人間開発報告書2016

「すべての人のための人間開発」


2017年3月21日 日本時間 23:00 発表


普遍主義は人間開発のアプローチの核心にある。現在および将来において、誰もが自分の可能性を全うできるように、少数の人々でも大部分の人々でもなく、世界中のあらゆる場所にいるすべての人のために人間の自由を拡大しなければならない。地球上の誰をも置き去りにしないというこの精神は、アジェンダ2030および持続可能な開発目標(SDGs)にも共有されている。したがって、人間開発はすべての人々のために保証されなければならない。


この四半世紀にわたり、人間開発は目覚ましい前進を遂げ、数十億人の生活を豊かにした。しかし、前進は均等でなく、一部の集団やコミュニティ、社会を素通りしている。人間開発の基本部分しか達成されていない場合もあれば、それすら達成されていない場合もある。特定の場所にいる人々や特定の状況にある人々の人間開発の不足が著しい。

そして、普遍的な人間開発に対する大きな障害が未だに残り続けている。その一部は社会的・政治的なアイデンティティや関係に深く根を下ろしている。たとえば、公然たる暴力、差別的な法律、排除的な社会規範、政治参加の偏り、機会の不均等な分配などである。 しかしながら、人間開発は基本的ニーズを満たすこと以上のものである。人間開発には、動的な世界において重要であり、生活の条件を変えることにつながる発言力と自律性も含まれる。人間開発は主体性と自己決定、選択の自由、結果を作り上げる自由に関わるものである。

すべての人のための人間開発には、人間開発のアプローチのいくつかの側面に焦点を絞り直すことが求められる。すなわち、個人の能力だけではなく集団としての能力、福祉だけでなく発言力と自律性、多様性だけでなく包摂が必要である。また、平均値と数量的な成果にとどまらない評価の視点にも焦点を合わせる必要がある。

取り残された人々への手当てには、国レベルでの4本柱の戦略が必要となる。第1に、普遍的な政策によって、取り残された人々に到達すること。第2に、特別なニーズをもつ集団のための施策を追求すること。第3に、人間開発を強靭にすること。そして第4に、取り残された人々を力づけることである。国レベルの政策は、任務の権限や統治構造、国際機関の仕事といった問題に対処するグローバルなレベルでの行動によって補われなければならない。

変革は可能であり、変容を果たせると考えられる理由は十分にある。今日、困難な課題に思えることも、明日には克服できるようになる。誰をも置き去りにしないという刺激的なアジェンダの達成まで、世界に残された時間は15年足らずである。私たちは、心と頭と手を一つにして平和と繁栄の実現に向けて努力し、互いに協力し合いながら人間と地球のバランスを取ることに向かっていくだろう。このような目標が達成されれば、私たちは道の終点にたどり着く。そして後ろを振り返り、誰をも置き去りにされていないことを知るだろう。

<ヘレン・クラーク総裁スピーチ原稿>

<人間開発報告書2016 発表時のプレスリリース(日本語)>  

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<人間開発報告書の関連ページ(日本語、英語)>

 

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