎ、子供たちや他の脆弱な人々を世話をするのに中心的な役割を果たしており、社会保障プログラムの対象者として含まれるべきです。危機に耐えるための賃金と生計支援を提供することが重要です。ナイジェリアの事例から、現金供与を受けた女性達はより働き、家庭における食の安全保障が確保されるよう努めるということが分かっています。女性は家計の為の経済活動により多く従事しているため、現金供与によって家計の立て直しが図れるのです。

  5. 若者を取り残さない
    アフリカの若者の有するアイディア、イノベーション、製品、サービスに投資する金融手段はさておき、彼らが収入機会を創出し拡大することができるよう新たなマーシャル・プランが必要です。新型コロナウイルスによってアフリカの有する知恵が証明されました。彼らに投資することは、つまり彼らの未来を守るということなのです。

 

不平等を減らし共通の繁栄を促進するためには、機会や技術へのアクセスを制限しうる差別的な社会規範や行動に対処する必要があります。アフリカ産の製品と女性の雇用者・起業家を取り入れながら、こうした対処をしていくことがゲームチェンジャーとなるでしょう。

アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)を通じた貿易が差し迫っている今、「アフリカ産」を推進すべく決意を新たにすることで、この大陸上の数百万人の女性達に機会と希望をもたらすことができます。共に実現していきましょう。

 

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