UNDPとCivil Societyが共同でオーガナイズしたDDR(Disarmament, Demobilization and Reintegration)に関する会合にて@ルワンダ

 

今の仕事の内容を簡単に教えてください。

アフリカ地域センターの地域プログラムチームにてサブサハラ以南の47か国・地域を跨がる案件の立案、実行、運営及び支援要請のあった国々へのサポートを担当しています。

主な担当分野は以下の2つです。

1.暴力的過激主義の防止(Preventing Violent Extremism: PVE)
アフリカ連合(African Union)や政府間開発機構(Intergovernmental Authority on Development)とともに、サブサハラ以南アフリカ地域の18か国で暴力的過激主義の予防や、紛争解決のための政策やルール作りを支援しています。具体的には、ボコハラムの影響を受けていたチャド湖周辺4か国(チャド、ナイジェリア、ニジェール、カメルーン)の地域安定化のための戦略をアフリカ連合と共に議論し、政策提言に落としこむ業務に取り組むなどしました。

2.ヴィクトリア湖プログラム(Lake Victoria Programme)
ヴィクトリア湖周辺の3か国(ケニア、タンザニア、ウガンダ)に跨がる地域の統合やルール策定を支援し、同湖で起きている問題に地域全体で効率的に対応するための基盤作りを行っています。ヴィクトリア湖はウガンダ、タンザニア、ケニアの3か国に跨っている関係で、それぞれの国から湖の資源に容易にアクセスすることができる一方で、アクセスの線引きが曖昧になっており、資源の取り合いが起きやすい状況です。これが一因となり、収入の少ない、もしくは収入のない人々が湖の周辺に移り住み、治安が悪化するといった問題が起きています。UNDPは多分野において豊富な知識や、政府との強固なネットワークがあるため、こういった国・分野を横断する課題において、異なる分野の専門家を繋いで議論の場を設け、様々な関係者の間で合意形成を図るプロセスを手助けするという機能をもっています。私は同プログラムで主担当を務めていました。

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仕事をしていて嬉しかったこと、やりがいを感じたケースを1つ教えてください。

上述の暴力的過激主義予防のためのプログラムで、ボコハラムの影響で疲弊したチャド湖周辺の地域安定化のためのルールをアフリカ連合と作成したことです。政策提言書を作る作業は、多くの専門家の知識を集約させる必要があり、様々な関係者の意見をまとめ上げる難しさを伴います。その過程において様々なぶつかりあいや、紆余曲折がありました。例えば、チャド湖周辺の4か国間での協議では、どの国が主導するのか、コストを均等に負担することは可能なのか等々、意見をまとめるのに必要なプロセスの一環として、膨大な量のメールや電話会議に加え、対象地域内で行われる会合にも参加し、多くの準備と調整に骨を折りました。こういった各国の利益が相反する事項について政治的な駆け引きをまとめ上げることは容易な道のりではありませんでしたが、最終的に地域再建のための法と政策ができた時は、それまでの苦労が報われとても嬉しかったです。

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現地の人々のUNDPに対する印象はどんなものでしょうか?現地の人々からのコメント等ありましたら教えてください。

47か国を管轄する地域センターにいるため、日々の業務で支援を受ける人々と会う機会は少ないのですが、政府やNGOの手が届きにくい仕事を行っているため、会議等で関係機関の職員等に会うたびに、パートナーとして感謝されることが多くありました。例えば、ヴィクトリア湖プログラムの主担当として各国政府の要人を招き、ワークショップを開催した際には、UNDPが中立的な立場でアドバイザーやファシリテーターとしての役割を果たしてくれたからこそ初めてこのような会合が実現した、と感謝の言葉を頂きました。

自身がリードしていたPVEのリサーチペーパー(IEP: Institute for Ecnomic and Peaceとの共同プロジェクト)に関する会合にて@エチオピア

 

これまでどのようなキャリアを積んできましたか。どうして国連またはUNDPに入ったのでしょうか。

静岡県に生まれ育ち、サッカー選手になることだけを考え、県内随一のサッカー強豪校に進学しましたが、自身が経験した貧困体験より、サッカー選手になる夢からシフトし貧困等で困っている人の役に立つ生き方を志すようになりました。その後、大学を卒業し総合商社で3年4ヵ月程勤務した後、最も援助を必要としている国や地域の「現場」での支援活動を知るためにNGOに転職しました。NGOではエチオピアのガンベラ難民キャンプにて南スーダン難民の支援を担当し、2年程勤務しました。その後、ガバナンスに関する修士号をイギリスにて取得し、国連ボランティアの空席に応募し2017年10月からUNDP地域センターで業務を開始しました。

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アフリカの魅力、醍醐味を教えてください。

アフリカの多くの国に出張するチャンスがあり、国や民族ごとに全く異なる文化・慣習を持つ国の人々と仕事をする機会を得たことが強く心に残っています。もちろん、個々人によって性格は異なりますが、礼儀正しいエチオピア人、意見をはっきりと述べる西アフリカの文化等、国や地域によって異なるお国柄を有することを知り、多様性のある中で共通する目標のために仕事をすることができるのが魅力だと感じています。

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最後に、アフリカの好きなことを1つ教えてください。

どんなときでも明るく笑いながら、日々を過ごすというアフリカ人の精神的な大らかさや強さが好きです。例えば、エチオピアのオフィスでは頻繁に停電がおきるため、Wifiが使えなくなり、プロポーザルの提出が締切に間に合わないことも何度か起きました。その時に日本人の私はとても落ち込みましたが、コントロールできないことは仕方がないので飲みにでもいこう、と笑いながら上司に言われたことで、気持ちの切り替えがすんなりとできたことは良い思い出です。


在ガーナ日本大使とPVE関連イベントにて
齊藤 吉洋 | アフリカ地域事務所 地域プログラムスペシャリスト(PVE 担当)
UNDPアフリカ地域事務所(エチオピア)にて、国連ボランティアとしてサブサハラ以南アフリカ地域のガバナンスシステム強化・紛争解決を担当。サッカー選手になれなかった悔しさを胸に、2009年大学在学時国際協力機構(JICA)にてインターン。2011-2014年総合商社双日株式会社にて勤務後、2014-2016年国際NGO ADRA Japanにて南スーダン難民支援を担当(エチオピア、ガンベラ事務所派遣)、2016-2017年英国開発学研究所(IDS)にてガバナンス・紛争解決手法について学んだ後、2017年10月より現職。

追記: 齊藤さんは2019年2月、アフリカを離れUNDP本部の危機対応局に異動。現在は人道支援・開発支援と平和構築の連携や、脆弱国家における根本的な原因をリサーチする業務を担当しています。

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