貧困削減のための農業育成

サハラ以南アフリカ初の商品取引所であるエチオピア商品取引所は、品質管理システム確立のためにUNDPから支援を受けました。エチオピア国民の20%がコーヒー生産に従事しており、極めて重要な産業となっています。コーヒー豆は産地別にコード化され、国際市場で高級品種として売り出されています。

エチオピアは、今後15年で中所得国になることを目指しています。しかし高い経済成長率にもかかわらず、この国は貧困と食糧不足に悩まされています。開発を成功させるためには、利益を広く共有しなければなりません。

ハイライト

  • UNDPは、エチオピアへの支援のうちかなりの部分を農業に集中しています。支援活動の1例が、気候変動や降雨量の不規則な変動に対する脆弱性の低減への取り組みです。
  • モハメド・ハッセンさんは、干ばつに強い品種の種の支給を受けるなどの支援を通じて、収入が倍増しました。家族が1日2回ではなく3回の食事を食べられるようになりました。
  • サハラ以南アフリカ初の商品取引所である「エチオピア商品取引所」が創設され、商品の引き渡しと支払いが同時に行われるようになりました。2012年、同取引所の取引量は前年比23%増、収益は31%増加しました。

このため、UNDPは、エチオピアへの支援のうちかなりの部分を農業に集中しています。農業セクターはエチオピア経済の半分近くを、また雇用の80%以上を占めています。

支援活動の1例が、気候変動や降雨量の不規則な変動に対する脆弱性の低減への取り組みです。モハメド・ハッセンさんは、気候変動への適応方法を知らない多くの農民たちの1人でした。彼の暮らす農村地域では、記憶に残る限りはるか昔からずっと、同じ方法で農業が行われてきました。

ところが農業省、UNDP、地球環境ファシリティ(GEF)のパートナーシップにより、状況が変わり始めました。このパートナーシップでは、ハッセンさんとその近隣の人々に干ばつに強い品種の種を支給しました。UNDPはジンバブエでの経験をもとに、シンプルなプラスチック製の雨量計を導入し、各地域の農民たちが気象パターンを追跡し、干ばつに備えることができるようにしました。また、安価で環境に優しい伝統的な農薬を再び使用するよう、農民たちに奨励しました。

現在、ハッセンさんは自分の収入が倍増し、家族が1日2回ではなく3回の食事を食べられるようになったことに驚いています。また、子どもたちに学用品を買ってあげられるようにもなりました。

農業省は雨量計を全国に支給して、各地の出張所がデータを収集し、それを衛星からのデータで補完して全国の天気予報を作成しています。害虫による作物の損失は減少し、農民たちは高価な輸入農薬にかかる費用を大幅に節約することができました。当初、この3年間のプロジェクトでは4万1000人に支援を提供する予定でした。しかし成功談はすぐに広まり、現在では10万人以上の農民がこの新手法を実践しています。

またUNDPは、農業生産高の倍増や市場との結び付きの強化などを目標に掲げる国の成長・転換計画をエチオピア政府が策定できるよう支援をしています。その実施の指揮をとるために「農業転換局」が創設され、UNDPは3億ドルの投資プログラムの実現に向けて国際ドナーを動員しました。

大きな前進の1つは、サハラ以南アフリカ初の商品取引所である「エチオピア商品取引所」の創設です。この取引所で買い手、売り手、流通業者、輸出業者が結び付けられ、全国16か所にある倉庫に集められた農産物の売買をします。この取引所のおかげで、商品の引き渡しと支払いが同時に行われるようになりました。これは特に小規模生産者にとっては重要なことです。買い手も売り手も、市場にある電子掲示板で、価格設定に関する最新情報を入手することができます。

2012年には、同取引所の取引量が前年比で23%、収益は31%増加しました。

取引所により世界市場との結び付きが促進されたため、商品、特にコーヒーの品質管理とマーケティングが新たな方法で行われるようになりました。エチオピアはコーヒーの発祥地であり、現在では経済活動を行っているエチオピア人の20%以上がコーヒー産業に従事しています。

日本において輸入コーヒー豆から残留化学物質が検出された際には、UNDPは農業省が迅速に対応できるよう支援し、コーヒー豆を検査する試験室を整備しました。現在、この取引所には、定期的な品質管理を行うシステムが導入されています。また更なる改善策として、プレミアム市場でのブランディングにおいて重要な要素となる、豆の産地情報を追跡するシステムなども導入されています。

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