AFRI-CONVERSE 2022 #1 「Promoting Youth Employment and Entrepreneurship in partnership with public and private sectors」

国連開発計画(UNDP)では2019年8 月に開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に向けて日本国内で関係者及び関心のある団体・個人様の間でのネットワーキングと意見交換を支援させて頂くべく、2018年6月より月例の対話イベント「AFRI CONVERSE」を展開してまいりました。2022年開催予定のTICAD 8に向けて本イベントを再開し、JICAと隔月共催いたします。

アフリカは15歳から35歳までの人口が4億人以上と、世界で最も若年者の人口が多い地域です。この若い世代が、アフリカ大陸の将来を牽引していくのです。彼らの成否は、アフリカ大陸全体の成否にもつながります。したがって、政府、市民社会、産業界でリーダーとなり、変革の担い手となる若者に投資することは、アフリカの将来だけでなく、大陸にとって今まさに重要なことなのです。

しかし、アフリカ全域における若者の経済的機会が限られた悲惨な雇用状況は、彼らの可能性を潰しています。アフリカ開発銀行によると、2015年、アフリカの4億2千万人の若者のうち3分の1が失業中であり、さらに他3分の1が不安定な雇用状態にあり、賃金雇用は6人に1人にすぎませんでした。さらに、雇用されている人の大半はインフォーマルセクターで働いており、賃金が低く不定期で支払われることや社会的セーフティネットを利用できないことから安定した生活を送ることができず、若い女性や避難民、難民の若者などの脆弱な立場に置かれた人々がよりその影響を受けています。アフリカ開発銀行の推計によると、アフリカでは毎年1,000万から1,200万人の若者が労働力として労働市場に参入していますが、正規雇用は年間わずか300万人分しか創出されていません。その結果、ほとんどの若者は零細企業を自営することになり、生きていくのに必要なだけの収入はあっても、仕事を作ったり、生活を向上させるためのさらなる機会を追求したりすることはできないのです。

失業者の中でも若い女性は特に大きな困難と雇用への障壁に直面しており、アフリカにおけるニート(Not in Education, Employment, or Training)人口の35%を占めているのに対し、若い男性は20%となっています。雇用における著しい男女格差は、差別的な社会規範や法制度の存続、無償の世話・介護責任の不平等な分担、女性の移動に影響を与える安全・安心への懸念、低賃金の職業や活動領域に女性が集中する伝統的に女性に開かれた狭い職業分野、女性が起業するための資金や指導者へのアクセスの制限など多くの要因に起因しています。若者の雇用と起業における包括的な成長を促進するためには、ジェンダーの障壁に対処することと、障害者、地方で暮らす若者、避難民や難民の若者など、他の不利な立場にある若者のグループの特別なニーズに特別な注意を払うことが重要です。

他の地域と比較して多くの若者の人口を抱えるアフリカが若者の労働力を効果的に活用するために、アフリカ連合とその加盟国が目指す解決策の1つは、若者が雇用の創出者となることです。若者の起業家精神は、その情熱、創造性、革新性によって、新たな経済的・技術的機会を拡大するものであると考えられています。彼らの潜在能力を引き出し、活用することを通じた成長志向の企業の設立が、アフリカ大陸の繁栄に不可欠です。追い風として、貿易障壁を撤廃し、人と物の自由な移動を可能にし、GDP合計3兆ドルを超える12億人の統合を目指す単一の自由貿易市場であるアフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)は、新しい製品と雇用を生み出す新しい企業に拍車をかけるであろうと期待されています。このような変革には、メンターシップ、創業・新事業創出支援、若い人々への手頃な融資を含む戦略的投資、政策、プログラムを通じて、アフリカの若者を力づける大陸レベルの取り組みが必要です。

2022年の第1回AFRI CONVERSEでは、若者の雇用と起業家精神を促進するために二国間および国際機関によって開始された多元的アプローチを通じて得られたベストプラクティスや教訓を検証します。さらに、コロナ後の成長を見据えた今後の方向性を議論し、より包括的で弾力性があり、環境に優しいビジネスや雇用を生み出す可能性を検討します。2022年に開催されるTICAD8を見据え、AFRI CONVERSEではサミットでのハイレベルな取り組みへの道を開き、各国首脳を含む主要関係者がアフリカ大陸の持続可能な成長を追求する道筋に合意することを目指します。

日時: 2022年2月25日(金)19:30-21:00 (日本時間)

プログラム:

  • 19:30−19:33 開会、参加者による投票・連絡事項
  • 19:33−19:35 イントロダクション
  • 19:35−20:05 登壇者自己紹介・プレゼンテーション
  • 20:05−20:55 対話型セッション
  • 20:55−21:00 閉会

共催:UNDP・JICA

場所:オンライン (ZOOM)

参加費用:無料

参加登録こちらのリンクよりご登録願います。

使用言語:英語・仏語・日本語・アラビア語(同時通訳)


<登壇者>

カリダ・ブーザル UNDP総裁補兼アラブ局長
大野裕枝 JICA 中東・欧州部次長
ダニエル・エリオット・クワントウィ TranSoniCa CEO(ガーナ)
レイラ・べン・ガセム Blue Fish CEO (チュニジア)


<モデレーター>

近藤哲生 UNDP駐日代表