復興のための意思決定には女性の声が必要不可欠

2020年6月30日

Image: Mary Long/Shutterstock.com

2017年12月、ブルームバーグがインクルーシブなチームが87%もより良い意思決定を行うことを示唆したレポートを発表し、大きな話題を呼びました。報告書はまた、よりインクルーシブに行うことが、より迅速な意思決定につながると指摘しています。

最近の新聞記事によると、ニュージーランド、ドイツ、台湾など、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに対して適切に対処している政府には、重要なポジションに女性がいることが指摘されています。女性がいるだけで違いが生まれるかどうかを判断するためには、より詳しい分析が必要なものの、2019年の世界経済フォーラムの報告書によると、カナダの異なる州レベルの政府で意思決定の立場に女性がいることが、健康分野に測定可能な違いをもたらしたことが言及されています。

各国政府が新型コロナウイルスによる医療や社会経済的影響が過ぎ去った後に、より良い復興を目指す上で、この全てが重要になります。

しかし、実際どれも目新しいことではありません。2000 年 10 月に国連安全保障理事会が国連安全保障理事会決議 1325(UNSCR 1325)を採択し、世界の平和と安全を確保する上で女性が果たす重要な役割が認められるようになるまでに、女性団体による協調行動と、現場の活動家によるロビー活動が何年もかかりました。それ以来、女性の平和と安全保障に関して、さらに9つの決議が採択されています。さらには、和平交渉への女性の参加がもたらす影響についての調査が行われ、国連ウーマン、婦人国際平和自由連盟(WILPF)、国際市民社会行動ネットワーク(ICAN)は、女性を和平のテーブルに参加できるようにするために尽力を注いできました。

しかし、まだまだ大きな隔たりがあり、残念ながら、多くの紛争を弱めるには至っていません。これらの決議の中で重要な部分の一つではあるものの、十分に実施されていないのは、紛争後の状況下で女性が経済的・政治的な意思決定に関与することを確保するための呼びかけです。これは、女性がコミュニティで重要な意思決定をしていないということではありませんが、女性の声が十分に聞かれていないことを示唆しています。

女性は、紛争時や避難・帰還時に、社会をつなぎとめる存在となる場合が多くあります。 例えば、北アイルランド、コロンビア、フィリピンの事例では、地域レベルでの女性の平和構築者を支援することが、より広範な平和の構築に寄与すことが立証されています。

女性の声をしっかりと反映させるため、UNDPは国連ウーマン、WILPF、ICANとの協働で、紛争後の経済的・政治的意思決定における女性の平和構築者の役割を探るためのオンライン・ディスカッションを開始しました。6月30日まで実施されているこの外部協議は、新型コロナウイルス対応における女性の役割など、3つのテーマに焦点を当てています。協議の結果は、今年の後半に開催される女性と平和、安全に関する安保理決議1325の20周年記念日に発表される予定となっており、協議で得られた最善のアプローチが今後のUNDPプロジェクトにも反映されることになります。この機会を通して、是非皆さんの考えなどを共有、また議論にご参加ください。