アフリカ開発会議 (Tokyo International Conference on African Development: TICAD)は25周年の節目を迎え、2019年8月28日~30日には横浜で第7回目の首脳会議が行われます。これに先駆け、UNDP駐日代表事務所ではアフリカ開発について語る対話シリーズとして、2018年6月末に「AFRI CONVERSE」を立ち上げました。

2018年1月25日(金)に開催した「AFRI CONVERSE」の第7回目では、日之出産業株式会社の藤田香取締役、アフリカ開発銀行アジア代表事務所の横山正所長、東京大学大学院新領域創成科学研究科サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラムの工藤尚悟助教、国連大学サステイナビリティ高等研究所『アフリカの持続可能な開発のための教育事業(ESDA)』プロジェクトアドミニストレーターの松山加奈子氏、ABEイニシアチブ生のNico de Wet氏を迎え、アフリカにおける人材育成の現状と展望について、政府、大学、国際機関、民間企業、NGOから集まった約90名の日本・アフリカ諸国からの参加者と協議しました。

第5回アフリカ開発会議(2013年6月)にて日本政府は「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアチブ(African Business Education Initiative for Youth、以下、ABEイニシアチブ)を立ち上げ、この5年間で約1、000人のアフリカの若者に対し、日本の大学・大学院での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供してきました。このイニシアチブを通じて、アフリカの産業化に資する民間セクターや公的部門における人材を育成するとともに、日本とアフリカの間でのネットワークがより強固なものになり、日本企業がアフリカにおいて経済活動を進める際の水先案内人としてABEイニシアチブ生が活躍することが期待されています。

AFRI CONVERSE #7の登壇者

 

水処理事業を展開する横浜市の企業である日之出産業株式会社では、これまでに合計32名のABEイニシアチブ生をインターンとして受け入れ、更に2019年1月より1名の卒業生を正規職員として雇用し始めた先駆的企業の1つです。同社取締役の藤田氏は、TICADを通じてアフリカ諸国が有する潜在的可能性に触れることができた、ABEイニシアチブ生の受け入れを通じて13名の同社職員も多様性に富む価値観に触れることができ良い影響を与えていると語りました。水処理事業は個々の国の環境や政策にあった技術や教育を提供する必要があるため、信頼できる現地パートナーや情報が非常に重要であるということで、日々アフリカ展開の可能性・方向性についてABEイニシアチブ生と共に検討を重ねているということでした。

現ABEイニシアチブ生であり日本企業でインターンシップ中のNico de Wet氏は、Kakehashi Africaという自発的ネットワークについて説明しました。Kakehashi Africaは、ABEイニシアチブ参加生がプログラム終了後に自国に戻った後も、卒業生達の組織的な結びつきを強化し、プログラムで得た知見やネットワークを生かし、日本企業のパートナーとして活躍する人材になることを目的に設立されました。組織名の通り、日本とアフリカの“架け橋”となることを目的に、オンライン・プラットフォームや各種イベント等を通じて、ABEイニシアチブ生の強力なネットワークを構築しています。日本の企業にとってアフリカの市場や社会に精通する、信頼のおけるローカルパートナーを目指していますと述べました。

KAKEHASHI AFRICA日本メンバーによる新しくアフリカ各国から日本に到着したABEイニシアティブ生第5バッチの歓迎会

 

続いて2008年以後、10年に亘りアフリカの現地大学と連携して、修士課程コースの提供、共同研究、起業家交流を行ってきた国連大学サステイナビリティ高等研究所『アフリカの持続可能な開発のための教育事業(ESDA)』の紹介が松山氏、工藤氏からありました。アフリカの若手研究者が日本の秋田県に滞在して持続可能な地域づくりやローカル・アントレプレナーシップについて学ぶプログラムや、アフリカの若手起業家が日本で100年以上の歴史を持つ老舗企業からそのフィロソフィーや世代間継承の重要性を学ぶプログラムを通して、アフリカ・アジアの知見共有を行ってきており、この成果として「持続可能な開発」の概念を捉え直すことが起きはじめているという説明がありました。そのうえで、アフリカの起業家育成には大学・研究機関等がアフリカのよりグリーンでエシカルな産業化への貢献を意識して協働すること、アフリカとアジアの若手研究者と起業家の結びつきを強化すること、社会変革を起こすためには研究・教育・社会実装を同時展開していくことの必要性が指摘されました。また、アフリカ・アジアの大学間連携を軸とするESDAでは、アフリカ側を援助対象と捉えるのではなく、お互いをイコールパートナーとして認め、対等な目線で向き合うことが、事業を継続していく上で最も重要なことであると述べられました。

上記ESDAプロジェクトへ支援しているアフリカ開発銀行の横山所長は、アフリカの有する潜在性を引き出す為に、人材育成が欠かせない要素であると冒頭述べられました。毎年1,000万人以上の若者が雇用市場に流入してくるものの、現状は300万人分の仕事しか創出できていないアフリカにおいては、雇用の創出とそれを支える高等・職業教育が喫緊の課題であるとし、暴力的過激グループに加入する人々の40%超が仕事の欠如が動機となっている点に触れ、経済的観点からのみならず平和構築・地域安定性の文脈からも人材育成が重要であると説明されました。アフリカ開発銀行では10か年計画のうち5つの分野に優先的に取組むこととしており、人材育成は産業化促進と人々の生活の質の向上の主に二つの観点から重点的に取り組んでいる旨述べられました。

イバダン大学のESDAプログラムフィールドワーク時の様子(Photo: ESDA)

参加者からは、日本の人材育成プログラムは英語圏アフリカに重点がおかれており、仏語圏アフリカが取り残されているのではという指摘や、次のTICAD7において人材育成をどのように打ち出していくのかという質問がありました。日之出産業の藤田取締役は、様々な国・組織・立場の人々が経験や知識を分け合うことができるのがTICADの良いところであり、公的機関もビジネスセクターもABEイニシアチブやその他のプログラムを通じて人材育成の様々な視点を共有し、それぞれの国や組織の実情に照らし合わせて考える良い機会となることに期待していると述べられました。

2019年最初の開催となった今回のセッションでは、このようにアフリカでの人材育成の経験と展望について活発な意見交換が行われました。次回のAFRI CONVERSEでは農業をテーマに産官学それぞれの視点から掘り下げていく予定でいます。

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