人間開発報告書2000 「人権と人間開発」

本文

pdf (1MB)

ダウンロード

人間開発報告書2000 「人権と人間開発」

2000年3月31日

人権と人間開発は、すべての人々に自由と福利と尊厳を保障するという共通ビジョンと目的を持っている。人権の課題と開発の課題は、冷戦によって分断され、平行線をたどってきた。今日この二つの課題の異なる戦略と伝統が歩み寄ることで、人間の自由獲得の潤いに新たな力を与えることができる。「人間開発報告書2000」は、人権を開発の本質的な一部とするとともに、開発を人権実現の手段であるとしている。本書は、人権が説明責任と社会正義の提唱人間開発の過程にどのようにもたらすかを示すものである。

20世紀における人権の進展は、めざましいものだった。しかし、重大な人権侵害は、あからさまな形で、あるいはひそかに執拗に続いている。本報告書は21世紀に向けた新しい人権課題を模索するとともに、社会正義を実現する政治的経済的ガバナンスの大胆で新しい取り組みを提言する。広がりつつある地球規模の貧困格差を是正し、特に困難な状況にある人々や国を支援するために、いっそう強力な国際行動が求められている。

すべての国のすべての人々にすべての権利を実現するためには、すべての社会の中心的担い手が行動を持って示し、責任をもって取り組むことが必要である。今年の人間開発報告書は、人権闘争の奇跡をたどりながら、経済的、政治的権益に立ち向かうことによって、21世紀は人権が前身されるだろうと踏んでいる。